「カーンはサノスになれなかった」ケヴィン・ファイギ認める ─ 「『クアントマニア』公開前からドクター・ドゥームの話はあった」

征服者カーン。マーベル・シネマティック・ユニバース現行章「マルチバース・サーガ」における、サノス相当のラスボスとして目されたスーパーヴィランは有耶無耶に消えた。主な理由は、ブレイク必至俳優として同役を演じたジョナサン・メジャースがプライベートでスキャンダルを起こし有罪判決となったことで、親会社ディズニーから解雇されたことだ。
カーンはやや複雑なキャラクターで、複数のユニバースに“変異体”が同時多発的に存在するというヴィラン。ドラマ「ロキ」にそのうちの一体が“あり続ける者”として初登場し、映画『アントマン&ワスプ:クアントマニア』(2023)で本格登場。映画の最後には、無数のカーンが集結する映像が挿入された。しかし、『クアントマニア』そのものが不振に終わったこともあり、ラスボスとしてのカーンの印象は今ひとつとなっていた。
その後、前述のようにメジャースが解雇されたことを受け、マーベル・スタジオは『アベンジャーズ/ザ・カーン・ダイナスティ』を『アベンジャーズ/ドウームズデイ』と改題。新たなスーパーヴィランとしてドクター・ドゥームを登場させ、アイアンマン役を演じたロバート・ダウニー・Jr.を電撃再起用することを明かして世間を驚かせた。
マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギは現地メディア向け説明会にて、これまで限定的な言及に止めていたカーンの進退について発言。「カーンでは大きさが足りず、サノスにはなれないことに我々も気づき始めていました」とキャラクターの選定に後悔があったことを認め、それに代わりうる唯一のキャラクターが、「何十年もの間コミックにいた」存在であるドクター・ドゥームであったという。
ファイギの説明によれば、カーンから公式に離れる以前から、ドクター・ドゥームについての話し合いを開始していたという。「実際、私は『アントマン3(※クアントマニア)』が公開される前から、この大胆なアイデアについてロバートと話し合いを始めていたんですよ」とも発言した。
これはポジショントークとして受け止めたい部分もある。ロバート・ダウニー・Jr.自身は2024年8月の時点で、ドクター・ドゥーム役の打診があったのは1年ほど前、つまり2023年夏頃だと話しているからだ。『クアントマニア』の公開は2023年2月である。一方、ドクター・ドゥームは単独映画の企画が旧20世紀フォックス時代から長年存在していたことは事実である。
なお、この発言をもって、征服者カーンはメイン・ヴィランから公式に外されたことも明らかになったと言えよう。同ヴィランは未完の物語が多く残されているが、続く『ドゥームズデイ』『シークレット・ウォーズ』でいかに取りまとめられるかも注目したい。
▼ カーンの記事
アベンジャーズ新章、始動 ─ 『サンダーボルツ*』から『ドゥームズデイ』へ、マーベル新時代の伏線を大整理 PR徹底特集! 征服者カーン役、復帰あれば「もちろん受けたい」 ─ 「ディズニーもマーベル・スタジオも大好きです」 今は自分に自信が ジョナサン・メジャース、有罪判決の帰り道にマーベルの解雇を知った ─ 復帰めざし、小規模のスーパーヒーロー映画にも関与 俳優業の継続のぞむ マーベル、征服者カーン代役の検討あった ─ 「代役はしっくりこなかった」とコールマン・ドミンゴ認める 断られていた模様 ドクター・ストレンジ、『アベンジャーズ』次回作に登場せず ─ 『ドクター・ストレンジ3』準備中、ベネディクト・カンバーバッチ明かす カーン役解雇の影響
Source:Variety