【ネタバレ】『ジュラシック・ワールド/復活の大地』別エンディング、脚本では真逆の展開だった

この記事には、『ジュラシック・ワールド/復活の大地』のネタバレが含まれています。

『ジュラシック・ワールド/復活の大地』でマーハシャラ・アリが演じた傭兵ダンカン・キンケイドは、物語の終盤で大きな見せ場を迎える。突然変異種の恐竜たちがひしめくサン・ユベール島から一同が脱しようとする時、ダンカンは発煙筒を握ってDレックスの気をひく“おとり”となるのだ。その隙にゾーラ・ベネットはボートを発進して脱出。仲間の犠牲に心を痛めていると、暗い藪に再び赤い発煙筒の明かりが灯る。ダンカンは生きていたのだ!

実は、ダンカンはもとの脚本では死亡したままとなる展開として描かれていたという。ギャレス・エドワーズ監督が米Screen Rantに語ったところによれば、タイでのロケ撮影中、せっかくだから彼が生き残るシーンも撮っておかないか?とスタジオに提案されたことがきっかけとなったようだ。「どうすればうまくいくか?どうすればストーリーが機能するだろうか?考え始めてみると、“結構いいかも”と思えるようになってきたんです」と、エドワーズは振り返っている。
米SlashFilmではもう少し詳細を語っている。「キンケイドは、生き残る展開と死ぬ展開の2つのバージョンを撮影していたんです。というか、死ぬバージョンでは、彼が再登場する場面がないだけですね。でも、はじめからそういう展開で書かれていましたし、撮影も彼が死ぬテイで進めていましたから、全部しっくりきていた。観客としても、“あぁ、彼は本当に死んじゃうのか、仕方ないよな”と思ったところ、実際に死亡する。そこで、もし彼が帰ってきたら、これは逆にサプライズになるんじゃないかと思ったんです」。
そこまで考えを進めた時、「いや、観客に“逃げた”思われたらどうしよう?」と不安に思ったというエドワーズ。そこで思い出したのが、敬愛するスティーブン・スピルバーグの名作だ。
「自分にこう言い聞かせたんです。『E.T.』だって、この展開の最高傑作じゃないかと。『E.T.』ではそんなふうに感じなかった。彼がいなくなったときは本当に悲しかったし(笑)。それでも、戻ってきたときは最高に嬉しかった。だから、それのちょっとしたバージョンみたいなもの。“観客はどう反応するだろうか”と、祈るような気持ちでした。」
ニューヨークでいざプレミア上映を迎えると、観客から「最高の反応が帰ってきた」と大ウケだった様子。「“ああ、生き残るバージョンを撮っておいてよかった。これがなかったら、もっとしんみりしてたかも”と思いましたよ」と振り返ったのだった。

ところで、島から無事生還したダンカンたちの“その後”が描かれる新作の可能性は?プロデューサーのフランク・マーシャルは「扉は開け放たれた」とだけコメントして可能性を示唆し、エドワーズは「皆さんも“こういうのがあったら最高だよね”というものがあると思います。僕もファンとして、同じ情熱があります」とまだ見ぬ物語を夢想。一方で、「次回作に関する話し合いは、本当にまだ全く行なっていません」とも伝えている。
『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は大ヒット公開中。
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