【ネタバレ】『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』J・J・エイブラムスが語る問題点 ─ ジョン・ボイエガも「必ずしも賛成しない」と心情明かす

この記事には、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)のネタバレが含まれています。『スカイウォーカーの夜明け』(2019)のネタバレはありません。
ジョン・ボイエガの気持ち
出演者の中でも、もっとも「オタク」的として知られるジョン・ボイエガ(フィン役)は、完結作『スカイウォーカーの夜明け』公開を目前にして、改めて『最後のジェダイ』を振り返っている。その胸中には、どうやら複雑な思いがあるようだ。
「『フォースの覚醒』は、序章として手堅かったと思います。『最後のジェダイ』は、正直に言うなら僕はちょっと微妙な感じでした。たくさんの選択がありましたが、僕は必ずしも賛成していません。そのことは、マーク(・ハミル、ルーク・スカイウォーカー役)ともたくさんお話しました。僕達にとってキツかったのは、みんなの意見が分かれてしまったことです。」
ジョンが具体的にどういったポイントに賛成しかねたのかは語られていない。しかし、『最後のジェダイ』公開の頃から、ジョンはこの作品の一部にノリきれない姿勢を隠していなかった。
たとえば、キュートなキャラクターとして大きな期待を集めていたポーグだ。「可愛すぎる」として公開前から賛否を巻き起こしていたこの小さな鳥型のクリーチャーを、ジョンは正直に嫌っていた。ライアン・ジョンソン監督含む出演者一同で出演した番組にて、監督を目の前にして「好きじゃない」「ファルコン号に乗ったら穴の中にポーグがいて、小さいポーグが固まってて、大きいやつもいて、ゾワゾワする」「どうでもいい」との率直な意見を真顔で、やや早口気味に語っていたことがある。
J・J・エイブラムス監督の意見
ジョンの言うように、『最後のジェダイ』への意見は分かれている。しかし、こと「大胆だった」という意見については概ね一致するだろう。
『フォースの覚醒』で提示された、レイの両親の謎、スノークの正体といった重要なトピックについては、“レイの両親は名無しの存在”、“スノークは正体も明かされず殺される”といった具合にすっかり片付けてしまった。『フォースの覚醒』が映画丸1本かけてセットアップした「ルークの元にライトセーバーを戻す」という前置きは、ルークその人に文字通り投げ捨てさせた。そればかりか、レン騎士団などのサブ要素には触れることさえなく、また旧ファンお気に入りのアクバー提督は台詞ひとつで死んだことになった。『最後のジェダイ』は、前作までに必然的に盛り上げられた期待の多くを、実に大胆に覆したのだ。
こうした展開についてJ・J・エイブラムス監督は、「サプライズと破壊、大胆な決断に満ちていた」と評価。「一方で」、とJ・Jは続ける。「ストーリーに対してメタ的なアプローチもありました。スター・ウォーズのファンは、“これは重要じゃない”ということにされるのは嫌でしょうね。」
問題点も理解しながら、J・Jは『最後のジェダイ』を、そしてスター・ウォーズそのものを寛大に抱き入れている。「僕が『スター・ウォーズ』を愛しているのは、作品に広い心があるから」とは、J・Jが米Esquireに語った意見である。
「『スター・ウォーズ』ファンの一人として、僕がそれぞれの作品のすべてを愛しているかと言われれば、そんなことはありません。だけど『スター・ウォーズ』を愛しているかと言われれば、もちろん愛しています。大好きですよ。」
『最後のジェダイ』でルークは、「強い光には強い闇がある」と紹介した。まさに、今のスター・ウォーズを言い表すかのようだ。完結作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、そこにバランスをもたらすことができるだろうか。
映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)より公開中。
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