【映画に登場するマニアックな格闘技】バットマンやトム・クルーズの戦闘術『KFM』を知っているか

何かと言うとアメコミ原作映画の話題に偏りがちな昨今ですが、今秋、アメリカでは久々にアメコミに無関係ながら、筆者的に大注目の映画が公開予定です。そのタイトルは『Jack Reacher2:Never go back』。トム・クルーズ主演、邦題『アウトロー(2012)』の続編でございます。

前作は、日本での興収は可もなく不可もない、といった感じでしたが、製作費5,700万ドルに対して世界興収は2億1,800万ドルのスマッシュヒットを記録、待望の続編というわけです。前作の詳しい内容は割愛しますが、同じくトム・クルーズ主演で彼の看板シリーズ『ミッション・インポッシブル』の、最先端スパイアクションとは趣を異にする、派手さを意図的に抑えた、古式ゆかしきアクションムービーといった造りで非常に好感の持てる佳作でした。
現在撮影中の続編でも、主演はトム・クルーズ。監督は『ラストサムライ』の、と言うとにわかに不安が胸に沸き起こりますのであえて『ブラッド・ダイアモンド』『ディファイアンス』のエドワード・ズウィック。地に足のついた作品が期待できます。

ところで、筆者がこの作品、及び前作『アウトロー』を個人的にプッシュする理由のひとつに、主人公であるジャック・リーチャーが使う格闘術が、変わっていて面白いという点があります。映画の中盤、及びクライマックスでの素手での戦闘において、ジャック・リーチャーは、自分より上背がある相手に対して、低く構えて前傾姿勢をとり、両手で頭を抱えるような態勢をとります。そこから攻撃も防御も、両肘、及び人体で最も固い部分である前頭部を使い、体の回転を用いた最小限の動きで戦うスタイルです。一見、『クラヴマガ』という軍隊格闘術によく似ていますが、これはKFM、キーシ・ファイティング・メソッドというスペイン生まれの護身術です。

キーシとは『Keysi』と表記するのですが、これはスペイン語で『はい、やります。』(Yes, I’ll do it)という意味である『Que si』に、辿り着いた理論を実践するという意味がピッタリはまったというのが由来のようです。創始者であるJusto Dieguezが様々なマーシャルアーツからエッセンスを抽出し、リングや畳の上での戦いではなく、誰でも何時どこで起こるともわからない護身の戦いのために確立したのがKFMキーシ・ファイティング・メソッドです。よく映画をご覧になる方はピンと来たと思いますが、この格闘術は『アウトロー』の前には『バットマンビギンズ』や『ダークナイト』でバットマンが使っていた体術でもあります。クリストファー・ノーラン監督の戦闘演出は暗くて何が起こっているかわかりにくかったですが、肘や頭突きを多用していたのが印象的だったと思います。

他には、同じトム・クルーズ出演の『ミッションインポッシブル3』(戦闘になったときにトムが頭をさっと抱えるので、一瞬どうした!?と思うシーンがあります)『ミュンヘン』、『007慰めの報酬』『タイタンの戦い』、意外なところではドラマ、ゲームオブスローンズの1stシーズンの格闘シーンでもこのKFMを垣間見ることができます。

たいていのアクション映画で、主人公は腕っぷしが人よりも強いもの。その強さの裏付けとしての格闘術に注目するのも、楽しい映画の鑑賞法だと思います。

Eyecatch Image:http://www.fightclubonline.net/best-keysi-fighting-method/

About the author

1977年生まれ。週刊少年ジャンプ脳のクリーチャー愛好家。玩具コレクター。エンドレスダイエッター。「意識低い系」の文章を信条としています。

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