『LOGAN/ローガン』ヒュー・ジャックマン、ウルヴァリンの黄色いスーツを本当に一度も着ていない

コミック『X-MEN』のウルヴァリンといえば、黄色いスーツを身にまとったビジュアルでおなじみ。しかし、映画版『X-MEN』シリーズでヒュー・ジャックマンが演じたウルヴァリンは、最終作『LOGAN/ローガン』(2017)に至るまで、ついにスーツを着ることはなかった。『LOGAN/ローガン』のジェームズ・マンゴールド監督は、企画段階でさえ、ヒューが黄色いスーツを着たことは一度もなかったと認めている。
米ComicBook.comの同時鑑賞パーティーに登場した監督は、「ウルヴァリンのマスクをヒュー・ジャックマンに被らせたことはあったんですか?」と質問を受けている。これに対し、「すみません、一度もありません。衣裳を作ったことさえありませんでした」と答えたのだ。
Sorry. He never put it on. We never even made a version of the outfit. Everything about his character as I understand it, would keep him from donning a self promoting “uniform”. I’m sure the next incarnation of the Wolverine will go there. https://t.co/FU7FrYQS6S
— Mangold (@mang0ld) May 28, 2020
ウルヴァリンがスーツを着なかった背景には、マンゴールド監督なりの解釈がある。「僕が考えるかぎり、彼は自分をアピールする“ユニフォーム”を着るようなことはしない。次に登場するウルヴァリンは着るだろうな、ということは分かっています」。“次に登場するウルヴァリン”とは、マーベル・スタジオがX-MENの映像化権を手にした今、いずれマーベル・シネマティック・ユニバースに登場するであろう、新たな俳優が演じるウルヴァリンを指しているとみられる。スーツを着ないウルヴァリンは、あくまでもヒュー・ジャックマン版の解釈ということだ。
もともとマンゴールド監督は、『LOGAN/ローガン』が公開された2017年当時から、ヒューにスーツを着せない理由を明らかにしていた。待ち望むファンが多いことは承知しながらも、「すべてのヒーローのうち、最もナルシスティックでないのがローガンなのだ」という考えがあったという。
「なにかいいことをする時、特別なスーツを着るのはなぜなのか。自分のトレードマークを主張し、自分の行いを認めてもらうこと以外にはないと思います。マークの入ったカナリーイエローのスーツを着たい、意気揚々といいことをしたい、“すげえ、ウルヴァリンだ!”なんて言われたい……そんな欲望ほどウルヴァリンらしくないものはありません。僕が思うウルヴァリンは、ずっと自分自身と戦ってきた人物なんです。」
ちなみに、監督には「どうにかしてヒューにスーツを着せたところで、喜んでもらえないのではないか」という思いもあったそう。「本来はコミックの世界にあるものですから、ほかの場所でも活きるのかどうかはわからない」とは本人の談である。
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Source: James Mangold, ScreenRant