ベネ様にトムヒ、『キングスマン』の2人も!英名優ら多数参加、手紙朗読イベント“Letters Live”とは?

メールやLINEによってどこにいてもすぐ連絡をとることができるこのご時世、なかなかもう改まって“手紙”を書く機会というのは少なくなってきているのではないだろうか。しかし携帯が壊れれば消えてしまう機械の中のメッセージとは違い、手元に残る手紙は“永遠”だ。読みにくくないか配慮しながら丁重に並べた文字、感情の赴くままに走り書きしたちょっぴり荒々しい文字。文字を並べる紙だって悩んで買ったレターセットかもしれないし、その時たまたま家にあった紙かもしれない。パソコンで文章をしたためたとしても、無機質なはずの書体がどことなくよそゆきの顔に見えるかもしれない。
あなたにしか書けない文字、あなたが選択した紙、全てにおいてあなたらしい手紙。その時の思いの丈が詰まった手紙は、どれだけ世の中にSNSなど便利なものが普及したとしても素敵なものだ。
手紙朗読イベント“Letters Live”
偉人たちが遺した個性あふれる手紙を俳優たちがドラマティックに、時に悲しげに、時にユーモラスに迫力たっぷりに読み上げるこのイベントは、最初は自発的であったものの、話題を呼んでますます大規模なものに。初開催の2013年12月から現在まで、年に数回行われているライブのチケットは即完売するほどの人気だ!観客には当日まで誰が登場するか、どんな手紙を読み上げられるか知らされないというサプライズな演出も魅力である。またこの“Letters Live”の売上金はライティングを通して子供たちの創造性を豊かにするイギリスの支援団体『Ministry of Stories』や『First story』、難民支援団体にも寄付されるそうだ。
イアン・マッケラン、ベン・キングズレー、トビー・ジョーンズ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジュード・ロウ、カイリー・ミノーグ、トム・ヒドルストンなど今まで数々のスターたちが壇上に立ってきた『Letters Live』。魅力あふれる手紙たちがこれまた圧倒的な表現力を持つ彼らによって朗読されるなんて、なんとも素晴らしくユニークで豪華なイベントだ。
とくにベネディクト・カンバーバッチは“Letters Live”に、精力的に参加しているようだ。今回はベネディクト・カンバーバッチ、トム・ヒドルストンが過去に読み上げた手紙、そして今年2017年7月14日、15日に開催された最新イベントについて見ていきたい。
ベネディクト・カンバーバッチ / 「芸術家の手紙」
この“Letters Live”に数多く参加しているベネディクト・カンバーバッチ。彼が読み上げた手紙の1つが、アメリカの美術家ソル・ルウィットが、友人にして女性現代美術家エヴァ・ヘッセに送ったものだ。
書かれたのは1965年。当時スランプに陥り深く悩んでいたエヴァは、辛い胸のうちをソルに送った。ベネディクト・カンバーバッチが朗読した手紙は、ソルの返信の手紙だ。
「きみは時に世界に“この野郎”!と叫ぶことを学ばなくちゃ。思考を止めて、心配することをやめるんだ!疑い、恐れて、傷つき、苦しんで、苦しんで、混乱させて、傷つけて、鼻づまって…そんなことを一切やめるんだ!」
冒頭から一気に強く激しい言葉があふれだす芸術家の手紙。読み終わったあと拍手が巻き起こるほど、ベネディクト・カンバーバッチの朗読は息もつかず迫力たっぷりだ。