むしろマニア向け?公式ショートアニメ『LEGOジュラシック・ワールド: The Indominus Escape』が面白い理由
10月中旬にAmazonより欧米向けに『LEGO Jurassic World: The Indominus Escape(原題)』が、本作である『ジュラシック・ワールド』のDVDと2パックセットでリリースされました。

実は驚くことに、今作が『ジュラシック・パーク』シリーズ初のオフィシャルアニメーション化作品とのこと。本編は24分間というお手軽な長さであり現在11月上旬時点、Netflixでも公開されているため早速見てみました。
あらすじ

本作パッケージに掲載されているあらすじをざっくり説明すると、こういう事です。
サイモン・マスラニはパークのメインアトラクションのうち一つを過って破壊してしまったため(奴は本気であのヘリコプターの飛び方を覚えるべきだ)、信頼できる従業員クレアに、他なる目玉アトラクションを作るように命ずる。ドクター・ウーによる恐竜のDNA操作にインスパイアされた彼女は、マソラニ氏や子供達を喜ばせるいいアイデアを思いつく。それこそが、最大で最恐で、ホットドッグをこよなく愛するハイブリッド恐竜、インドミナスレックスだったのだ。しかし、不幸な事にもインドミナスレックスはホットドッグを全て食いつくし、満足することなく空腹な状態で檻の中から逃げ出してしまった!さあ、ここで恐竜調教師オーウェン・グレディの出番だ!
なんと……インドミナスレックスの好物がホットドッグ、という愛嬌と茶目っ気たっぷりな設定に!?
LEGO版『ジュラシック・ワールド』見所
ふざけた職員陣
さて、事の発端はまたあのマスラニ氏が飛行機を一人で飛ばし、プテラノドンのケージを破壊したことです。しかも原因は運転中のスマホゲーム。
また、映画版では『ジュラシック・パーク』以来の登場で注目を浴びたドクター・ウーが、今作でかなり適当な遺伝子操作を行っており、形態異常なディロフォサウルスなどが登場するなど……。
オーウェンとクレアが最初から既にイチャイチャしていることも気になりますが、今作で重要人物でもあるホットドッグマンが何より気になります。

ホットドッグマンの仕事は、インドミナスレックスの好物であるホットドッグを作ること。もはや、ホットドッグの着ぐるみを着て働く必要性が皆無です。しかも、それを着ていたが故にインドミナスレックスに狙われ、大惨事を招いてしまいます。
もうやりたい放題、公式がふざけすぎじゃないのか?と心配になってしまうはず。
絶妙な再現性の高さ

登場してくる恐竜たちは、レゴの世界観でありながらも、動きや骨格などがしっかり本作に似せてられていて、クオリティが高いのです。あのヴェロキラプトルの独特なムーヴも忠実に再現されています!また、鳴き声もしっかり本作と同様のものを使用。
ふざけた職員陣でさえ、どうしてもレゴ人間にはなってはしまうものの、表情や特徴などはしっかり掴んでいて、あまり違和感が感じられません。
何より、タイトルテーマを含め、映画で使われている楽曲がそのまま使用されているので、音楽だけで考えれば本家と同じレベルというわけです。故に、見終わったあとのエンドロールでジョン・ウィリアムズの手がけたあの素晴らしい音楽が流れているせいで、大作を一本見終わったかのように感じてしまうのです……。
子供だけでなく、大人も楽しめるわけ
そもそも、LEGO作品ということで「子供向け」というイメージが拭えませんが、実際に今作を見てみるとどうやらそういうわけでもないようです。

今作は、基である『ジュラシック・ワールド』におけるパラレルストーリーとして描かれています。ですが中には、新米従業員がラプトルの檻の中に誤って落ちてしまいオーウェンが助けるシーンなど、映画の中で登場する印象的なシーンがいくつも登場します。
また、『ジュラシック・パーク』の監督を務め、『ジュラシック・ワールド』では製作総指揮を務めたあのスティーブン・スピルバーグを含めた撮影班が映り込んでいるなどの小ネタも必見!

なので、『ジュラシック・ワールド』を熟知しているファンだからこそ、比較して楽しめる点や、子供ではわかりきれない“大人向けジョーク”を含めて面白おかしく思える点が多いのです。
しかも、この『LEGO Jurassic World: The Indominus Escape(原題)』にはPG-13指定がついている!勿論若い年齢層向け作品であることは間違いありませんが、本当にLEGOで遊ぶ年代の子供には進めないということです。
つまり、今作は子供向けというより、むしろマニア向けの作品と言うべきなのです。
(なんといったって、2パックDVDには特典として「従業員用安全確認ビデオ」を含め4本のショートムービーが収録がされています。まさに、誰得なマニア向け特典!)

シリアスな映画版『ジュラシック・ワールド』の後に見るとほっこり。Netflixに加入していない方でも、YOUTUBEのジュラシック・ワールド公式チャンネルに、分割されてアップされているので視聴可能です。
撮影が来年初頭からスタートされる続編『ジュラシック・ワールド2(仮)』が待ちきれないというあなた、こちらも一見の価値はありますよ。