DC映画『ジョーカー』ホアキン・フェニックスは「ジョーカーを完璧につかんでいる」監督が絶賛 ─ 作品のテーマは「なぜ人々は革命を起こすのか」

ホアキン・フェニックス主演、“狂気の犯罪王子”を描くDC映画『ジョーカー』について、ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門での上映を控えるイタリアの現地メディアが新たな情報を伝えた。伊Il Vernerdiにて、脚本・監督のトッド・フィリップスとホアキンの新たなコメントが公開されている。
既存のDC映画ユニバース、さらには過去にコミックで描かれてきたジョーカーのストーリーからも独立したストーリーになる本作は、トッド監督が「ジョーカーがどのように出来上がったのかを自分たちのバージョンで書いた」「ジョーカーをやるのではなく、この男がジョーカーになる物語をやる」と豪語してきた作品。このたび、ホアキンも本作について「スーパーヒーロー映画ではありません」と一言。自身が演じる主人公アーサー・フレックは「スーパーヴィランでも、スーパーパワーを持った人間でもない」と語っている。
本作に影響を与えたのは、マーティン・スコセッシ監督による『タクシードライバー』(1976)や『キング・オブ・コメディ』(1982)。アーサーに関わるテレビ司会者役のロバート・デ・ニーロも、『ジョーカー』と『キング・オブ・コメディ』には関連性があることを認めていた。もちろん今回のジョーカーは、バットマンと戦うキャラクターではない。Il Vernerdiによれば、ジョーカーが戦うのは「1980年代の競争的で暴力的なアメリカ企業」。トッド監督は「人々に反乱を促す映画ではありません。ただし、なぜ人々は革命を起こすのかを描こうとしています」と語っている。

依然としてストーリーの詳細がつかめない『ジョーカー』ではあるが、おそらく確かなのは、その「革命」の旗頭を担うのがアーサー・フレック/ジョーカーであるということだ。ホアキンは、予告編でも特徴的だった笑い声からジョーカーの役づくりを始めたことを明かしている。「病的な笑い方をする人々や、人の真似をやめられない精神疾患を患っている人々の映像を見たんです」。
ただしトッド監督は、米USA Todayにて「ホアキン・フェニックスをコミックの世界に放り込むことが目的ではなかった」と強調する。「むしろ僕の目的は、コミックをホアキン・フェニックスの世界に放り込むことでした」。それでも監督いわく、ホアキンはジョーカーという役どころを「完璧につかんでいた」とのこと。ジョーカーという役を演じる上で避けては通れない“闇の部分”を重視していたというホアキンは、ジョーカーの恐ろしさを演じることを「異様にうまくこなしていた」というのである。
すでにヴェネツィア国際映画祭やトロント国際映画祭のディレクターから絶賛を浴びている『ジョーカー』は、ホアキンがキャリア史上最高の演技を見せているとも、「アカデミー賞まっしぐら」とも形容されている話題作だ。いまだ語られざる、まったく新しいジョーカーの物語が、少しずつその全貌をあらわにしようとしている。
映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)日米同日、全国ロードショー。
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Sources: Il Vernerdi, USA Today