【追悼ジョナサン・デミ】傑作『羊たちの沈黙』(1990)からその作風を振り返る─ 被写体との距離、演出

ジョナサン・デミのやり方は正攻法なドラマ演出のやり方の良い例です。クローズアップを多用するには役者の力量が前提として必要ですが、私は日本の役者が特に下手だとは思いません。(演技が大げさだとは思いますが)
インディーズ映画でもオーディションすると山ほどの応募があります。前作では書類も含むと私は百件を超える応募をさばいています。
それを片っ端から面談するわけですが、お願いすると十割に近い確率で舞台調のオーバーアクトをします。
おそらくこれはそういう風に事務所や現場で教育されているからでしょう。
クローズアップのフレーム内では人物の表情が仔細にわかります。極端な話ではなく眉毛が一ミリ動いただけでもかなり大きな差があります。モニターと睨みあいながら最適な演技に導くのも監督の大事な仕事です。
ジョナサン・デミはジョディー・フォスター、アンソニー・ホプキンス、トム・ハンクスと言った名優たちを演出し彼らを多数の映画祭での受賞に導きました。優れたドラマ演出家だったのでしょう。
合掌。
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