Menu
(0)

Search

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』ジョン・ウィックのセリフは380語しかない ─ あえて初稿からセリフを半分カット

ジョン・ウィック:コンセクエンス
® , TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

ジョン・ウィック』シリーズでキアヌ・リーブスが演じるジョン・ウィックは、圧倒的な強さを秘めながらも口数少ない、寡黙な人物だ。シリーズ最新作『ジョン・ウィック:コンセクエンス』では、なんとジョン・ウィックのセリフはトータルで103行、380語しかないのだと米The Wall Street Journalが報じている。

2014年公開の第1作『ジョン・ウィック』からスケールやアクションを作品ごとにパワーアップさせ、世界中にファンを広げてきた本シリーズ。第1作(2014)の上映時間は101分で、『ジョン・ウィック:チャプター2』(2017)は122分、『ジョン・ウィック:パラベラム』(2019)は131分。そして最新作『コンセクエンス』は169分と、過去最長であることがすでに明らかになっているが、ジョン・ウィックの口数は依然として極めてミニマルな様子。The Wall Street Journal調べでは、第1作ではジョン・ウィックのセリフはトータルで484語。『コンセクエンス』は第1作と比べると上映時間が約1.6倍に伸びているが、台詞の総数は第1作の8割弱に抑えられている。予告編で披露されているジョン・ウィックのセリフは、既に全編の約1割に値するという。そのため、実は2分半の予告編の中でジョン・ウィックが話している言葉は、映画の冒頭25分で話している量よりも多いとのことだ。

もちろん、この台詞数の少なさは、全て意図をもって計画されたもの。監督のチャド・スタエルスキとキアヌは、初稿に記されていた会話をざっくりと半分ほど取り除いたと語っている。たとえばジョン・ウィックと主席連合の高官グラモン侯爵(ビル・スカルスガルド)が決闘のルールについて話し合うシーンでは、ジョン・ウィックの台詞が会話の半分を占めることになるが、キアヌは会話の塊を「ピストル。」「容赦しない。」など一単語に縮め、簡潔に表現しているそうだ。

この試みには共同脚本家のマイケル・フィンチも「喋らないことにおいて、いかに熱心であるか、彼と仕事してみると衝撃を受けますよ」と感嘆している。

もちろん、台詞の少なさは本作が、怒涛のアクションで魅せる作品であることにもよるだろう。米国での公開前にいち早く鑑賞した海外記者たちも、アクションのクオリティを絶賛しており、台詞でくまなく説明されなくとも、濃密な時間を堪能することができるはずだ。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』では、ジョン・ウィックが自らの懸賞金の額がますます高くなる中、ニューヨークやパリ、日本、ベルリンなどを股にかけて主席連合への戦いに挑む。出演者にはキアヌ・リーブスのほか、バワリー・キング役のローレンス・フィッシュバーン、シャロン役のランス・レディック、ウィンストン役のイアン・マクシェーンが続投。新キャストとして清水役で真田広之、ケイン役でドニー・イェン、グラモン侯爵役でビル・スカルスガルドが参戦。『密航者』(2021)のシャミア・アンダーソン、日本出身で歌手のリナ・サワヤマ、『ドクター・ストレンジ』(2016)のスコット・アドキンス、『ハイランダー 悪魔の戦士』(1986)のクランシー・ブラウンも加わる。

『ジョン・ウィック:コンセクエンス』は2023年9月、日本公開。

Source:The Wall Street Journal

Writer

アバター画像
Yuka ShingaiYuka Shingai

携帯向け音楽配信事業にて社内SE、マーケティング業務に従事した後、妊娠・出産を機にフリーライターに転向。 映画とお酒と化粧品が好き。日課のオンライン英会話でもしょっちゅう映画の話をしています。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly