ベネ様にトムヒ、『キングスマン』の2人も!英名優ら多数参加、手紙朗読イベント“Letters Live”とは?

「僕はきみの今の状態を理解しているようだけれど、それは僕も度々同じ経験をしているからなんだ。きみが達成しようとしていることには大きな苦しみがともなう…でもきみはそれを成し遂げることができるはずだ。僕が想像しているより、過酷なことだと思うけれど。きみは自分自身を愛してあげなくちゃ」
同じ苦しみを味わったことがある人間だからこそ紡ぎ出される、あたたかく強い励ましの手紙。きっとソル・ルウィットからのこの返事にエヴァ・ヘッセは心打たれたことだろう。ユーモアも絡めて強く読み上げるベネディクト・カンバーバッチ、映画やドラマとはまた違ったオーラがにじみ出ている。
トム・ヒドルストン / 「恋人の手紙」
トム・ヒドルストンが朗読したのは、とあるラブレターだ。著書に『積みすぎた箱舟』『虫とけものと家族たち』などがあるイギリスのノンフィクション作家にして動物保護家のジェラルド・ダレル。彼が最愛の妻、リー・マクジョージに出会ったのは1977年のこと。ジェラルドとリーは1979年に結婚してからジェラルドが1995年に亡くなるまで、共に世界中を自然保護のために旅をし、共同でいくつか本も手がけた。朗読されたのはそんなジェラルド・ダレルが1978年、未来の妻に向けて書いたラブレターである。
「私は今までの人生で、他の誰にも感じたことのなかった深みと情熱であなたを愛しています。」冒頭からそんなロマンティックな言葉ではじまるラブレター。「もう他の女性に目が移るなんてことは決してありません。あなたは美しく、優しく、“与える者”で、セクシーで、知的でユーモアのある女性だ。私はあなたと一緒にいたいし、あなたの美しい声を聞きたいし、あなたと物事を見せて物事を共有したい。」
そして自然を愛するジェラルド・ダレルは、こんな美しい文章を綴る。
「私は今までハチドリがオレンジ色の花の木の周りを飛んでいるのを見たことがある。それはまるで宝石のオパールのようだった。私は魚が青い海を滑るように横切り、そして尾っぽで銀色の線を描くのを見たことがある。海の上に浮かぶ、タールのように真っ暗なクジラを見たことがある。でもこれらの経験を、私はあなた無しでしてしまった。これからは全て、あなたと一緒にしたい」
2017年の“Letters Live”は….?
コリン・ファースとタロン・エガートンの朗読の様子はまだ“Lettes Live”公式でも発表されていないが、『ジャングル・ブック』の著者でありノーベル文学賞を受賞しているイギリスの作家、ラドヤード・キップリングの手紙を朗読した模様。コリン・ファースが優しく見つめる先にはなぜかしかめっ面のタロン・エガートン、彼に一体何が起こったのだろうか…。
Great time @letterslive last night. I don’t remember being this alarmed by Colin Firth, but the photo suggests I was… pic.twitter.com/j5yNYmdxIt
— Rob Brydon (@RobBrydon) 2017年7月15日
また今回の“Letters Live”では、あの大女優の手紙も朗読された。それは2016年に亡くなったキャリー・フィッシャーが人生を長く共にした『スター・ウォーズ』レイア姫にあてた手紙である。朗読者はドラマ『SHERLOCK/シャーロック』のメアリー・モンスタン役で有名な女優アマンダ・アビントン。
「私たちはお互い、簡単に間違えられる程度に似ているかもしれないけれど、私の中身はあなたの外見に似ているかしら?あなたが銀河で戦っている間、私はあなたの負った傷やそのおかしな髪型と一緒に、もがき続けてるんだから。私は人生の3分の2を、白い革靴を履いて銀河を歩くことに費やしたわ。あなたはいつもヒロインで栄光を取るけれど、私は年をとっていく…あなたは私を精神的に、ちょっぴりうんざりさせるのよね。あなたが燃え上がれば私は薄れる。仕方がないこと。でも私たちの星オルデラン、ジャバの宮殿、宇宙の街、あなたがどこへ行こうと私は大いに楽しんで演じるわ。髪型はスキップさせてもらうけど!」
髪型への文句などユーモアを交えながら、レイア姫への思いをビタースイートに綴った故キャリー・フィッシャーの手紙。往年の大スターたちが自らしたためた、秘めた思いを知ることができるのも“Letters LIve”の魅力である。