『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』に復帰する『ジュラシック・パーク』レジェンド3人組を徹底紹介 ─ コレだけ読めば流れが丸わかり

映画『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』(2022)では、『ジュラシック・パーク』(1993)の登場人物、サム・ニール演じるアラン・グラント、ローラ・ダーン演じるエリー・サトラー、ジェフ・ゴールドブラム演じるイアン・マルコムが揃って帰ってきた。四半世紀以上ぶりとなる再登場に、往年のファンは思わず目頭を押さえたことだろう。
一方、『ジュラシック・ワールド』から『ジュラシック』シリーズに入ったというファンにとってはレジェンド3人が帰ってきたと聞いてもピンとこないはず。そんな方々のために、本記事では『ジュラシック・パーク』3人組を簡単にご紹介。彼らがどんな人物なのかを知っていれば、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』をより楽しめるはずだ。

アラン・グラント(演:サム・ニール)

アラン・グラントは、『ジュラシック』シリーズ全ての始まり、『ジュラシック・パーク』第1作の主人公。グラントは、助手であり古植物学者のエリー・サトラーとともに米モンタナ州で恐竜の化石採掘にあたっていたが、ある日、来年にオープン予定だというテーマパークの査察を富豪のジョン・ハモンドから依頼される。
グラントはサトラーとテーマパークのあるイスラ・ヌブラル島へ向かうと、そこには遺伝子工学によって現代に蘇った恐竜たちがいた。本物の恐竜を前に最初こそ目を丸くしていたグラントだが、テーマパーク内を暴れる恐竜たちの姿を見て古代生物を蘇らせたことの恐怖を体感。恐竜たちの猛追を逃れ、島を脱出することができた。

続く『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997)では登場せず、『ジュラシック・パーク』シリーズ第3作『ジュラシック・パークIII』(2001)では久しぶりに姿を見せた。同作ではジュラシック・パークでの惨劇から8年後が舞台。グラントは、恐竜の自然管理保護区域とされていたイスラ・ソルナ島(サイトB)で失踪した少年を探す手伝いを頼まれることになり、恐竜たちと再び対峙することになった。
恐竜たちが暮らす島から2度も生還したグラントは、『新たなる支配者』で再登場。相変わらずの独り身で化石採掘に打ち込んでいたところ、エリー・サトラーからの突然の訪問を受ける。イナゴの遺伝子改造により世界飢饉を引き起こし、金儲けを企もうとするバイオシン社の陰謀を暴くというサトラーの頼みを聞き入れ、同社が恐竜たちの保護区域として構える研究所に潜入することになる。

演じるのは1947年北アイルランド出身の俳優、サム・ニール。代表作は『ジュラシック・パーク』シリーズだが、『ピアノ・レッスン』(1993)や『モンタナの風に抱かれて』(1998)などへの出演でも知られる。近年では『マイティ・ソー』シリーズにアスガルドの王オーディンを演じる舞台役者役で出演した。『007』4代目ジェームズ・ボンドの最終候補だったことでも知られている。
エリー・サトラー(演:ローラ・ダーン)

エリー・サトラーは、上述の通り『ジュラシック・パーク』で初登場した古植物学者。その分野の最高の権威者として知られており、グラントとともにテーマパークの査察を頼まれることになる。
恐竜は専門外であるものの、テーマパークでは博識ぶりを披露。トリケラトプスを前に、感動のあまり涙を流すほどの感受性を見せていた。
ジュラシック・パークを開園して子供たちに夢を与えたいと話す富豪のジョン・ハモンドに、「現実にはこんなに危険が潜んでいる」と諌める勇敢さも持ち合わせている。グラントらと共に恐竜と対峙し、なんとか島からの脱出に成功するのだった。
グラントと同様に続編を不在にしたサトラーは、第3作『ジュラシック・パークIII』で再登場。あれから結婚し家庭に入っていた。同作ではわずかな登場となったが、グラントが島で散々な目に遭っていることを察し、軍隊に連絡。最終的に窮地のグラントたちを救う救世主となった。
『新たなる支配者』では、離婚を経て再び古植物学者として本格的に復帰していたことが判明する。巨大イナゴによる害虫被害がバイオシン社の仕業であることを見抜いたサトラーは、久しく会っていなかったグラントの元を訪れ、協力を仰ぐ。

