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『ジョーカー』ベネチア映画祭で絶賛止まらず、ディレクターが「アカデミー賞候補確実」宣言 ─ 「ジャンルの限界を超えている」

ジョーカー
(C)2019 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & (C) DC Comics

2019年8月31日(現地時間)にヴェネツィア国際映画祭で世界初上映を迎えた、DC映画『ジョーカー』への絶賛が止まらない。“狂気の犯罪王子”としてファンに愛されてきた屈指の人気ヴィランの物語を、確かな実力を持つホアキン・フェニックス主演で描き直す本作は、上映前からアカデミー賞有力との声も寄せられるほどだったのだ。

映画祭での上映後には、客席から8分間におよぶスタンディングオベーションが起こり、観客や批評家からは賛辞の声が続出している。これを喜んだのは、ヴェネツィア国際映画祭のディレクターであるアルバート・バルベーラ氏だ。早くから本作に「今年もっとも驚くべき映画」「アカデミー賞まっしぐらでしょう、すばらしい野心と視野をもつ作品です」との高評価を贈っていた目利きの人物である。


Deadlineの取材にて、アルバート氏は『ジョーカー』に対する絶賛を喜び、「現在の評価に値する作品です」と言い切った。世界を代表する映画祭にコミック映画を送り込むというワーナー・ブラザースの判断にも、「彼らは良い選択をなさったと思います。正しい選択でした」と述べたのだ。

(『ジョーカー』は)ジャンルの限界を超えています。ホアキン・フェニックスは傑出した演技を見せていますし、トッド・フィリップス(脚本・監督)も素晴らしい仕事をしている。アカデミー賞も大きな見込みがあると思いますよ。候補には確実に入るでしょう。」

上映後のレビューでは「現実世界で起きていることを表現した貴重なコミック映画」とも評された本作は、デリケートなテーマにも果敢に挑んだ意欲作だ。「議論が起こる可能性もありますが」と指摘されると、アルバート氏はそうした見方をひとまず退けた。

「私はそうは思っていません。問題の扱い方が知性的で、単純な見方になっていないからです。社会的な要素や、そのほか外的な要素が、登場人物の内面に結びついて、複雑な映画が出来上がっている。ここは映画の強みですよ。強力かつ予測できない、独創的な映画です。[中略]『ジョーカー』はダークな映画です。現代の世界をダークに捉えていますね。」

なお本作は、脚本・監督のトッド・フィリップスが、ロバート・デ・ニーロとマーティン・スコセッシ監督のタッグによる『キング・オブ・コメディ』(1982)や『タクシー・ドライバー』(1976)などから影響を受けていることを明かしている。これについて、アルバート氏は「そうした映画を参照してこそいますが、非常にオリジナルな映画ですよ」と強調。スコセッシの名作にインスパイアされた、あくまで現代の映画なのだという見方を示した。

『ジョーカー』についてはさまざまな方面から絶賛が寄せられており、DCコミックスのチーフ・クリエイティブ・オフィサーであるジム・リー氏も、新たに描き直されたジョーカー像について「私たちの理解に一致しないところは全くありません」と述べ、ホアキンの演技については「愛すべきヴィランについて、深く完全な洞察を与えてくださいました」と感謝のコメントすら送っている

映画『ジョーカー』は2019年10月4日(金)日米同日、全国ロードショー。映画賞でロケットスタートを切った異例のコミック映画が、少しずつ近づいてきている。

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Source: Deadline

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

THE RIVER編集部。「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。国内舞台作品の執筆・創作にも携わっています。ビリー・アイリッシュのライブに行きたい。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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