『ジャスティス・リーグ』初期脚本、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の影響を受けていた

数あるスーパーヒーロー映画のなかでも、DC映画『ジャスティス・リーグ』(2017)ほど紆余曲折を経た作品はそうそうない。長きにわたる企画開発を経て、DC映画ユニバース『マン・オブ・スティール』(2013)を手がけたザック・スナイダー監督のもとで動き出した本作は、度重なる脚本改訂ののちに撮影が開始されるも、スナイダーがやむにやまれぬ事情のため降板、その後は『アベンジャーズ』(2012)ジョス・ウェドンの手で仕上げられた。
ところがウェドンによる劇場公開版は、スナイダーが本来構想したものとは大きく異なった。ワーナー・ブラザースの意向で大幅な修正が施されたことにはキャスト&スタッフも困惑、ファンの強い要請もあって、のちにはスナイダーが大幅な再撮影・再編集を施した『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』(2021)がリリースされている。
では、本来構想されていた『ジャスティス・リーグ』の初期脚本とはいかなるものだったのか? 2012年に脚本家として雇われていたウィル・ビールが、米The Wrapにて当時の様子を語った。「僕の書いた初期の草稿は、部分的に“スナイダー・カット”に入っています」と言うように、彼の名前は『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』には“原案”としてクレジットされている。
「最も大きく異なるのは、僕の書いた草稿は、第2幕の大部分がスナイダー・カットの終盤のような内容だったことです。黙示録めいた夢のシークエンス、あるいはフラッシュフォワード(未来の場面)で、善人と悪人がチームを組まざるをえなくなる。『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』(1989)に大きなインスピレーションを受けていました。」

ビールは「脚本家として最初にすべきことは、どんな作品であれ良い世話役になること、危害を加えないこと。ファンやキャラクターに敬意を払い、彼らを偉大にしているものに敬意を払い、裏をかこうとしないことですね」と語る。残念ながら『ジャスティス・リーグ』は自身の執筆した形にならなかったが、「自分の脚本を誇りに思いますし、役に立ったことが嬉しい。自分の仕事はできたと思っています」と言う。
その後、ビールは同じくDC映画ユニバースの『アクアマン』(2018)でも共同脚本を担当。「素晴らしい経験でした。ジェームズ・ワン(監督)やジェフ・ジョーンズ(原案)との仕事は大好きだったし、とても楽しい仕事でした」と振り返っている。
2024年に入ってから、ビールは『バッドボーイズ RIDE OR DIE』と『ビバリーヒルズ・コップ:アクセル・フォーリー』という2大シリーズの最新作で脚本を担当し、業界での存在感を高めている。今後、新たなDC映画への参入にも前向きだ。「本当に最高のキャラクターたちです。バットマンもアクセル・フォーリーも、(『バッドボーイズ』の)マイクとマーカスも、まさに象徴的なアメリカン・キャラクターですよね」。
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Source: The Wrap