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スピルバーグが『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』に頼んだ、たった一つの要求「人間キャラを忘れるな」 ─ コリン・トレボロウ監督に動画インタビュー

ついに、完結。映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』が2022年7月29日より、いよいよ日本上陸となる。

前作に引き続き、主人公オーウェン役にクリス・プラット、クレア役にはブライス・ダラス・ハワードが続投。さらに『ジュラシック・パーク』シリーズで活躍したサム・ニールが演じるアラン・グラント博士、ローラ・ダーンが演じるエリー・サトラー博士、前作でカムバックしたジェフ・ゴールドブラムが演じるイアン・マルコム博士といったレジェンドキャラクター達も登場。2シリーズの登場人物らが夢の合流を果たすこととなる。

監督は、新シリーズ第1作『ジュラシック・ワールド』(2015)も手がけ、この巨大シリーズ完結のため再びメガホンを取ったコリン・トレボロウだ。かつて『スター・ウォーズ』エピソード9も手がける予定だったトレボロウ監督が、今度こそサーガに力強い句点を打つ。

トレボロウ監督はTHE RIVERに、シリーズ生みの親であるスティーブン・スピルバーグから、たった一つの注文を引き受けたと話す。重要エピソードが語られるトークの様子は動画でもお楽しみいただきたい。

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』コリン・トレボロウ監督 動画インタビュー

──最近は昔の映画のリバイバルがよく見られると思います。例えば『ゴーストバスターズ』『トップガン』『マトリックス』などがありました。それで、本作では懐かしいお馴染みのキャラクターが復帰しますよね。その際には、彼らに何か新しいものを加え、かつ懐古主義になりすぎないようにする必要があったのではないかと想像します。古いキャラクターと新しいキャラクター、彼らのストーリーをどのように融合させましたか?

細心の注意と敬意を払いました。役者たちはあのキャラクターと共に28年を過ごしてきたので、その権威を理解して、彼らの話をよく聞くようにしました。ローラ・ダーンには、「エリー・サトラーなら今の世の中をどう見ていると思うか」と聞きました。サム・ニールにもジェフ・ゴールドブラムにも聞きました。そのおかげで物語を組み立てることができましたね。リスペクトがあり、ただ登場するだけの出番ではなく、始めから最後まで、きちんと世界観や物語の一部として冒険に送り出すことができたと思います。

──『ジュラシック・ワールド』1作目でも監督を務められましたが、シリーズ完結のため、再び監督として復帰されましたね。ところで、あなたは数年前、別の巨大シリーズを完結させる予定もございました。『スター・ウォーズ』です。辛かったと思います。ネットに出ていた脚本をいくつか見ましたが、僕は好きです。さて、本作でついに巨大シリーズを完結させることとなり、どのようなお気持ちでしたか?

長年愛されるシリーズをどう完結させようかと、あれこれ思案しました。製作中はずっと、何が必要とされているだろうかと、いろいろなことに細心の注意を払いました。この映画は、自分のためじゃなくて、世界中の子どもたちや家族、そしてファンのために作りたかったからです。

それぞれ求められているものが違うかもしれない。でも、みんなを満足させるものを作らなくちゃいけない。それは不可能なのかもしれない。だから、ただベストを尽くしました。この映画を観た後には、満足感や信頼感、そして全てのことに敬意を感じてもらえたら嬉しいです。

──スティーブン・スピルバーグは、本作でサム・ニールとローラ・ダーン、ジェフ・ゴールドブラムが再集合した写真を見て、感極まっていたそうです。彼らの再会について、スピルバーグは具体的にどんなことを言っていましたか?

本作で彼からの要求はほとんどありませんでした。私がどれだけ気をつけているかをご理解いただいていたからです。ただ、キャラクターのことは大事にしてほしいと。恐竜も登場して、ストーリーも壮大でかなり野心的な内容です。でも、「人間キャラのことを忘れるな」と。

なぜなら結局のところ、注目されるのは人間キャラだからです。愛すべきキャラクターのことを蔑ろにしたら、内容が薄れてしまう。当たり前のことなんですけれど、でもこういう巨大な映画を作っている間は、つい忘れてしまいがち。すごくたくさんの要素がありますから、つい人間キャラのことを忘れてしまう。だから、常に頭の中で忘れないようにしていました。

──本作はパンデミックの真っ最中に製作されました。そのため、あなた方はキャストたちと同じホテルで過ごされていたそうです。この特異な環境で、本シリーズのテーマである「共存」「互いを信頼し合うこと」の重要性に気づくことはありましたか?

まさにそうです。映画を観ていただければ、製作中の我々の気持ちが表れていることがわかると思います。我々は、自分で思っていたほど、人生の最後まで生きられる保証はないのかもしれない。恐ろしい考えですが、全世界の人々全てが、同時期にこう感じたことでしょう。

本作では、起こりうる災害に対面したキャラクターの姿を通じて、そういった雰囲気を感じられると思います。そこには恐怖もあるし、 しかし希望や、共に解決案を見つけようという決意もある。共に歩む道を見つける、ということに繋がれば嬉しいです。

『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』は2022年7月29日公開。

クリス・プラット&ブライス・ダラス・ハワードへのインタビュー
ジェフ・ゴールドブラムへのインタビュー

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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