ブライス・ダラス・ハワード大興奮で語る『ジュラシック・ワールド』『スター・ウォーズ』『スパイダーマン』『ジブリ映画』【単独インタビュー】

『ジュラシック』シリーズの完結作『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』が、ついに日本公開となった。THE RIVERでは、現3部作でクレア役を演じたブライス・ダラス・ハワードの来日中、都内で直接対面してのインタビューを敢行。『ジュラシック・ワールド』の最新作についてはもちろん、ブライスの関連作について、自由気ままに楽しいトークが展開された。
日本が大好きだというブライス、このインタビューでは何度も大笑いし、好きな作品について大興奮で語ってくれた。ボリューム満点の満腹インタビューをどうぞ。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』クレア役ブライス・ダラス・ハワード 単独インタビュー

──お元気ですか?フライトはいかがでした?
元気です!ありがとう!フライトも快適でしたが、昨日着いたばっかりで(笑)。
──じゃぁ、時差ボケも?
うん、現在進行形(爆笑)!今も時差ボケ中。でも、ロサンゼルスからだと、そこまで大変じゃないかな。
──じゃあ、今回はリラックスしていきましょう!
イエス、イエス!
──Instagramを見たんですけど、前回東京に来られたときのビデオをあげていましたね!絵馬にお願い事を書いているやつ。今回の来日でも、どこか観光に行くご予定は?
そうなんです!すごく短い滞在にはなるんですけど、いつも楽しみがあって、今回はスタジオジブリ(編注:三鷹の森ジブリ美術館のことと思われる)に行きたいんです。行ったことなくて!私、宮崎作品の大ファンなんです。自宅のダイニングルームも「ミヤザキ・ダイニングルーム」って名付けてて、壁一面、『となりのトトロ』みたいな木にしてるんですよ。だからジブリは私にとって、すごく重要なんです。あぁ楽しみ。だから今回は、ちょっと長めに滞在するつもりです。
──そうなんですね!ジブリ映画の中では何がお好きですか?
それはやっぱり、トトロが大好き。それから、『魔女の宅急便』を観るのも大好き。でも、彼の作品は全部素晴らしいです。何年も前なんですけど、私ね、『ハウルの動く城』でオーディションを受けたことがあったんですよ!
──えっ!声優ってことですか?
そう、声優!しかも老婆の役。アッハハハハ!(爆笑)だから受からなかった(笑)。自分でも適役かわからなかったし。とにかく、それくらい宮崎映画の大ファンなんです。
──そうだったんですね(笑)。さて、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』が、ついに日本公開を迎えます。本作で、クレアが沼池に浸かるシーンがお気に入りです。あのシーン、ブライスさんは現在ご自分のSNSのプロフ画にしてますよね(笑)。
ありがとう!そう、そうです!(笑)
──あのシーンは、クレアの「ドラムソロ」だと考えているそうですね。
そうです。監督・脚本・製作のコリン・トレボロウが、あれはクレアのドラムソロみたいなものだっておっしゃっていて。なぜなら、前作までも私のアクションはたくさんあったけど、いつも誰かのパートナー役だったでしょう。だって、私が1人でやっているシーンを自分でもすぐに思い出せないくらいですもん。あるとしたら、1作目でフレアを持ってT-レックスから逃げながら「9号パドックを開けて!」って言ってるとこくらい?
でも今作でのクレアは、出番の大部分で自立している。彼女自身が様々な要素や恐竜に直面してね。(沼のシーンは)撮影日も覚えてます。2020年の7月22日と23日。ロングテイクでした。ウェットの状態とドライの状態を撮影するわけですが、そういう撮影は一回しかできないんです。いちいち乾かしてまた戻す時間はないからですね。だから一発できちんと撮るのが重要で、楽しい挑戦になりました。間抜けな感じもしましたけどね(笑)ヤバイ!身体が浮いちゃう!どうやったら浮かずにいられるの?みたいな(笑)。でも、すごく楽しかったし、クレアとしても新しい描写になったと思います。

