『トイ・ストーリー4』監督が実写映画デビューへ ─ 原作は人気児童向けファンタジー小説

『トイ・ストーリー4』(2019)の監督などで知られるジョシュ・クーリーが、児童向けファンタジー小説を原作とした実写映画の監督を務めることがわかった。本作は、ディズニー&ピクサーのアニメーターとして活躍してきたクーリーの実写映画監督デビューとなる。米The Hollywood Reporterが報じている。
原作となるのは、イギリス出身の児童作家トーマス・テイラー氏のベストセラーファンタジー児童小説『Malamander』。物語は、変わり者のキャラクターたちが住まい、冬霧のように薄暗い謎を秘めた海辺の街“Eerie-on-Sea”を舞台に、ホテルでの遺失物を管理する少年ハーバート・レモンと仲間たちが繰り広げる冒険譚。レモンは、生まれて間もない頃に両親と生き別れてしまった少女バイオレット・パルマを助けるために、夢を叶えてくれると言われる獣人の男を探したり、フックの手を持つ悪人と対峙したりしながら、両親を探す旅に出発することになる。
本書は、2019年5月に初版が刊行されてから、現在までに世界20ヶ国語に翻訳されている。続編『Gargantis』も2020年5月7日よりイギリスで出版されており、アメリカでは5月26日より発売開始となる。ちなみに、テイラー氏は、作家としてだけでなくイラストレーターとしても活躍しており、『ハリーポッターと賢者の石』(静山社)初版のカバーデザインを手がけたことでも知られている。
インターンシップ生としてピクサー・アニメーション・スタジオでのキャリアをスタートさせたクーリーは、これまでに数々の名作ピクサー作品に携わってきた。『Mr.インクレディブル』(2004)や『カーズ』(2006)などのストーリーボード(絵コンテ)を手がけ、後に『インサイド・ヘッド』(2015)の脚本を執筆。2019年には、『トイ・ストーリー4』の監督・脚本に就任し、見事アカデミー賞長編アニメーション賞を獲得している。いわば、現在のピクサーを支えてきた人物である。
クーリーは、2020年3月中旬に、17年間共に歩んできたピクサーを退社している。「17年もの間ピクサーで映画を作り、物語を伝えてきたことは夢のようでした」とクーリーは語りつつも、「新しいコラボレーターやパートナーたちと新たな世界を作れる事にワクワクしています」と今後の製作に意欲を見せている。「届けたい物語がたくさんありますし、出来れば私の進む道にピクサーマジックを盛り込みたいです」。ちなみに、クーリーは本作のほか、『トランスフォーマー』の前日譚アニメ映画の監督への就任も決定しており、さっそく精力的な活動をすることになりそうだ。
本作の製作は、米ソニー・ピクチャーズにて行われる。監修には、マーク・ラファロ主演の新作ドラマシリーズ「I Know This Much Is True(原題)」でプロデューサーを務めるピーター・カンが就任した。
Source: THR