初代『キング・コング』はどんな作品?2017年『キングコング:髑髏島の巨神』と比べて
2017年3月25日に公開の火蓋が切って落とされた映画『キングコング:髑髏島の巨神』。世界一有名なお猿さん、キングコングを描いた作品は今までに何度も作られ、怪獣ファンたちを熱狂させてきた。その『キングコング』シリーズの原点といえば1933年の『キング・コング』。
【注意】
この記事には、『キングコング:髑髏島の巨神』『キング・コング(1933)』に関するネタバレ内容が含まれています。
1930年代の映像ってどうなの?
『キングコング:髑髏島の巨神』は、ジェットコースターに乗っているかのような大迫力の映像に圧倒される。ジャングルの様子や土煙、怪獣たちの口からしたたる涎や血…コングももちろん、毛の質感がわかるぐらいリアルに描かれていた。
着ぐるみが動いているようで、コングもなんだか途中から可愛らしく見えてくるのだが、白黒の映像だからこそジャングルの不気味さや、物語の”神話っぽさ”がより際立っている。髑髏島の原住民たちの集落など、本当に彼らが住んでいるかのような凄みが感じられるほどだ。
登場人物たちの設定は?
2017年『キングコング:髑髏島の巨神』の登場人物たちは、髑髏島に地質調査と名目を打って出向く研究機関”モナーク”の学者や軍人、戦場カメラマンなどの調査隊だ。対して1933年『キング・コング』の登場人物たちは、映画業界の人々。怪獣映画を専門とする映画監督、デナムが新作映画の撮影のために髑髏島に出かけるのである。
『キングコング:髑髏島の巨神』はサミュエル・L・ジャクソン演じる軍人、パッカードが自分の”信念”を無理やりに突き通し、コングと敵対する姿が描かれていた。
時代背景の違いは?
2017年『キングコング:髑髏島の巨神』の舞台は第二次世界大戦後の世界だ。ベトナム戦争、ソ連との冷戦。冒頭でランダが髑髏島への調査を議員に認めさせる会話では、アメリカがソ連と研究の速度や成果を争っていることが見て取れる。