【ネタバレ】『ジョン・ウィック:コンセクエンス』序盤の衝撃シーン、なぜ必要だったのか ─ 裏テーマは「葉隠」、「絆の話」と監督

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『ジョン・ウィック:コンセクエンス』シャロンの死
『ジョン・ウィック:コンセクエンス』では、キアヌ・リーブス演じるジョン・ウィックが、主席連合/ハイテーブルからの解放を求め最後の戦いに臨んだ。ジョン・ウィック狩りに執念を燃やすグラモン侯爵(ビル・スカルスガルド)は、コンチネンタルホテル・ニューヨークの支配人ウィンストンを召喚。ジョンを始末し損ねた報いとして、その場にいたシャロンを撃ち殺し、落とし前をつけたのだった。
シリーズ1作目から登場してきたシャロンの死はあまりにも突然だった。製作陣は演じたランス・レディックをキアヌの次にキャスティングするほどシャロンを中心的な存在として見ていたが、なぜあのような最期を遂げたのか。『コンセクエンス』が米公開を迎えた2023年3月、スタエルスキ監督は米The Hollywood Reporterで演出の意図を語っていた。
「シャロンの死がなければ、ウィンストンの変化を理解できなかったでしょう。誰かのために自分自身を解放するという、ジョン・ウィックの変化の本質もそうです。全ては友情と同志愛、味方の話なんです。単に(ジョンの)恋人を追加するような典型的なやり方はしたくなかった。」

ここで監督は、本作のワーキングタイトルとして使用された「Hagakure(葉隠)」という言葉を持ち出す。「日本で伝わる侍たちの倫理規範のことで、それは侍のみが侍を知る、警察のみが警察を知る、泥棒のみが泥棒を知ることを表しています」と続け、この考え方がシャロンとウィンストン、シャロンとジョンの関係性を表していたという。
「絆の話なんです。シャロンが殺されなければ全てが動き出すことはなかった。ジョンも、(死に)責任を感じる必要がありました。真田広之のキャラクター(シマヅ)が“コンシェルジュが処刑されてしまった”と言ったのは、ジョン・ウィックの旅を始めるため、そして締めくくるために必要だったんです。」
ちなみに、スタエルスキ監督は脚本完成後に、シャロンの展開を予めレディックに示唆していたという。「脚本を読んだら、混乱させて疑問を抱かせてしまうだろうけど、最後まで読むと約束してほしい」との監督の言葉に、脚本を読み終えたレディックはこう答えたそう。「気に入ったとか、混乱していないとは言えないですが、この映画を良くする他の方法が私には分かりません」。
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Source: THR