──この映画は『ジュラシック』シリーズの完結作だと言われていますけど、ブライスさんの中で、まだ続いてくれるんじゃないかという気持ちはありますか?
えっと、この際だから神に誓って真実を話しますね。私の感覚としては、これは「数キャラクターたちの冒険」の完結篇。つまり、レガシー・キャラクターたちと、私とクリス・プラットが、将来の作品で再登場できるかと言われたら、もちろんできます。あとは、誰かが今後のキャラクターやストーリーをどう創造するかですね。だって『ジュラシック・ワールド』の世界では、ディワンダ・ワイズのケイラのように、まだ物語が始まったばかりのキャラクターもいるでしょう。
だから私の希望としては、『ジュラシック』という素晴らしく意義深いタイトルがあるんだから、もしスティーブン・スピルバーグやユニバーサル、フランク・マーシャルが映画を打ち切ったら、いちファンとしてガッカリします。私が知っていることは何もありません。ただ、ケイラのようなキャラクターの物語が続いてほしいと願っています。私自身、あのキャラクターがすごく好きだし、ディワンダ・ワイズのことも大好きだから。彼女のストーリーをもっと見たい。
ほんとに、スティーブンとユニバーサルが「もう恐竜映画はやらない」なんて言ったら、私もビックリですよ。どうなるかは、私自身サッパリですけどね(笑)。とにかく、このシリーズとキャラクターが大好きなので、何度でも戻ってくるつもりです。
──10年後や20年後に、今度はあなたとクリスが復帰する映画が出来たらすごいですね。
それ最高!絶対泣く(笑)。素晴らしいですね!この8年間、彼女のストーリーを伝えられて本当に幸せだったから。これでお別れなんて悲しすぎる。まるでサマーキャンプの終わりみたい。だから、今後また何かがあるといいな。
新世代のストーリーテラーが出てきて、私とクリスが復帰して……その頃私は60代か70代になって、からかいの冗談なんか言ってね。それから(メイジー役の)イザベラ・サーモンが……、うわ、今の私の年齢になってる?アハハハハハ(爆笑)!やばい!最高じゃん!信じられない!
──いやぁ、リユニオンものはウケますよね。最近でも『トップガン』や『ゴーストバスター』などがあって、そういえば『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』は観ましたか?トビー・マグワイア版でグウェン・ステイシーを演じていましたよね!
もちろん!最高でしたね!とても感動しました。ジョン・ワッツ監督とは大学時代の同級生なんです。ニューヨーク大学の同級生。
──えっ、そうなんですか!
そう。私の夫と一緒に、みんなでよく短編映画を撮ってましたね。だからジョンとは大学時代からの付き合いだし、脚本のクリストファー・フォードも知っています。
私もサム・ライミ版に出演できて本当に嬉しいです。しかも、エマ・ストーンがグウェン・ステイシーを演じてくれた!彼女、最高!しかも地毛のブロンドヘアだし!(笑)。
──(笑)あなたの時は、ウィッグを被っていた?
染めてたんですよ。地毛の赤毛が出てきちゃうから、10日おきに染めていました。
──今マーベルは「マルチバース」をやっていますから、もしかしたらあなたのグウェンが再登場して、エマのグウェンと共演できるかもしれませんね。グウェンバース!
そんなの絶対イエス!もし『グウェンバース』があって、複数のグウェン・ステイシーが登場するなら、私も入れて!しかも私、純粋にエマ・ストーンのグウェン・ステイシーの大ファンだし。だから、ただ観客として観るだけだとしても、それはそれで嬉しいです!
──最高ですね!ところで、先日あなたが出演していた回の「The Tonight Show Starring Jimmy Fallon」(アメリカの人気トーク番組)を観たんですけど、すごく面白い話をされていましたね。何でも、人間の脳の「暴力」を司る部分は、「可愛い」を司る部分と隣り合わせなんですって?
そうなんです!本当かどうかはわからないんですけど、でも「わかる!」って思って!人から聞いた話だから、ちゃんと調べた方がいいと思うんですけど、とっても共感できるんです!すっごく可愛いものを見た時、可愛すぎて殺したくなっちゃう!みたいな。変ですよね!(笑)可愛すぎて、ムギューって潰したくなっちゃう。映画の仕事していると、そういうことが多くて。ブルーの赤ちゃんベータもめちゃくちゃ可愛いし、ベビーヨーダもめちゃくちゃ可愛いし!
──『新たなる支配者』では、赤ちゃんナーストケラトプスも登場しましたね!
そうそう!ベビーナーストって呼んでました。めっちゃ可愛いんだけど、超重い(爆笑)。赤ちゃん恐竜は大好き。もっと赤ちゃん恐竜がほしい。
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──さて、あなたは監督としても活躍されていますね。『ジュラシック・ワールド』シリーズから、監督として学ぶことはありましたか?
もちろん、たくさんありました。コリン・トレボロウは監督として大好きな方なので、彼とだったら何度でも何度でも一緒に仕事をしたい。彼からは多くのことを学ばさせていただきました。協調性がすごくあるんですよ。役者を受け入れる姿勢や、何かを作ったり、環境を作ったりすることがすごく上手で、そのおかげで私たちもベストを尽くせた。即興も自発的に出てきてね、そういうクリエイティブな環境ができたのは、全て彼のおかげです。
それに、ストーリーテラーとして非常に映画的。すごくすごく洗練されていて、経験豊富だし、彼のストーリーはエンジン全開。私も監督として、そういうことを目指しています。役者の能力を強化して、撮影で新しい要素に自発的につなげていく。その上で、明確なビジョンをもって、映画に何が必要か、どんなフィールにするべきかを選択していくんです。
──ご自身の監督作としては、「マンダロリアン」シーズン3が控えていますね?
そうです!
──「アソーカ」はどうですか?何か関わっていらっしゃる?
「アソーカ」めちゃくちゃ楽しみです。残念ながら……、「アソーカ」の監督をやるためには、『ジュラシック』のプレスをスキップしないといけなかった(笑)。(編注:『ジュラシック』プレスとの兼ね合いで、「アソーカ」監督は辞退せざるを得なかった、という意味と思われる。)
とにかくファンとして大興奮です。撮影現場には通い続けました(笑)。デイヴ・フィローニがいろいろと情報をくれるから、すごくラッキーです。とにかく待ちきれない。どれだけ待ちきれないか、言葉では伝えられないくらいに待ちきれない。
すごく最高になりますよ。すーっごく最高になりますよ!ほんとに、信じられないと思うけど!『スター・ウォーズ』のすごく良いやつがやって来るんですよ!めちゃくちゃ良い。だってジョン・ファヴローがデイヴ・フィローニを支えて、そしてデイヴ・フィローニが、今度はジョン・ワッツを支えて、「スケルトン・クルー」っていうドラマをやるんですよ!そして同時に「マンダロリアン」もやってる!いわば「ファヴロー・バース」が拡大してるんですよ。彼には絶大な信頼をおいているから。とにかく、本当にスッゴいのが来るー!おぁぁぁー!もう、めちゃくちゃ興奮しちゃう!

