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『クレイヴン・ザ・ハンター』なぜ公開延期? ─ スタジオは自信、激戦区のクリスマスシーズンに投入

クレイヴン・ザ・ハンター
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米ソニー・ピクチャーズによるマーベル『スパイダーマン』シリーズ最新作『クレイヴン・ザ・ハンター』は公開延期を繰り返しており、現在は2024年12月13日の予定とされているが、ソニーはいかなる思惑でクリスマス・シーズンに見送ったのだろうか。

『クレイヴン・ザ・ハンター』は、“スパイダーマン狩り”に執念を燃やすコミックの人気ヴィランを初めて実写化する作品。『ブレット・トレイン』(2022)アーロン・テイラー=ジョンソンがタイトルロールを演じる。シリーズとしては、2024年2月公開の『マダム・ウェブ』の後続となる。

最初は2023年1月13日公開予定だったが、10月6日、2024年8月30日、12月13日へと移動を重ねた。直近ではサマーシーズンからホリデーシーズンに移ったわけだが、プロデューサーのマット・トルマックがその理由を米Colliderに話している。

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「『クレイヴン』をクリスマスに移動させたのは、私たちも楽しみにしているし、クリスマスがベストなリリース時期だからです。何度も何度も映画を見に行く時間のある人たちを集められる時期ですよね。スタジオがこの映画をどう考えているかの表れですよ。すごくワクワクしています。映画に対する感覚を反映した、素晴らしい動きなんです。」

多くの人がまとまった休暇を設けるクリスマスシーズンは、一年の中でも特に動員に期待できる時期。であるが故に、各スタジオが自信作をぶつける激戦区にもなる。ここに『クレイヴン・ザ・ハンター』を移動させたということは、トルマックが言うように、ソニー・ピクチャーズは本作にきちんと自信を抱いていると言うことなのだろう。

元公開予定日だった2024年8月30日付近の競合作品を見てみよう。8月16日には『エイリアン:ロムラス』があり、前週23日はリブート版『The Crow』が控える。予定日だった週の翌週9月6日には『ビートルジュース』(1988)の続編『Beetlejuice Beetlejuice』にも挟まれており、注目作がひしめき合っていた。

それでは移動先の12月13日前後はどうかというと、こちらも混戦の様相を呈している。前月から『グラディエーターⅡ(原題)』(11月22日)『モアナ2(原題)』『Wicked(原題)』(11月27日)がまだ走り続けているはずで、同日には『ロード・オブ・ザリング』初の長編劇場アニメ『The Lord of the Rings: The War of the Rohirrim(原題)』とガチンコ対決。さらに翌週20日には『ライオン・キング:ムファサ』と『ソニック・ザ・ムービー』第3作という強力なファミリータイトルとのスクリーンの奪い合いとなりそうなので、特に初週末のパフォーマンスが重要視されそうである。

ソニー・ピクチャーズのマーベル映画シリーズは前作の『マダム・ウェブ』が苦しい戦いを強いられていたから、『クレイヴン・ザ・ハンター』では十分な時間を改めて確保し、編集作業やプロモーション方法について再考したいのでは、との邪推もできそうだが、ともかくスタジオ側は自信を持って激戦区に送り出す考えのようだ。日本公開日はまだアナウンスされていないが、楽しみに待つとしよう。

Source:Collider

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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