演じるのは、1967年ロサンゼルス出身のローラ・ダーン。『マスク』(1984)や『ワイルド・アット・ハート』(1990)への出演を経て、『ジュラシック・パーク』の主要キャストに抜擢された。『わたしに会うまでの1600キロ』(2014)と『マリッジ・ストーリー』(2019)ではアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、後者では受賞も果たしている。
イアン・マルコム(演:ジェフ・ゴールドブラム)

イアン・マルコムは、アラン・グラントとともにテーマパークの査察を依頼された数学者。自分では“無秩序理論学者”を名乗り、達者な語り口で場を和ませていた。
その陽気な振る舞いとは対照的に、遺伝子操作によって蘇らせた恐竜を見世物とすることには反対の立場を示し、「自然の力を甘く見て思いあがるとこわいぞ」と提言。「科学技術や知識は誰もが入手できる。誰かの本を読んで応用するだけ。自分たちの責任を問う事もしない」と非常に核心を突いた警告も与えていた。
グラントらと同じように恐竜と対峙したマルコムは、ティラノサウルスに襲われた子どもたちを救うべく自らおとりに。最終的にティラノサウルスの突進に遭い、重傷を負ったが、サトラーたちになんとか救出され、島を脱出することができた。
そんなマルコムは、続編『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の主人公として登場。富豪のハモンドから恐竜の生態調査チームに勧誘され、最初は断るものの、恋人の古生物学者・サラ(ジュリアン・ムーア)が参加していることを知り、依頼を受けることにする。

同作の後半では、米サンディエゴにティラノサウルスが上陸してしまう。マルコムはサラと共に現場へ駆けつけ、激闘の末に混乱を鎮めることに成功するのだった。
その後、マルコムは『ジュラシック・ワールド/炎の王国』(2015)で再登場。火山の噴火が迫ったイスラ・ヌブラル島から恐竜を救うべきかどうかを公聴会の場で助言し、恐竜が地球に解き放たれた同作のエンディングでは、人間と恐竜による共存の時代の到来を宣言していた。
『新たなる支配者』では、上述のバイオシン社を拠点に活動していることが明かされる。マルコムは内部の人間としてサトラーたちの任務に一役買うことになる。

演じたのは、1952年米ペンシルベニア州出身のジェフ・ゴールドブラム。『ザ・フライ』(1986)で注目され、『ジュラシック・パーク』や『インディペンデンス・デイ』(1996)で知名度を上げた。マーベル映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)のグランドマスター役としても知られ、幅広いファン層を持つ。
▼『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』 の記事
「イアン・マルコムは夕陽に向かって走り去ったのです、たぶん」 ─ 賛否『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』には「みなさん意見をお持ちですね」とジェフ・ゴールドブラム 何ともいえない哀愁感 【ネタバレ】『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』エンディング解説 ─ なぜ人間主体の物語になったのか、「シリーズを前進させるため」と監督 「私たち全員による産物」 【ネタバレ解説】『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』はなぜイナゴ映画となったのか ─ あえて恐竜から離れたワケ、監督が明かす物語のテーマ そんな想いがあったとは 『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』新キャラ・ケイラの再登場は「難しいと思う」と出演者 ─ 復帰するなら前日譚を希望 もっと見たいぞ 『ジュラシック・ワールド/炎の王国』ラストに登場する3体のプテラノドンたち、もしや『ジュラシック・パークIII』の彼らなのか 1作目のアノ人の過去に注目