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『LOGAN/ローガン』監督のビジョンがR指定を実現!プロデューサーは「他の監督にはできない映画」と豪語

2017年6月1日、アメリカでの公開から約3ヶ月を経て、映画LOGAN/ローガンがいよいよ日本にやってくる。本作は2016年『デッドプール』につづき、20世紀フォックス社が放つ“R指定のマーベル映画”だ。マーベル・シネマティック・ユニバースでは絶対に観られない表現と作風はアメリカで高い人気と評価を獲得、『デッドプール』は日本でも大きな人気を集めた。

しかし当の20世紀フォックス社は、ヒーロー映画をR指定にするという試みを当初躊躇っていたという。『ローガン』には主演のヒュー・ジャックマンが自らのギャラをカットしてR指定を実現したという逸話も存在するほどだ。しかしプロデューサーのハッチ・パーカー氏によると、まずR指定への道を切り拓いたのは監督を務めたジェームズ・マンゴールドだったという。構想についての話し合いは、ファンの想像よりはるか以前から行われていたようだ。

監督のビジョンがR指定につながる

『ローガン』のジェームズ・マンゴールド監督は、『X-MEN』関連の作品を手がけるのは本作が2度目の人物だ。『ウルヴァリン』シリーズの前作『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013年)以外では、『17歳のカルテ』(1999年)、『“アイデンティティー”』(2003年)、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』(2005年)、『3時10分、決断のとき』(2007年)など、“映画ファン好み”といっていい作品を数多く撮ってきた経歴をもつ。

そんなマンゴールド監督をはじめとした製作チームと、20世紀フォックスとの話し合いは前作以前から始まっていたという。プロデューサーのハッチ氏は、『ローガン』を製作するまでの難航ぶりをこう振り返っている。

「『ウルヴァリン:SAMURAI』のずっと以前から、よりきちんとしたストーリーテリングを行うことについて、私たちはさまざまな話し合いを続けていました。率直に言って、私は(ストーリーテリングが)十分だとは思っていなかったのです。ジェームズ(・マンゴールド監督)は、大胆な試みに対するスタジオの信頼を作り出し、あらゆる面で“きっかけ”となってくれました」

『ローガン』についての話し合いが行われたのは『デッドプール』が大ヒットを記録する以前のこと。そこでフォックス社を納得させたのは監督のビジョンに他ならなかったようだ。

「作品に必要なトーンについて、監督には確信がありました。また驚くべき才能と、私たちが求めるところへストーリーを導くスキルがありました。正直、この映画が達成したものに他の映画監督が迫ることすらも私にはイメージできません。こうして、ストーリーテリングと映画づくりに大きな変化が生まれたんです」

もちろん、その後『デッドプール』がヒットしたことはフォックス社を大きく安堵させたことだろう。もし同作のヒットがなければ、ともすれば本作はPG指定で公開を目指して大幅な編集が加えられていたかもしれない。

『LOGAN/ローガン』はアメリカでの公開後、多くの批評家と観客から大きな支持を集めた。なかには近年のコミック映画で初めてアカデミー賞を獲るかもしれないという声もあるほどだ。また「R指定だとヒットの機会に恵まれない」という定説も覆し、全世界で6億ドルを超えるヒットにも結びついている。シリーズ第1作だった『デッドプール』とは異なり、17年間にわたりウルヴァリンを演じつづけてきたヒュー・ジャックマンの“シリーズ完結編”であるというハンデを鑑みてもこの成績には驚かされる。

乾いた空気、バイオレンス描写、そして全編に漲る哀愁……。『許されざる者』や『シェーン』などの西部劇をモデルにしたという、おそらくヒーロー映画史上もっとも異端な映画がまもなく日本にやってくる。マンゴールド監督が貫徹した本作のビジョン、その圧倒的な風景をぜひ映画館で目撃しよう。

映画『LOGAN/ローガン』は2017年6月1日公開

Sources: http://www.cinemablend.com/news/1660599/why-it-took-so-long-to-get-an-r-rated-x-men-movie-off-the-ground-with-logan
http://www.boxofficemojo.com/movies/?id=wolverine2017.htm
Eyecatch Image: https://www.amazon.co.jp/dp/B06WWDTSBN/

Writer

稲垣 貴俊
稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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