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『ジャスティス・リーグ』DC映画としての正史は「劇場公開版」 ─ ザック・スナイダー監督が認める

ジャスティス・リーグ スナイダー・カット
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DC映画『ジャスティス・リーグ』(2017)は、製作途中にザック・スナイダー監督が降板したことで複雑な立ち位置に追い込まれた作品だ。実質の後任者となったジョス・ウェドンが大幅な再撮影・再編集を行った“劇場公開版”と、ファンの要望から実現した、ザックの初期構想に基づく再創作版『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』の2バージョンが存在するからである。

では、ワーナー・ブラザース/DCコミックスは、DC映画ユニバースの正史(カノン)にどちらのバージョンを認めるのか? このたびザックは、ポッドキャスト「DC Cinematic Cast」にて“劇場公開版が正史”と明かしている。

「ワーナー・ブラザースとしては、この映画、僕自身の『ジャスティス・リーグ』は正史にはなりません。僕がやっていることはまるで正史ではないんだから、面白い関係ですよね。だけど、だからこそ自分のやりたいようにこの映画(『ザック・スナイダーカット』)を作れたのだと思えば、それで良い。正史じゃないことも受け入れられるし、同意できます。」

ザックはDC映画ユニバースの立ち上げに尽力し、ヒーローたちのキャスティングにも深く関与してきた。今では、その過程で監督した『マン・オブ・スティール』(2013)『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)の2作品と、新たに製作した『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』を「3部作」と呼び、「ある意味で独立している、何にも頼らない」作品群だと語っている。

一方でザックは、『ザック・スナイダーカット』が正史扱いされないことに不満を覚えるファンにも理解を示し、メッセージを投げかけた。

「ガッカリしないで、とは言いません。ガッカリしていいし、僕もガッカリしてはいますから。だけど僕が言えるのは、もう別物なんだということ。ユニバースの大きなコンセプトは別の道を行くことになって、僕にできることはない。それに尽きます。僕が決めたことではないですしね。」

現在、ワーナーは『ザック・スナイダーカット』の続編を計画しておらず、ザックが長らく思い描いてきた物語はここで終わりを迎える見込み。ただし、ベン・アフレック演じるバットマンは『ザ・フラッシュ(原題)』に登場し、ガル・ガドット主演『ワンダーウーマン』シリーズは第3作が計画中。ジェイソン・モモア主演『アクアマン2(仮題)』は2022年12月16日に米国公開予定だ。ザックは離脱するものの、今後もヒーローの物語は続いていく。

映画『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』は2021年初夏、デジタル配信&ブルーレイリリース。

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Sources: DC Cinematic Cast, The Direct

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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