──(笑)こないだ、コリン・トレボロウ監督とお話しさせていただきました。ほんの数分でしたが、とても素敵な方でした。
ですよね!いい人なんですよ!
──はい、とても聡明な方だと感じました。それで、彼はスティーブン・スピルバーグから一つだけ注文を受けたんだと教えてくれました。それは、「人間キャラを忘れるな」ということだそうです。ストーリーも壮大で恐竜もたくさん登場するけれど、観客が気にするのは人間キャラなんだ、という話です。
その通り。どうして『ジュラシック』シリーズがこんなにも愛されているかといえば、素晴らしいキャラクターたちがいるからですよね。ローラ・ダーンにサム・ニール、ジェフ・ゴールドブラム、そしてサミュエル・L・ジャクソンにB・D・ウォン。最高にアイコニックで、印象に残るキャラクターばかり。ダイナミクスもあり、ユーモアもあり、対話も面白い。退屈なところや、あからさまなところがが一つもないんです。だから、キャラクターたちを恐竜がなくとも成立するようにペアリングしたり、恐竜ありきでペアリングしたりといったことが、このシリーズをもっと面白くしているんです。コリンの頭には、常にそういう考えがあったと思いますよ。それこそが、スティーブン・スピルバーグの望みですからね。














『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は公開中。
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