『キル・ビル Vol.3』はナシ、タランティーノ「実現しない」

クエンティン・タランティーノが、長編10作目『The Movie Critic(仮題)』をもって映画監督業を引退する。それでは、かねてから噂され、ファンの間で実現が期待されていた『キル・ビル Vol.3』はどうなるのだろうか?
『キル・ビル』2部作は2003年・2004年に製作され、現在もタランティーノの代表作として大きな支持を受けている。『Vol.3』については、2019年7月頃にタランティーノが企画の存在を認め、主人公ザ・ブライドを演じたユマ・サーマンと話し合いの場を持ったと言及。ザ・ブライドの娘B・B役で、サーマンの実娘であるマヤ・ホークを起用し、母娘の共演が実現したら最高だと想像を膨らませていた。
しかし、オランダのメディアDeMorgenにて、タランティーノは「実現しないと思いますね」と可能性を否定。「最後の映画は、映画批評家、それも男性批評家を描くものです。70年代に活躍した人です」と答えている。
以前よりタランティーノは、10作目の映画を撮ったら監督を引退すると表明しており、第10作『The Movie Critic(仮題)』は1977年が舞台になること以外、詳細は不明。主人公は「決して有名ではなかったが、ポルノ雑誌に映画批評をよく寄稿していた」実在の批評家をモデルとした人物で、35歳前後の俳優を起用する見込みだという。なお全米脚本家組合のストライキが始まる前、2023年秋よりロサンゼルスで撮影開始予定と伝えられていた。
『キル・ビル』は犯罪組織のメンバーだった殺し屋のザ・ブライドが、以前の仲間たちに結婚式を襲撃され、夫や胎内の子ども、家族を殺されたのち、血塗られた復讐劇を繰り広げる痛快バイオレンス・アクション。タランティーノの監督作品としては唯一のシリーズだけに、長らく第3弾が期待されていた。現時点で実現の予定がないことは残念だが、タランティーノが引退を表明しているのは映画監督業のみ。今後、ドラマシリーズや小説で実現する可能性はゼロではないのかも……?
▼ クエンティン・タランティーノの記事
THE RIVERニュースレター 9月22日号 ─ ディーン・フジオカ/スター・ウォーズ/タランティーノ/アンバー・ハード 注目ニュース紹介 クリス・エヴァンス、タランティーノのマーベル批判に「彼は正しい」と同意 ─ ケヴィン・ファイギは「言い聞かせているだけ」と真意汲み取る 「真ん中を取ってはいけない」 『レザボア・ドッグス』再上映決定 ─ タランティーノの傑作30年ぶり劇場公開 デジタルリマスター版で 『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』予告編が公開 ─ タランティーノの頭の中をぶった斬る危険なドキュメンタリー 登場人物が超豪華 『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』日本公開決定 ─ タランティーノの逸話と秘話をタブーなしで暴露する危険なドキュメンタリー 映画ファン、必見