Menu
(0)

Search

「ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ」クライマックス、ストーリーおさらいと「ゲーム・オブ・スローンズ」との繋がり解説

ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ
© 2025 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

ウェスタロスを舞台に激烈な王位争奪戦を描き、世界的な熱狂を生んだドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」(GOT)。その圧倒的な世界観にこれまでにない角度から光を当てているのが、前日譚ドラマ「ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ」だ。

日米同時配信となったシーズン1は、いよいよ息をのむクライマックスに突入する。物語が最高潮に達するフィナーレを前に、ここでドラマの魅力を徹底解説。これまでの流れをおさらいしながら、「ゲーム・オブ・スローンズ」へどう繋がっていくかを紹介しよう。

「ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ」とは?

ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ
© 2025 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

ジョージ・R・R・マーティンの小説『七王国の騎士』を忠実にドラマ化した本作は、騎士ダンクと従士エッグの旅を描くバディものの冒険譚だ。

時代設定は、「ゲーム・オブ・スローンズ」の約100年前、スピンオフ「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」の約100年後にあたる。ドラゴンはすでに滅び去り、ターガリエン王朝が平和を保っていた頃だ。本家が“冬来る”前兆の漂う時代とすれば、本作は激動が訪れる前の“春”の時代といえるだろう。

「ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ」シーズン1では、長年仕えた師を亡くしたダンクが、生計を立てるため馬上槍試合への参加を目指す。旅の途中で出会った少年エッグを従士にし、“長身のサー・ダンカン”として名を上げようとするが……。

シリーズにおける異色作

ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ
© 2025 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

「ゲーム・オブ・スローンズ」「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」との違いは、物語の視点にある。主人公ダンクは家名も土地も持たず、野宿しながら旅をする“草臥しの騎士”。その立場ゆえ、物語は貴族中心の世界から離れ、庶民の視点でウェスタロスの泥臭い側面に光を当てている。

「ゲーム・オブ・スローンズ」のような複雑壮大な群像劇ではなく、ダンク&エッグの二人に軸を置いている点も新鮮だ。地位も教養もないが、善良な心を持つダンク。幼くも聡明で、人を見る目に長けたエッグ。そんな2人の心温まる関係と成長が、ユーモアを織り交ぜた軽やかなトーンで紡がれていく。

最大のテーマは「騎士道精神」だ。ウェスタロスの騎士は、罪なき者の守護、主君への忠誠といった誓約を立てるが、それを貫ける者は極めて稀である。しかしダンクはその誓いを、どんな名高い騎士よりも誠実に守り抜こうとする。そんな彼の勇敢さと不屈の精神が、物語を大きく動かしていく。

「ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ」シーズン1 第1話〜第4話をおさらい

いよいよ「ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ」シーズン1も佳境だ。ダンクやエッグの冒険を整理すべく、第1話~第4話の流れをおさらいしておこう。

第1話

老騎士“銅貨の樹”のサー・アーランの死後、ダンクは馬3頭と武具を受け継ぎ、馬上槍試合に挑戦すべく旅に出る。道中、丸坊主の少年エッグから従士を志願されるが一蹴する。

開催地は、タイレル家が支配する河間平野の一角、アッシュフォード。バラシオン家やラニスター家など周辺の名家が集まる中、ボロ武具を身につけた大男のダンクは場違いに目立っている。

ダンクは試合管理者のプラマーから騎士として認められず、出場が危ぶまれる事態に。そこで、師と縁のあったドンダリオン家に身元保証を求めるが、冷たくあしらわれる。

そんなダンクと親しくなるのは、従士レイマン・フォソウェイと、“笑う嵐”ことライオネル・バラシオンだ。ライオネルはロバート・バラシオンに通じる豪快さに加え、魅力的な人柄も備えるナイスキャラ。ダンスシーンでは、その個性が爆発している。

宿代わりの楡の木に戻ると、エッグが焚火をして待っていた。ダンクは「試合の間だけ」という条件付きで、彼を従士として迎えることに。そんな2人の頭上を“幸運”の流れ星が横切り、ささやかな絆が芽生える。

第2話

ダンクは身元保証を得るため、諸侯たちにサー・アーランの貢献を語るが、誰もその名を覚えていない。“草臥しの騎士”の身分の低さと、諸侯たちの不誠実さが浮き彫りになる。

