ベネ様にトムヒ、『キングスマン』の2人も!英名優ら多数参加、手紙朗読イベント“Letters Live”とは?

メールやLINEによってどこにいてもすぐ連絡をとることができるこのご時世、なかなかもう改まって“手紙”を書く機会というのは少なくなってきているのではないだろうか。しかし携帯が壊れれば消えてしまう機械の中のメッセージとは違い、手元に残る手紙は“永遠”だ。読みにくくないか配慮しながら丁重に並べた文字、感情の赴くままに走り書きしたちょっぴり荒々しい文字。文字を並べる紙だって悩んで買ったレターセットかもしれないし、その時たまたま家にあった紙かもしれない。パソコンで文章をしたためたとしても、無機質なはずの書体がどことなくよそゆきの顔に見えるかもしれない。

あなたにしか書けない文字、あなたが選択した紙、全てにおいてあなたらしい手紙。その時の思いの丈が詰まった手紙は、どれだけ世の中にSNSなど便利なものが普及したとしても素敵なものだ。

なんでもイギリスにて、そんな手紙にまつわるイベントが開催されているらしい。しかもそのイベントにはイギリスを代表する名だたるスターたちが参加しているのだとか!今回は1度は足を運んでみたいイベント“Lettters LIve”についてや、あの俳優たちが読み上げた手紙などをご紹介したいと思う。

手紙朗読イベント“Letters Live”

Letters Liveはユニオン・チャペルといった大きな教会、聖堂にて、大勢の観客の前で著名人たちが歴史に名を残した人々の手紙を朗読するイベントである。イギリスの作家、ショウン・ユーシャーによって集められた“世界で最も興味深い125の手紙”『Letters of Nite』、同じくイギリスのジャーナリストサイモン・ガーフィールドによって執筆された“手紙の歴史と重要性、私たちに与えてきた影響を解く”『To the Letter』からインスピレーションを受けて企画されたというこの“Letters Live”。

偉人たちが遺した個性あふれる手紙を俳優たちがドラマティックに、時に悲しげに、時にユーモラスに迫力たっぷりに読み上げるこのイベントは、最初は自発的であったものの、話題を呼んでますます大規模なものに。初開催の2013年12月から現在まで、年に数回行われているライブのチケットは即完売するほどの人気だ!観客には当日まで誰が登場するか、どんな手紙を読み上げられるか知らされないというサプライズな演出も魅力である。またこの“Letters Live”の売上金はライティングを通して子供たちの創造性を豊かにするイギリスの支援団体『Ministry of Stories』や『First story』、難民支援団体にも寄付されるそうだ。

イアン・マッケラン、ベン・キングズレー、トビー・ジョーンズ、ベネディクト・カンバーバッチ、ジュード・ロウ、カイリー・ミノーグ、トム・ヒドルストンなど今まで数々のスターたちが壇上に立ってきた『Letters Live』。魅力あふれる手紙たちがこれまた圧倒的な表現力を持つ彼らによって朗読されるなんて、なんとも素晴らしくユニークで豪華なイベントだ。

とくにベネディクト・カンバーバッチは“Letters Live”に、精力的に参加しているようだ。今回はベネディクト・カンバーバッチ、トム・ヒドルストンが過去に読み上げた手紙、そして今年2017年7月14日、15日に開催された最新イベントについて見ていきたい。

ベネディクト・カンバーバッチ / 「芸術家の手紙」

この“Letters Live”に数多く参加しているベネディクト・カンバーバッチ。彼が読み上げた手紙の1つが、アメリカの美術家ソル・ルウィットが、友人にして女性現代美術家エヴァ・ヘッセに送ったものだ。
書かれたのは1965年。当時スランプに陥り深く悩んでいたエヴァは、辛い胸のうちをソルに送った。ベネディクト・カンバーバッチが朗読した手紙は、ソルの返信の手紙だ。

「きみは時に世界に“この野郎”!と叫ぶことを学ばなくちゃ。思考を止めて、心配することをやめるんだ!疑い、恐れて、傷つき、苦しんで、苦しんで、混乱させて、傷つけて、鼻づまって…そんなことを一切やめるんだ!」

冒頭から一気に強く激しい言葉があふれだす芸術家の手紙。読み終わったあと拍手が巻き起こるほど、ベネディクト・カンバーバッチの朗読は息もつかず迫力たっぷりだ。

「僕はきみの今の状態を理解しているようだけれど、それは僕も度々同じ経験をしているからなんだ。きみが達成しようとしていることには大きな苦しみがともなう…でもきみはそれを成し遂げることができるはずだ。僕が想像しているより、過酷なことだと思うけれど。きみは自分自身を愛してあげなくちゃ」

同じ苦しみを味わったことがある人間だからこそ紡ぎ出される、あたたかく強い励ましの手紙。きっとソル・ルウィットからのこの返事にエヴァ・ヘッセは心打たれたことだろう。ユーモアも絡めて強く読み上げるベネディクト・カンバーバッチ、映画やドラマとはまた違ったオーラがにじみ出ている。

