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スカーレット・ヨハンソン、性的魅力ばかり求められる役に戸惑い「男性目線の作品も多かった」

スカーレット・ヨハンソン
Photo by THE RIVER

マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のブラック・ウィドウ役で知られるスカーレット・ヨハンソンは、ハリウッドでも珍しいキャリアの持ち主だ。大手スタジオの大作映画に出演するかたわら、クリストファー・ノーランやスパイク・ジョーンズ、ジョナサン・グレイザー、ウェス・アンダーソンといった映画作家との仕事を続けてきた。

40歳を迎えた今、ヨハンソンは大ファンだったという『ジュラシック・ワールド/復活の大地』への出演や監督業進出など、非常に充実した現在地にある。もっとも英The Timesでは、業界に入ったばかりのころ、性的魅力ばかりを求められる役柄に戸惑ったことを語っている。「当時は今とは違いました。メッセージも異なっていた」という。

「今ではロールモデルが増え、権力のある女性も目立つようになり、ひとつの役割だけに縛られない役柄を演じる機会も増えました。けれども私が若い頃にオファーを受けたり、自分で選んだ役柄は、男性の欲望や目線、または男性中心の物語のなかで、彼らの野心やストーリーに関係しているものが多かったんです。そういう役は少なくなってきました──変化が起きたということです。」

もっともヨハンソンは、自分が「きちんと満足できない」と感じた役柄は断ってきたという。その個性的なキャリアは、そうした選択の結果として形成されたものなのだ。

「とにかく待っていました。時間がかかるかもしれないことを受け入れなければいけなかった」とヨハンソンは話す。2014年9月には子どもを出産したが、それまでは子どもがいなかったことも大きかったようだ。「私の責任は生産的であることだけだった」と当時を振り返っている。

「キャリアの勢いを維持しながら、しかるべきチャンスを待つ──それは存在の不安が伴う、つらいことでした。それでも私は、クリエイティブなプロセスが機能するようにしておかなければいけなかったんです。神経はすり減りました。私がいるのは、いつでも用済みになりかねないような世界だから。」

それでもヨハンソンは、「それでもきっと報われる、と確信していました」と語る。MCU映画を卒業し、いまでは監督やプロデューサー業などスタッフ側の仕事にも回っている活躍ぶりは、おそらく後進の俳優たちにも大きな勇気を与えることだろう。

Source: The Times

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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