見どころの1つは、ターガリエン家の登場だ。現国王の後継者ベイラーとその弟メイカーが姿を見せ、後者の息子デイロンエイゴンは失踪中だと語られる。ダンクはベイラーに対し、サー・アーランとの槍試合を覚えているか問う。するとベイラーは当時の様子を事細かに記憶しており、ダンクの出場を後押しするのだった。

ダンクは人形遣いのタンセルに楯の絵付けを依頼し、自身の意匠は“楡の木と流れ星”に決定。具足は鍛冶の“鋼のペイト”に依頼し、代金は勝利後に払うと宣言する。

いざ馬上槍試合が始まり、ベイラーの息子ヴァラーをはじめとする参加者たちが激戦を展開。その光景にエッグは大興奮するが、ダンクの脳裏には“死”がよぎる。思わず勝利の自信を失いかけるが、名誉を教えてくれた師のレガシーを示すべく覚悟を決める。

第3話

エッグが軍馬と槍試合の訓練に励む中、片目の騎士ロビン・ライスリングが登場。自らの「乱心」を語るその姿が、ただならぬ印象を残す。

ダンクとエッグは仲良く雑務をこなし、互いに冗談を言い合うなど、もはや兄弟のような距離感だ。エッグは、いつかダンクと共に戦い英雄になる日を想像し、ダンクもまた、この関係を続けたいと考え始める。

2日目の槍試合は、メイカーの次男エリオン・ターガリエンが、対戦者ハンフリー・ハーディングの馬の首を槍で貫くという惨劇に一変。エッグは故意の攻撃だと言うが、ダンクには信じられない。彼が思い描いた“騎士”像は、残虐性とは相容れないからだ。

その夜、エリオンは人形一座のドラゴンを討つ演出を反逆行為とみなし、タンセルの指を折る。その瞬間、ダンクはエリオンを殴り倒し、顔面に蹴りを叩き込む。相手が王族であろうと、彼に迷いはなかった。対するエリオンは報復として、ダンクの歯をすべて折るよう兵士たちに命じる。

その窮地を救ったのは、「手を出すな!」というエッグの声だ。「その髪はどうした?」と問うエリオンに、「剃ったんだ。兄上に似たくないからね」と返すエッグ。こうして、エッグの正体がエイゴン・ターガリエンだという衝撃の事実が明かされる。

第4話

ダンクへの処罰をめぐり、「七の審判」の実施が決定。告発人側と被告人側でそれぞれ7人の騎士をそろえ、命がけで戦う決闘裁判だ。

当日、ダンク側に名乗り出たのは、ライオネル・バラシオン、ロビン・ライスリング、ハンフリー・ハーディング、ハンフリー・ビーズベリーの4人。事前に助勢を約束したステッフォン・フォソウェイは、直前で敵側へ鞍替えするという「ゲーム・オブ・スローンズ」らしい卑劣な裏切りを見せた。

エリオン側の騎士は、父メイカー、兄デイロン、ステッフォン、そして“王の盾”であるサー・ローランド・クレイクホール、ダスケンデールのサー・ドネル、サー・ウィレム・ワイルド。デイロンは、ダンクとドラゴンにまつわる予知夢を見ており、その意味は謎のままだ。

レイマンは従兄ステッフォンの穴を埋めるため、自らを騎士にしてくれと懇願し、ライオネルから叙任を受ける。その様子はスローモーションで描写され、騎士の誓いの言葉が重々しく響く。

ダンクは観客席に向け、残り1人の助勢を求めて叫ぶ。「真の騎士はおられぬのか!」その呼びかけに唯一応えたのは、他ならぬベイラー・ターガリエンだった。この劇的な展開とともに、ついに「ゲーム・オブ・スローンズ」のテーマ曲が本格的に流れ、大きな高揚感を残したまま、本シリーズはいよいよクライマックスへと突入する──

フィナーレに向けた見どころ

ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ
© 2025 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

