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『ジャスティス・リーグ』上映時間は『バットマン vs スーパーマン』超え?ヒーロー映画に長尺化の傾向か

映画『ジャスティス・リーグ』の上映時間について、早くもひとつの情報が入ってきた。映画データベース・サイト「IMDb」に、同作の上映時間に関する情報が掲載されたのである。ただし同作は、米国でも2017年11月17日に公開予定とあって、現在ポスト・プロダクション作業の最中だと思われる。今回の情報は、あくまで噂のひとつとしてご理解いただきたい。

『バットマン vs スーパーマン』よりも長い?

今回IMDbに掲載された情報によると、『ジャスティス・リーグ』の上映時間は170分(=2時間50分)。これは、DCエクステンデッド・ユニバース(DCEU)の前作『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』劇場公開版(’16)の152分よりも18分長い。

しかしDCコミックスを原作とする映画を比較してみると、170分という上映時間は、それほどズバ抜けて長いわけではない。

DCEUの第1作『マン・オブ・スティール』(’13)は143分だったし、第3作『スーサイド・スクワッド』(’16)は短めの123分。『バットマン vs スーパーマン』のアルティメット・エディションは183分だ。DCEUの開始以前に目を転じると、クリストファー・ノーラン監督による『ダークナイト』3部作は、『バットマン・ビギンズ』(’05)が141分、『ダークナイト』(’08)が152分、『ダークナイト・ライジング』(’12)が165分である。もっといえば、『バットマン vs スーパーマン』『ジャスティス・リーグ』と同じくザック・スナイダー監督が手がけた『ウォッチメン』(’09)は、劇場公開版が162分、ディレクターズ・カット版が186分、アルティメット・カット版が215分(ディレクターズ・カット版、アルティメット・カット版は日本未発売)。もし『ジャスティス・リーグ』が170分だったとしても、まったく驚くようなことではない

[2017年3月31日更新]

『ジャスティス・リーグ』のプロデューサーであるジョン・バーグ氏は、自身のTwitterで「まだ映画は完成してないのに、IMDbが正確な上映時間を知ってるなんて不思議だね」と記して、今回の情報を否定している。

© 2008 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved. TM & © DC Comics. https://www.legendary.com/film/watchmen/
© 2008 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved. TM & © DC Comics. https://www.legendary.com/film/watchmen/

ヒーロー映画、どんどん長尺化する?

『ジャスティス・リーグ』の上映時間が長くなることは、よくよく考えれば無理もない話だろう。スーパーヒーローや、その周辺のキャラクターには、コミックから描かれ続けてきた設定と物語がある。そうした要素を映画に移植した上で、さらにヒーローを複数人共演させようものなら、たとえ基本のストーリーが単純でも、そこで描かれなくてはならない要素はどんどん増えていくのだ。DCの2大ヒーローが対決した『バットマン vs スーパーマン』や、そもそもコミックの情報量が非常に多い『ウォッチメン』が長尺になったのは自然なことで、むしろ『スーサイド・スクワッド』が短いくらいだといっても良さそうである。

こうした傾向は、DC映画だけでなく、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)にも起きている。各ヒーローの単独作品では、ストーリーを比較的短い尺にまとめることを基本的信条としているように思われるMCUだが、『アベンジャーズ』(’12)は143分、その続編『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(’15)も141分とやや長尺になっていた。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(’16)は、近い時期に公開された『バットマン vs スーパーマン』と大差ない148分である。

「上映時間170分」という情報が出てきた『ジャスティス・リーグ』と同じように、MCUにも“ヒーロー総出演”となる『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(原題:Avengers: Infinity War)』が待っている。もはや何十人出てくるのかわからない、そんな規模の『インフィニティ・ウォー』こそ、上映時間が何分あれば足りるのかわからないというものだろう。『アベンジャーズ』シリーズは4作目も決まっており、そちらも相当長い映画になりそうだ……。

ユニバースが巨大化し、登場人物が増え、彼らを複数の映画で共有するほど、一本一本の情報量も増えていく。DC/マーベルを問わず、今後のヒーロー映画は長尺化がよりいっそう進むことになりそうだ。ちなみに完全なる余談だが、筆者には「上映時間が長いというだけでその映画を観たくなる」という習性がある。同じ習性の読者もきっとおられるかと思うが、そんな筆者からすると、ヒーロー映画の長尺化はむしろ歓迎したいくらいである。

ともあれ、映画『ジャスティス・リーグ』は2017年11月18日公開。もし長尺になるのなら、それだけの尺がないと描けない内容に期待したいところだ。

Sources: http://screenrant.com/justice-league-movie-runtime/
http://www.imdb.com/title/tt0974015/
http://batman-news.com/2017/03/30/justice-league-runtime-rumor-false/
Eyecatch Image: https://www.youtube.com/watch?v=3cxixDgHUYw
(C)2017 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。