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『ナイブズ・アウト』クリス・エヴァンスの「クソくらえ」、脚本では別の言葉だった ─ セリフが急遽変更された理由とは

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密
Motion Picture Artwork © 2019 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved. Photo Credit: Claire Folger

『007』シリーズのダニエル・クレイグが名探偵ブノワ・ブランを演じる、現代ミステリー映画の新たな金字塔『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』。この映画でダニエルとともにイメージを一新する演技に挑んだのが、キャプテン・アメリカ役の印象根強いクリス・エヴァンスだ。エヴァンスは一家の放蕩息子であるランサム役を演じており、予告編でも「クソくらえ(Eat shit)」との暴言を家族にぶつける場面が話題を呼んだ。

早くもファンの間ではミームのひとつと化している“Eat shit.”だが、実はこのセリフは撮影現場で変更されたものだった。脚本・監督のライアン・ジョンソンは、米Cinema Blendで、脚本でのセリフが“Fuck you.”だったことを明かしている。

「脚本を書いた時は“Fuck you.”でした。“Fuck you, fuck you, fuck you, fuck YOU…”と言っていたんです。だけど撮影が始まる直前に、“しまった、この映画はPG-13にしたい”と思って。子どもの頃、ピーター・ユスティノフのポワロ映画を家族と観ていたことを考えたんです。こういう(ミステリーに)ハマっていた頃の年齢を思って、“ああ、変えよう”と。だからFワードをたくさん削りました。脚本にはFワードがもっとたくさんあったんです。」

Fandangoにて、エヴァンスは“Eat shit.”というセリフが自身のアイデアだったことを示唆している。「友だちに、よく“Eat my shit.”と言ってるヤツがいて、面白いなってずっと思ってたんですよ」。本国ではTシャツやセーター、トレーナーなど商品化されるほどにもなった名ゼリフは、意外な経緯から生まれていたのだ。もしも“Fuck you.”のままだったなら、おそらくは、こんなに大きな話題にはならなかったのではないだろうか。

ところで本編では、エヴァンス演じるランサムが「クソくらえ」と連呼した直後に、マイケル・シャノン演じるウォルトが思わぬ一言を放つので、こちらもお聞き逃しのないように。ジョンソン監督いわく、そのセリフは完全なるシャノンのアドリブ。撮影中、シャノンはたくさんのアドリブを口にしていたようで、監督は「笑えるアドリブのMVPはマイケル・シャノン」と認定しているのだ。「そんなこと誰も予想してなかった。だからすごく面白いんですよね」。

映画『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』は、 2020年1月31日(金)より全国公開中。

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Sources: Cinema Blend(1, 2), Fandango

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。