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今度のコングはデカすぎる?『キングコング:髑髏島の巨神』事前予習と見どころ予想!

日本が世界に誇るモンスターが怪獣王ゴジラであるならば、アメリカが世界に誇るモンスターはキングコングだろう。
キングコングは1933年『キング・コング』で初めてスクリーンにその姿を現した巨大な類人猿だ。同作は特撮映画の金字塔とも呼ばれており、コングがフェイ・レイ演じるアンを片手に掴みながらエンパイア・ステート・ビルによじ登り、複葉機と交戦するビジュアルは今も多くの映画ファンを魅了し続けている。『パシフィック・リム』において、ギレルモ・デル・トロ監督がエンドロールで作品を捧げた特撮界の雄、レイ・ハリーハウゼンと円谷英二が特撮映画制作を目指すきっかけとなった作品としても知られている。

のちに続編も製作されたほか、1976年に製作されたリメイク作品ではリック・ベイカーによるコングの造形、スーツ・アクトが高く評価された。近年では、同じく第一作に感銘を受けて映画監督を志したというピーター・ジャクソン監督が、オリジナルに忠実に再度リメイク。2005年に公開されたこともまだ記憶に新しいところだ。

そして2017年3月25日にここ日本でも公開が決定したのが、コングシリーズ最新作となる『キングコング 髑髏島の巨神』だ。監督は新鋭ジョーダン・ボート=ロバーツが務め、主演にトム・ヒドルストンと、『ルーム』でアカデミー主演女優賞を獲得したブリー・ラーソン。共演にはサミュエル・L・ジャクソン、ジョン・グッドマンらを迎えている。
同作は、映画撮影部隊が映画の撮影のためにコングの住処である髑髏島=スカルアイランドに向かったオリジナル第1作やピーター・ジャクソン版『キング・コング』とは違い、時代を現代に設定、調査団が髑髏島に乗り込む形になっており、リメイクというよりはスピンオフの形になっている。しかしコングの棲むスカルアイランドには、巨猿以外にも様々なクリーチャーが存在するなど、しっかりと設定を引き継いでいる部分も多いようだ。

新たに公開された予告編では、今まで夕日を背にしたシルエットだけだったコングのほぼ全身が披露されている。ピーター・ジャクソン版コングが容姿、ポージングなどゴリラを思わせるコングの設定だったのに対し、本作のコングは二足歩行や直立した姿勢など、原人に寄せたような大型類人猿の姿になっている。よりシェイプアップされたコングのデザインにより、圧倒的巨体でありながらスピーディーな攻撃も迫力が増していることがひしひしと伝わってくる。

『キングコング:髑髏島の巨神』
https://youtu.be/insAYdpUYdA

一方で、その顔立ちや、敵への威嚇行為と思われる胸を打ち鳴らすドラミングなど、ゴリラを思わせる要素も残しているのも事実だ。本作のコングがゴリラの進化の先、類人猿と原人の中間の存在とも思えるような道を辿っているようにも思え、本編の中で果たして『キング・コング』という謎の存在としての答えが言及がなされ、髑髏島のクリーチャーなど独自の生態系そのものの謎にも答えが出るのかどうかもポイントになりそうだ。

また、今だ詳細なストーリーラインは伏されている状態だが、軍用ヘリを容赦なく叩き墜とすなど凶暴な性格が際立つコングが人類と対立を続けるのか、髑髏島を離れる時が来るのか、といった展開上の動きも非常に気になるところだ。キング・コングといえばスカルアイランドでのコングと恐竜、クリーチャーの激突ももちろん見所だが、映画の最大の見せ場は、スカルアイランドから連れ出されたコングがニューヨークで大暴れ、摩天楼へとよじ登り航空機と激しい戦闘を繰り広げるスペクタクルシーンにあるだろう。予告編では導入部を除いて舞台は髑髏島に始終しているが、果たしてコングが海を渡り現代文明と交わるような展開になるのだろうか。

同じように、ピーター・ジャクソン版では、コングは唯一ナオミ・ワッツが演じたアンと心を通わせ、凍結した池での“スケートデート”を楽しむなど恋愛感情も想起させるような場面がストーリーに哀愁感を与えていたが、本作ではブリー・ラーソンがヒロインとしてアンのようにコングと繋がる役目を果たすのか、コングの行動に変化をもたらすことになるのか、といった“オリジナル作品との違い”にも注目したい。

本作の制作発表で最も大きな話題となったといっても過言ではないのが、「『GODZILLA ゴジラ』とのクロス・オーバー」、「コングとゴジラとの対決」という情報だ。なんと、ギャレス・エドワーズが監督し世界中で大ヒットとなったハリウッド版ゴジラと、本作のキングコングを対決させてしまうという、作品の枠を超えたVS映画ブームに乗るかのような文字通りの大型企画が始動しているというのだ。

往年のゴジラファンならばすぐに『キングコング対ゴジラ』を思い出す人も多いだろう。ハリウッドでのクロス・オーバーによるコング対ゴジラが果たして同作を意識して製作するのかは全く定かではないが、『GODZILLA ゴジラ』『キングコング 髑髏島の巨神』ともにワーナー配給、レジェンダリー・ピクチャーズ製作という一致したバックボーンがあるため世界観の交錯は容易い。穿った見方をすれば、『キングコング 髑髏島の巨神』のコングが今までのキングコング映画に比べ途方もなく巨大化したのも、この辺りに理由があるのではないか。
ピーター・ジャクソン版でもコングの体長は7.5mとされている。そんなサイズでは身長108mを誇るハリウッド版ゴジラと対決しても結果は火を見るよりも明らかだ。「プチッ」で終わりだろう。そんな背景が重要視されたことは想像に容易く、見事コングは巨大化を果たしたと思われる。もしかすると、そんな邪推を否定するように巨大化の原因が独自の解釈で『キングコング 髑髏島の巨神』の本編内で語られる、かも知れないが(そうであってほしい)。

ともかく、ゴジラと戦うよりもコングはまず髑髏島での決戦が控えている。先の先の映画に思いを馳せるよりも、まずは目前に迫った『キングコング 髑髏島の巨神』を待ち、それまでに提示されるであろう謎の一つ一つを本編でしっかりと解き明かして行かなければならない。

Eyecatch Image:http://www.empireonline.com/movies/news/exclusive-concept-art-kong-skull-island-revealed/
©2016 WARNER BROS.ENTERTAINMENT INC., LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS, LLC AND PATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC. ALL RIGHTS RESERVED

Writer

ashimigawa

映画・映画音楽ライター。愛知県出身。
竜巻映画『ツイスター』で映画に覚醒。映画音楽に魅了されてからはサウンドトラックも買いあさり、映画と映画音楽漬けの日々を送る。

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