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『キングスマン : ゴールデン・サークル』予告編で流れる”My Way”、その歌詞に込められた意味を読み解く

2014年に公開され、世界的な大ヒットを記録した痛快アクション映画『キングスマン』。その待望の続編『キングスマン : ゴールデン・サークル』のインターナショナル版予告編映像がついに解禁された。

続々と現れる新しい豪華なキャスト陣、崩壊したキングスマン本部、そして眼帯姿のコリン・ファース演じるハリー・ハート…ますます上映が待ち遠しくなる、熱い予告編だ。

https://youtu.be/WqLUt_xsB_Y

この予告編で流れているのは、『キングスマン』テーマ・ソングでもある”Manners Maketh Man”ともうひとつ。20世紀を代表する俳優であり歌手である、フランク・シナトラによる楽曲”My Way”だ。きっと「懐かしい」という言葉を思わず漏らしてしまった人も少なくないはず。

1969年にリリースされた”My Way”は、イギリスのシングルチャートでは最高第5位、アメリカでは27位という記録を残したフランク・シナトラの代表曲の1つである。そんな”My Way”はどんな歌詞なのか見てみよう。

今、死期が近づいて
私は人生の終幕へと立ち向かう
友よ、はっきりと
確信を持って言うことができる
私は精一杯生きてきた
どんな道もさけることなく、
私はひたすら自分の道を歩んできたのだ

痛い目にもあったが
私が自分の道を生きてきたことは
記録が証明している

そう、これが私の人生だったんだ

この歌は死期を目前にした男が、親しい人に自分の人生を淡々と物語っている歌である。「欲しいものも手にしたし、負けることもあった。でも戸惑っている場合ではないということを言いたい…。私はそう、ただ自分の人生を歩んできたんだ。」まさにキングスマンとして、そして人生の先輩であるハリー・ハートが、エグジーに対して語りかけているような言葉ではないだろうか。

前作で死んだと思われていたが、予告編では姿を見せているハリー。さらにマシュー・ヴォーン監督が「ハリーは戻ってくるが、私たちが知っているガラハッドではない」と語っているのもますます気になるところだ。果たしてハリー・ハートはこのゴールデンデン・サークルで、“人生の終幕”を迎えてしまうのだろうか?予告編ではハリーに対し、エグジーに次のように語っている。

「エグジー、君は私と同じ才能がある。キングスマンには不可欠の、生まれもった才能だ。犠牲をはらう覚悟がいる。」

果たして、エグジーが払う犠牲とは。この歌詞のように、映画内でハリーがエグジーに語ることとは、一体…。アメリカのスパイ組織”ステイツマン”や何故か義手となってしまったチャーリーとの対決などのストーリーはもちろん、ハリーとエグジーの“師弟関係”についても目が離せない。

“My Way”原曲

ハリーの今後について思いを馳せてしまうフランク・シナトラの”My Way”。実はこの曲、原曲はフランスのポップ・シンガー、クロード・フランソワによるものなのだ。タイトルも”My Way(私の人生)”ではなく、”Commed’habitude(いつも通りに)”。

僕は素早く着替えてコーヒーを飲み

音を立てずにそっと家を出る
いつものように
僕は同じようなことを繰り返し
いつものように笑うだろうし
結局いつも通り生きようとするんだ

とまあ、勇壮かつ淡々と男の人生を歌い上げた曲ではなく、ちょっぴり脱力感ある哀愁漂う”ある1人の”男の歌なのだ。

キングスマン:ゴールデン・サークル
© 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

もしかしたら、スパイでなかったら、キングスマンのエージェントたちもこのフランスの原曲のように、何気ない普通の毎日を過ごしていたのかもしれない。しかしそんな”いつも”の繰り返しの人生ではなく、どんな事があれ”これが私の人生だ”と言える道を選んだ。ハリーやエグジーだけではなくキングスマンの騎士たち、スパイたち全員の思いがこの”My Way”から読み取れる…のではないだろうか。

ジェームズ・ボンドを筆頭に、映画の中のスパイたちに私たちはいつも魅せられてきた。“どんな道であれ、自分の人生を振り返った時にこれが私の記録なのだ”と言い切れる。そんな姿こそ、彼らが世の人々を魅了し続ける理由の1つだろう。

予告編で”My Way”が使用されている時点でもう、マシュー・ヴォーン監督はファンを泣かせにかかっているとしか思えない!『キングスマン : ゴールデン・サークル』では、アクションもアメリカのスパイ組織とのスパイ合戦もはじめ、人の生き方や終わりの美学の描かれ方も楽しみにしたいところだ。

Writer

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Moeka Kotaki

フリーライター(1995生まれ/マグル)

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