『インフェルノ』を観る前に知りたい”ダンテ・神曲” とは? 洋画とキリスト教の関係について

10月28日より公開された「インフェルノ」。
「ダヴィンチ・コード」「天使と悪魔」に続く、ロバート・ラングトンシリーズの3作目です。

こうゆう「名画に隠された謎」「世界を牛耳る秘密結社」といった都市伝説チックなストーリーが大好きな私、今回の「インフェルノ」は謎解き系とは少し違うとの噂を聞いてちょっぴり寂しい思いをしていたのですが、映画館でラングトン教授の活躍を確かめてきました!

映画『インフェルノとは』

ルーヴル美術館で起こった殺人事件と、レオナルド・ダヴィンチの絵画に隠されたメッセージを紐解く「ダヴィンチ・コード」、秘密結社イルミナティとヴァチカンを舞台に対決する「天使と悪魔」。
今回の「インフェルノ」は、なぜか記憶喪失になっているラングドン教授が美人医師と一緒に「世界の人口増えすぎだから減らしちゃえ!」というサイコな大富豪が作ったウイルスの拡散阻止のために奔走するというストーリー。

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このよくサスペンス・アクション映画でありがちな「この時間までに止めなければ世界は滅びる」系の話をどうラングトンシリーズぽく描いているのか・・・と気になっていたのですが 今回は秘密結社ではなく、ある文学が軸にされていました。

その文学とは”ダンテ”の「神曲 地獄編(インフェルノ)」。

タイトルともなっている「インフェルノ」とはどんな物語なのか・・・まだ映画を観ていない方に、ご紹介したいと思います。

「神曲 地獄編(インフェルノ)」とは

「神曲」とはこの”地獄編”の他に”煉獄編””天国編”の3部作で構成されており、作者であり主人公であるダンテが死者が住むこれらの場所を旅をする物語です。
“ウェルギサウス”というガイドに案内されてやってきた地獄はひどく恐ろしい場所。浪費、怠惰、暴力、好色、詐欺など様々な罪を犯した者たちが蠢き、魔王にポイポイ食われているといったとんでもない所です。

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その”地獄”を描いている挿絵が、イタリアの画家ボッティチェリが描いたこちらの絵。このボッティチェリは「ヴィーナスの誕生」「プリマヴェーラ」が代表作品です。某ファミリーレストランで、きっと一度は模写を見たことがあるかと思います。

この「インフェルノ」の絵が映画にもたくさん登場します。段々畑のように輪っかになっている各場所で、人間たちが犯した罪の重さによって裁かれている・・・というもの。

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映画ではこの絵の様子がリアルに再現されていて驚きました。”裏切り”をした者、”好色”の者、”異端”の者・・・罪人たちが呻きのたうちまわっている様子はとても恐ろしく、映画の中でもかなりインパクトがあるシーン。本当に地獄の中に入り込んだようなその映像は圧巻です。

日本の地獄というと、閻魔大王がいて血の海があって針の山があって・・・なんていうイメージですよね。仏教での地獄は”犯した罪の分えらい目にあって償い、償い終えたときには生まれ変わることができるもの”なのだそう。

キリスト教で地獄に堕ちる時は、イエス・キリストが決めるものなのだそうですが、1度入ってしまったら2度と出てこれないと言われているのだとか。宗教によって地獄も違うものなのですね。

洋画を観ていると、キリスト教に関係している、宗教要素を盛り込んである作品が本当に多いと感じます。”宗教”となると日本ではあまり馴染みがなくピンとこないものですが、欧米では生活や意識に強く根付いているものだと分かります。

洋画とキリスト教

例えばブラット・ピット主演のサスペンス映画「セブン」。キリスト教の”7つの大罪”を扱ったものです。7つの大罪とは暴食、色欲、強欲、憂鬱、憤怒、怠惰、虚飾、傲慢のこと。

「バットマン vs スーパーマン」も宗教要素が濃い映画と言われています。スーパーマンの死体をおろすシーンが十字架にかけられた後のキリストの姿を模しているものと言われていたり、レックス・ルーサーの自宅に飾られている絵が”天使と悪魔の戦い”であったり。

『バットマンvsスーパーマン』は神殺しと神の誕生を描いた物語だ 〜ブルースとレックスの悲劇から読み解く神の救済〜

低予算ながらもヒットしたホラー映画「イット・フォローズ」もキリスト教要素を含んでいると言われています。物語には海やプールなど”水”のシーンが多く登場するのですが これは”聖水”を暗示するという解釈も。
洋画を観るときこういった宗教要素を意識すると、また違った発見や解釈の仕方を楽しめるかもしれませんね。

美しいヨーロッパの街並みを舞台に繰り広げられる、ラングトン教授の人類滅亡との戦い「インフェルノ」。前作、前々作とのつながりはあまり無いので ラングトン教授シリーズを観たことがない方でも楽しめる作品だと思います。今回ご紹介しました”ダンテ”の「神曲(地獄編)」が映画で事件とどのような繋がりをみせているのか、ぜひ劇場でご覧ください!

人類を滅ぼすかもしれない事態まで24時間!宗教象徴学者のロバート・ラングドンが立ち向かう『インフェルノ』レビュー

Eyecatch Image:http://screenrant.com/inferno-movie-2016-posters-tom-hanks/

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フリーライター(1995生まれ/マグル)

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