『ジョン・ウィック:コンセクエンス』アキラの弓矢バトル、「躍動的で良いシーン」と弓術のプロも気に入る「全く別の弓術スタイル」

映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)に登場する弓矢バトルシーンのリアリティを、弓術のプロがガチでレビューした。企画を主催した米Insiderに登場したのは、グリズリー・ジムの異名を持つジム・ケント。古くから伝わる弓術(トラディショナル・アーチェリー)の専門家として、世界各国を飛び回りながらアーチェリー文化を伝えている人物だ。
今回、ケントがレビューした『ジョン・ウィック コンセクエンス』劇中のシーンは、コンチネンタルホテル大阪で繰り広げられる弓矢バトルアクション。ホテルの屋上でリナ・サワヤマ演じるアキラと武装した敵たちが銃や弓矢などを駆使しながら争う場面だ。
まず最初に、ケントは壁に突き刺さる矢に着目。「何か固いもの、特に石に向けて矢を放つとなると、それは跳ね返ってくるはずです」とレビュー序盤から指摘を入れる。「矢をペチャンコにしてしまうと思いますよ」。
一方、弓矢にも殺人用のタイプが存在するといい、「矢の先に何を使っているかは確認できないですが、もし人を殺そうとしているなら、“ブロードヘッドアロー”という、相手に最大限のダメージを与えるよう設計された矢を使っているはずです」とケント。「大体は矢の先が二枚刃、三枚刃になっているんです」と説明する。
シーンは素早いテンポで進んでいき、アキラと敵による近距離戦に。アキラは弓を武器にして殴打を加えていくが、ここでケントが指摘。刃物を持った相手を前に、近距離戦で弓を武器とすることの実用性に疑問を投げかけている。
「通常、アーチェリーは近距離戦ではなく、遠距離、中距離での戦いに使われるものです。弓をセットし、引いて、放つのにも時間はかかりますから、刃物を持った人たちの方が素早く動けてしまいますよね。[中略] 彼女はこれを棍棒のように使っていて、もちろん可能だとは思いますが、こういうタイプの弓矢は通常かなり軽量なんです。なのに彼女はアーマーを装着した人を弓矢を使って倒している。個人的にはそれがどれだけ効果があるのかはあまり分からないですね。大体は木製なので、そこまで重くないんですよ。」
ケントの指摘はあくまで現実に即したもので、目の前で繰り広げられているのは『ジョン・ウィック』の世界。アキラは素早い身のこなしで弓矢を操り、敵を圧倒している。これには、ケントも「躍動的な良いシーンで、まったく別の弓術スタイルを見せている」と称賛。10段階評価で「7」とし、上述の発言とは対照的な高評価を与えた。
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