トム・ヒドルストン / 「恋人の手紙」

トム・ヒドルストンが朗読したのは、とあるラブレターだ。著書に『積みすぎた箱舟』『虫とけものと家族たち』などがあるイギリスのノンフィクション作家にして動物保護家のジェラルド・ダレル。彼が最愛の妻、リー・マクジョージに出会ったのは1977年のこと。ジェラルドとリーは1979年に結婚してからジェラルドが1995年に亡くなるまで、共に世界中を自然保護のために旅をし、共同でいくつか本も手がけた。朗読されたのはそんなジェラルド・ダレルが1978年、未来の妻に向けて書いたラブレターである。

「私は今までの人生で、他の誰にも感じたことのなかった深みと情熱であなたを愛しています。」冒頭からそんなロマンティックな言葉ではじまるラブレター。「もう他の女性に目が移るなんてことは決してありません。あなたは美しく、優しく、“与える者”で、セクシーで、知的でユーモアのある女性だ。私はあなたと一緒にいたいし、あなたの美しい声を聞きたいし、あなたと物事を見せて物事を共有したい。」

そして自然を愛するジェラルド・ダレルは、こんな美しい文章を綴る。

「私は今までハチドリがオレンジ色の花の木の周りを飛んでいるのを見たことがある。それはまるで宝石のオパールのようだった。私は魚が青い海を滑るように横切り、そして尾っぽで銀色の線を描くのを見たことがある。海の上に浮かぶ、タールのように真っ暗なクジラを見たことがある。でもこれらの経験を、私はあなた無しでしてしまった。これからは全て、あなたと一緒にしたい」

朗読時間なんと12分!心から恋人を愛している事が伝わってくる手紙だ。トム・ヒドルストンの甘い声が響き渡るホール、きっと観客はこの永遠の恋人たちに思いを馳せたことだろう。時々照れくさそうに読むトムヒがまたチャーミング!

2017年の“Letters Live”は….?

そして先日、現地時間の7月14日と15日にユニオン・チャペルにて行われた“Letters Live”。今回のゲストはなんと、『キングスマン』主演コンビであるコリン・ファースとタロン・エガートン!スクリーンを飛び出して朗読で共演するというパフォーマンスに、ファンからは嬉しい悲鳴がたくさんあがったようだ。

コリン・ファースとタロン・エガートンの朗読の様子はまだ“Lettes Live”公式でも発表されていないが、『ジャングル・ブック』の著者でありノーベル文学賞を受賞しているイギリスの作家、ラドヤード・キップリングの手紙を朗読した模様。コリン・ファースが優しく見つめる先にはなぜかしかめっ面のタロン・エガートン、彼に一体何が起こったのだろうか…。

また今回の“Letters Live”では、あの大女優の手紙も朗読された。それは2016年に亡くなったキャリー・フィッシャーが人生を長く共にした『スター・ウォーズ』レイア姫にあてた手紙である。朗読者はドラマ『SHERLOCK/シャーロック』のメアリー・モンスタン役で有名な女優アマンダ・アビントン。

「私たちはお互い、簡単に間違えられる程度に似ているかもしれないけれど、私の中身はあなたの外見に似ているかしら?あなたが銀河で戦っている間、私はあなたの負った傷やそのおかしな髪型と一緒に、もがき続けてるんだから。私は人生の3分の2を、白い革靴を履いて銀河を歩くことに費やしたわ。あなたはいつもヒロインで栄光を取るけれど、私は年をとっていく…あなたは私を精神的に、ちょっぴりうんざりさせるのよね。あなたが燃え上がれば私は薄れる。仕方がないこと。でも私たちの星オルデラン、ジャバの宮殿、宇宙の街、あなたがどこへ行こうと私は大いに楽しんで演じるわ。髪型はスキップさせてもらうけど!」

髪型への文句などユーモアを交えながら、レイア姫への思いをビタースイートに綴った故キャリー・フィッシャーの手紙。往年の大スターたちが自らしたためた、秘めた思いを知ることができるのも“Letters LIve”の魅力である。

「手紙はそれが書かれた理由や書いた人々の人生について想像させる。古くからのコミュニケーション方法を多くの人々とシェアすることができるのは、素晴らしいことだ」とベネディクト・カンバーバッチは語る。以前と比べて手紙を書く人は確かに少なくなっているかもしれない。しかし、自分の大切な人に向けて綴った手紙はどこまでも尊く、“永遠”が詰まっているとこの“Letters LIve”は改めて感じさせてくれる。

イギリスの名優たちが織り成すその圧巻のステージ、1度は五感でその感動を体験しに行ってみたいものだ!
2017年の“Letter LIve”は8月の3日〜6日に行われる音楽イベント“ワイルドネス・フェスティバル ”、そして多くの芸術家たちが集う8月27日の“エディンバラ国際フェスティバル”において開催予定。

公式サイト:http://letterslive.com

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フリーライター(1995生まれ/マグル)

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