リンキン・パーク、故チェスターのホログラム復活ライブに「ノー」 ─ 「気味が悪いです」

ホログラムによるAR投影技術を活用し、亡くなったミュージシャンをステージに蘇らせるライブパフォーマンスが近年話題だ。2023年1月にはホイットニー・ヒューストンのホログラムコンサートも日本公演を果たしたほか、世界ではこれまでマイケル・ジャクソン、フランク・ザッパ、ロニー・ジェイムス・ディオや2パックもホログラムで復活。今後もエイミー・ワインハウスなどのホログラムツアーが予定されている。日本では「AI美空ひばり」の話題を覚えている方も多いだろう。
こうしたテクノロジーに、ロックバンドのリンキン・パーク(LINKIN PARK)は異を唱えている。同バンドは2017年に唯一無二のボーカル、チェスター・ベニントンを失ったが、チェスターをホログラム復活させたい意思は一切ないようだ。バンドを率いるメンバーのマイク・シノダは、米94.5 The Buzzのインタビューで次のように話している。
「気味が悪いですよ。例えリンキン・パークの、チェスターの話じゃなかったとしても、これは非常にセンシティブな話題。それをどう表現するかは、各々の思い入れがあるはずです。僕としては、はっきり言ってノーです。興味がありません。」
リンキン・パークといえばキャリア初期からテクノロジーやネット文化を活用した先進的な取り組みに意欲的だ。直近では、2003年のセカンドアルバム『メテオラ』時代に収録していたチェスターの未発表ボーカルを用いた“新曲”「Lost」をリリースしたが、同MVではAI系スタートアップ企業と共に過去の映像にAI処理を施した独特のアニメーションを生み出した。またマイク・シノダは、NFT形式の楽曲もリリースしてもいる。
シノダは、まだメンバーが存命であるABBAがホログラムを活用し、若き日のメンバーをアバターとしてステージに登場させる企画についても触れ、「わかるけど、でもあまり賛同できない。ファンとして、チケットを買いたいとは思えません」とコメント。インターネット黎明期からネットカルチャーを活用したプロモーションを仕掛けてきたシノダは、次のようにもコメントしている。
「今のインターネットの問題点は、誰もが何もかもを全員共通のものだと考えていること。“これが自分の意見だ!”というのがありすぎて、自分が嫌いなものは、同じように誰もが嫌いであるべきだと考えられていますよね。でも、世の中そうじゃない。あなたに好きなものがあって、私は好きじゃなかったとしても、あなたはそれを観に行ったり、買ったりすればいいんですよ。だからホログラム・ショーも楽しんで。」
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Source:94.5 The Buzz