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『キングスマン』次回作にマーリンをどうにかして再登場させる方法を考える ─ 実は撮影されていた「別エンディング」

キングスマン:ゴールデン・サークル
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

この記事には、『キングスマン:ゴールデン・サークル』(2017)のネタバレが含まれています。

キングスマン:ゴールデン・サークル
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

『キングスマン:ゴールデン・サークル』マーリンの爆発

♪カントリーロード……

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キングスマンの補佐として、品格ある佇まいや、その“シゴデキ”ぶりでファンに愛されたマーリンだが、シリーズ2作目の『キングスマン:ゴールデン・サークル』ではまさかの死亡。エグジー、ハリー、マーリンのトリオこそが『キングスマン』シリーズの顔だったのに、どうしてマーリンが犠牲にならなくてはならなかったのか?彼の死を受け入れられないファンは多い。

『キングスマン』1作目ではエージェント候補生への教官としても描かれ、2作目ではキングスマン補佐として麻薬密売組織ゴールデン・サークルとの戦いに同行したマーリン。3人は森の奥に隠されたポピー・アダムズのアジト「ポピー・ランド」を発見するが、いざ潜入の手前でエグジーが地雷を踏んでしまう。

キングスマン:ゴールデン・サークル
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

マーリンは携行品の中から取り出した冷凍スプレーで起爆装置のスイッチ部分を凍結させ、一瞬だけエグジーの足を動かす猶予を作る。タイミングを合わせ、マーリンが代わりに地雷を踏み直すことで自ら身代わりになるという決死策だ。

マーリンはハリーとエグジーに全てを託し、自身は地雷の上に止まって、敵の注意を引く捨て身作戦に出る。カントリーを愛するマーリンは「カントリー・ロード」を高らかに歌い、敵兵をたっぷり引きつける。時折、身をひそめるハリーとエグジーに最後のアイコンタクトを送りながら。

敵兵の一人を頭突きでノックアウトさせると、銃を構えた別の4人が接近してくる。カントリー・ロード。ふるさとへの道。私を連れて行っておくれ。なおも歌うマーリン。ハリーへ、エグジーへ、最後の奉仕。最終節を歌い上げると、ついにマーリンは脚を離す。閃光が広がって、黒煙がのぼり、砂埃や小石、誰かの身体の一部が飛散する。

本当にマーリンは死んでしまったのだろうか?なんとかして、生き延びていたということはないだろうか?『キングスマン』シリーズは『ゴールデン・サークル』に続くメインサーガ第3作が予定されているが、どうにかしてマーリンに再登場いただきたい。もう一度、ハリーとエグジーと共にスーツ姿で並んでいるところが見たい。もしも、マーリンが生き延びていたら……その可能性を考える。

マーリン、実は生きている説

まず念頭にお伝えしたいのが、ハリウッド映画における鉄則「死体を見ていなければ、死んでいないかもしれない」というセオリーである。『スター・ウォーズ』や『ワイルド・スピード』などでは、死亡したと思われたキャラクターが、このガバガバ理論で何人も再登場している。

マーリン爆発シーンをよく見直してみよう。マーリンが覚悟を決めて脚を離したと見られるカットの直後に爆発のカットに切り替わっている。赤と黒のジャケットを着た敵兵がバラバラになって吹き飛ぶ様子は映像で確認できるが、マーリンもそうなったとは限らない。

つまり、我々はマーリンの死体を見ていないのだ!聡明で機転の効くマーリンなのだから、爆発までに何か別の策を打っていたと考えてもおかしくないだろう。

それに、もしもマーリンが本当に爆破に巻き込まれていたとしても、である。少なくとも下半身は吹き飛び、間も無く生き絶える瀕死状態に陥ったかもしれない。しかし、それでも生きられるチャンスがあるのが、ハリウッド映画なのであり、『キングスマン』なのである。

『キングスマン』における復活チャンス

『キングスマン』シリーズには、死んだと思われていた人間が復活する先例がしっかり存在する。まずはハリーである。1作目でリッチモンド・ヴァレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)によって銃でドタマをブチ抜かれたが、直後に駆けつけたステイツマンのジンジャーが救護していたことが続編で判明。「アルファ・ジェル」なる頭部被弾用の応急処置によって脳を保護した後、ラボでマイクロボットによって損傷を修復している。記憶喪失と若年退行の副作用が一時残ったものの、「頭を撃たれても蘇生できる」のがキングスマン・ワールドなのである。

キングスマン:ゴールデン・サークル
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

また、1作目でエグジーのライバルだったエリート階級のキングスマン候補生チャーリー・ヘスケスも、エグジーの攻撃によってヴァレンタインのチップが損傷していたことでドタマ爆発大花火を免れた。エグジーはすっかり死亡したものと信じ込んでいたが、『ゴールデン・サークル』ではサイボーグの腕と声帯と共に再登場しているのだ。

キングスマン:ゴールデン・サークル
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

ハリーとチャーリーの前例に倣えば、マーリンも復活できる余地は十二分にある。爆発の直後、ハリーとエグジーが「ポピー・ランド」で大激闘を巻き起こしていた裏で、実はマーリンのもとに救援が駆けつけていたとしたら?マーリンはラボでマイクロボット手術を受け、サイボーグの半身と共に生きながらえているのかもしれない。

「マーリンが生き延びる結末」撮影されていた!

実のところマシュー・ヴォーン監督は、当初はマーリンを爆発から生き延びさせる展開を用意していたのだ。『ゴールデン・サークル』公開後の海外のインタビューで、「みんなマーク・ストロングのキャラクターが大好きなんです。本当に続編には登場しないのですか?」と尋ねられると、「『キングスマン』の良いところは、ルールがないということです。マークのことは寂しく思います。彼との仕事が大好きですから。なので、どうなるでしょうね」と、含みアリアリな回答。さらに、そして最も重要なことに、ヴォーンはこう続けているのである。

「彼は可哀想でしたよ。実は、彼が死ななかったバージョンも撮影したんです。だから、彼(マーク)が本編を見た時は、“えっ?”と驚いていました」

この“マーリンが死ななかったバージョン”については、マーリン役を演じたマーク・ストロングが『ゴールデン・サークル』公開直後に詳しく解説している。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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