『ジュラシック・ワールド/復活の大地』に『ローグ・ワン』ダース・ベイダー調シーン? ─ 監督も自覚のガラス扉「もうやらないようにしよう」

『ジュラシック・ワールド』シリーズ待望の最新作『ジュラシック・ワールド/復活の大地』が日本公開となった。監督は『GODZILLA ゴジラ』(2014)や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)のギャレス・エドワーズ。本作では、エドワーズ監督作品の名物となりつつある演出が登場する。
それは、ガラス越しに隔てられた人物が犠牲になるという展開だ。もっとも有名なシーンが『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)でダース・ベイダーが反乱兵たちを一網打尽にする場面。デス・スターの設計図を持って逃げようとする兵士たちだが、その多くはベイダーが閉じたシャッター扉から脱することができない。哀れなひとりは、開かない扉に張り付いたままライトセーバーでひと突きにされてしまう。
これと似た場面が『ジュラシック・ワールド/復活の大地』にも登場する。『ローグ・ワン』ダース・ベイダーのシーン同様、赤く発光する空間に閉じ込められた1人が、恐竜の餌食となってしまうという展開だ。
もしかして、監督自身も「『ローグ・ワン』のベイダーみたいだな」と思ったりした?来日したギャレス・エドワーズ監督にズバリ聞いてみると、「そうだね、もうやめなきゃ」と笑い、「むかし母親に、もし僕がショッピングモールかスーパーのガラス扉に閉じ込められて、センサーも反応しなかったらどうする?とよく聞いていました」と続けた。どうやら“ガラス扉”には、小さい頃から恐怖心を抱いていたらしく、映画監督になった今、それを無意識に表現するようになったようだ。
「自分でもどうしてなのかわからない」というエドワーズだが、いくつか影響を受けた映画があるという。「たとえば『スター・トレック2 カーンの逆襲』(1982)でのスポックの死亡シーン。あれは良かった。それから『アビス』(1989)も良いですね。扉が閉まっていって、どんどん水で満たされていって、1人が出られなくなるところ。すごく悲惨ですよね」。
エドワーズいわく、得意とする“ガラス扉”の演出では「あなたは死ぬ、私は助かる、ごめんなさい」という断絶があるからドラマチックなのだという。「通常の扉ならそんなことはないけれど、ガラス扉だから、最期の瞬間を見届けることになる。その人の最期を見なくてはならないから、逃げ出すことができない。とても恐ろしいジレンマです」。
他にも、2014年の『GODZILLA ゴジラ』でも同様の展開がある。そう指摘すると、「毎回やってるなぁ。もうやらないようにしよう(笑)」と照れるエドワーズだった。
『ジュラシック・ワールド/復活の大地』は大ヒット公開中。ギャレス・エドワーズ監督と脚本家デヴィッド・コープへの独占インタビューの様子は以下のTHE RIVER公式YouTubeチャンネル動画にてフル視聴できる。