ヒリヒリする感動を ─ 『荒野にて』予告編映像が公開「前に進め、まだ見ぬ自分を探しに 」

長年連れ添った夫婦の絆が揺らぐ姿を描き、数々の賞を受賞した『さざなみ』(2015)など、深く繊細な人間ドラマを魅せるアンドリュー・ヘイ監督最新作『荒野にて』が、2019年4月12日(金)より日本公開される。第74回ヴェネチア国際映画祭にてマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞した若き新星チャーリー・プラマーに期待の作品だ。
小さい頃に母が家出し、その日暮らしの父と二人暮らしの主人公チャーリー。家計を助けるために競走馬リーン・オン・ピートの世話をする仕事を始めるが、ある日父が愛人の夫に殺されてしまう。15歳で天涯孤独になってしまったチャーリーの元に、追い打ちをかけるように届いたのは、試合に勝てなくなったピートの殺処分の決定通知だった。チャーリーは一人馬を連れ、唯一の親戚である叔母を探す旅に出るが、彼らの前に広がるのは、あまりに広い荒野だった。
公開された予告編映像の冒頭でコメントを寄せているのは、映画監督のグザヴィエ・ドランだ。「アンドリュー・ヘイの世界に、ふっ飛ばされた。少年の絶望が、詩のような美しさで滲み出していく─。」
母親の写真を眺め、思い出にふける内気な少年チャーリーは父親とふたり暮らし。唯一の楽しみは競走馬ピートと過ごすひととき。前半、ささやかながら穏やかな生活が映し出されるも一変、父親の突然の死によって、彼は「世界から滑り落ちた」。
追い打ちをかけるように、走れなくなったピートの殺処分が告げられた時、チャーリーはピートを連れ、“自分の居場所を探す旅”に出る。しかし踏み出した先で直面するのは過酷な“現実”だった。後半では、チャーリーの心の痛みや激情的な涙と、この世界の美しさに触れた笑顔が交互に描き出され、彼が進みゆく荒々しくも美しいアメリカの大自然と呼応するように切り替わっていく。少年が先の見えない荒野の先に見たものとは?チャーリー・プラマーの静かだが力強く、瑞々しい演技が輝く、この春一番の感動を期待させる予告編となっている。

スティーヴ・ブシェミ、クロエ・セヴィニーら個性派俳優の出演も注目。北米では今最も勢いがある気鋭スタジオ「A24」が配給したことでも話題の本作は、2019年1月よりヒューマントラストシネマ渋谷ほかで開催される「未体験ゾーンの映画たち2019」にて特別先行上映も決定している。
映画『荒野にて』は、2019年4月12日(金)ヒューマントラストシネマ渋谷他 全国順次ロードショー。
『荒野にて』公式サイト:https://gaga.ne.jp/kouya/