クライマックスを飾る決闘裁判では、「ダンク&エッグの絆の成長」、そして「ダンクの騎士道精神」という2つの観点から、極めて重要な局面となる。

期限付きだった2人の主従関係は、やがて未来を共に見据える強固な絆へと変化。エッグは素性を明かした後も従士であることを望み、ダンクもその思いを受け入れて決闘裁判に臨む。この試練を通じて、それぞれが成長を遂げ、関係性も新たな段階へ進むはずだ。

同時に決闘裁判は、ダンクの騎士道そのものを裁く場ともいえる。経験も知識も乏しいダンクにとって、サー・アーランから学んだ騎士道こそが唯一の指針だった。たとえ命が危険にさらされようと、「罪なき者を守りたい」という純粋な思いに突き動かされ、体が動いた。果たして、そんなダンクの信念は報われるのか。その答えが、残り2話で明かされることとなる。

「ゲーム・オブ・スローンズ」とのつながり

タップで拡大します。

シーズン1で描かれる出来事は、ダンク&エッグの長い旅路の序章だ。のちに2人がどのような存在になるかは、「ゲーム・オブ・スローンズ」で既に断片的に語られている。

例えば「長身のサー・ダンカン」は、シーズン1でブラン・スタークが知る“伝承”として言及。シーズン4では、ジョフリー・バラシオンが“兄弟の書”を手に「4ページも綴られた大した人物」と評し、数々の偉業を残した”王の盾”であることが示唆された。

ちなみに原作者マーティンによると、ダンクはブライエニーの祖先。長身や騎士道精神といった共通点にも納得だ。いみじくも、ブライエニーが“女公”から“騎士”になるシーズン8第2話のタイトルは、本作と同じ『七王国の騎士(A Knight of the Seven Kingdoms)』である。

ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ
© 2025 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

一方エッグは、“冥夜の守人”に仕える学匠エイモンの実の弟だ。シーズン1ではエイモンの言葉から、エッグが王となったこと、“狂王”エイリスとデナーリスへ連なる祖先であることが示された。なおエイモンは、シーズン5で赤子時代のエッグを思い出した後、「エッグ……老人になった夢を見た」という最期の言葉を残している。

征服王エイゴン1世が“鉄の玉座”を築いて以来、ターガリエン家はドラゴンの炎を受け継ぐ血筋を統治の正当性としてきた。その血筋は、時代を超えて「民を導くリーダーシップ」と「冷酷な残忍性」の二面性を併せ持っている。

次期国王として信望を集める人格者のベイラーは、まさにリーダーシップの象徴だ。その在り方は、「ゲーム・オブ・スローンズ」で奴隷商人湾を解放し諸勢力を率いたデナーリスや、“冥夜の守人”の司令官となり、数々の戦で指導力を発揮したジョンに通じている。

ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ
© 2025 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

一方で、血統を過信するエリオンは、ハンフリーやタンセル、ダンクに対して“狂気”を伴う残忍性を露わにする。その姿は、ターガリエンの血を盾に恐怖による支配を当然視していたヴィセーリスと重なるものだ。こうした系譜はデナーリスにもおよび、最終局面ではラニスター勢が降伏したにもかかわらず、“炎と血”で無辜の民ごと王都を焼き払うに至った。「ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ」は、ダンクとエッグの旅路を描きながら、「ゲーム・オブ・スローンズ」でターガリエン家という血統が抱え込んだ業の原点を描く作品でもあるのだ。

「ゲーム・オブ・スローンズ」シリーズ、さらに拡大

「ゲーム・オブ・スローンズ」ユニバースでは、2028年にかけて毎年新作が登場する見通しだ。「ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ」は現在シーズン2が撮影中で、2027年に登場する見込み。「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」は2026年夏にシーズン3、2028年にシーズン4がリリース予定だ。

配信中の「ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ」を楽しんでおけば、翌年もまたダンクとエッグと冒険を供にすることができる。さらに、「ゲーム・オブ・スローンズ」からは他にも新たなスピンオフ企画が検討されているといい、ますます目が離せない。

ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ
© 2025 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.

「ナイト・オブ・ザ・セブン・キングダムズ」はU-NEXTにて独占配信中。「ゲーム・オブ・スローンズ」全8章、「ハウス・オブ・ザ・ドラゴン」シーズン1・2もあわせて独占配信中だ。

Supported by HBO Max
参考:Vanity Fair

Writer

アバター画像
KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly