【ネタバレ】「ロキ」最終話、ロキがシルヴィにかけたアノ言葉はトム・ヒドルストンの考案だった

この記事には、「ロキ」最終話『とわに時を いつでも』のネタバレが含まれています。
最終話『とわに時を いつでも』にて、ロキとシルヴィ(ソフィア・ディ・マルティノー)はTVAの陰に潜む黒幕を探すべく、時の終わり「シタデル」に向かった。いざ「シタデル」の城に足を踏み入れたふたりだが、そこに現れた「在り続ける者」は、マルチバース間の戦争を避けようと願う平和的な思想を持った男(ジョナサン・メジャース)だった。
自分の人生をめちゃくちゃにされたシルヴィは「在り続ける者」を殺そうとし、一方のロキは仲を深めてきたシルヴィの幸せと世界平和との間で葛藤。ロキはシルヴィに思いとどまるよう説得するも、それでもシルヴィは「在り続ける者」に襲いかかってしまう。彼女が剣を振りかざしたその時、間一髪でロキが出現。シルヴィをなだめ、言葉をかけるのだった。「君に幸せでいてほしい」と。
ロキが涙を流しながら感情のこもった言葉をかけるなど、これまででは考えられなかったが、ロキは愛する者を救うべく、本心を打ち明けたのだ。この「君に幸せでいてほしい」というセリフこそ、ロキを演じたヒドルストン自らが生み出した言葉だった。米Entertainment Weeklyにて、監督を務めたケイト・ヘロンは最終話の制作当時を以下のように振り返っている。
「私とエリック(・マーティン、最終話の脚本家)、トムとソフィアは、ロキが彼女(シルヴィ)にかける言葉について撮影の前日まで取り組んでいました。しっかりふさわしいものにしたかったんです。確かあの言葉は、トムのアイデアだったと思います。“君に幸せでいてほしい”というセリフです。この言葉はとても重要でした。そこに痛みもあったはずだから。彼は自分なりの方法で成長し、痛みや怒りを乗り越えてきたからこそ、彼女に同じことをしてほしくなかったんです。大切な誰かであれば、同じことはしてほしくないでしょう。」
このあと、思いが通じ合ったのか、ロキとシルヴィは唇を重ねた。しかし、シルヴィは「あなたとは違う」とだけ言い残し、ロキをTVA本部に送り戻してしまった。ロキは本心を分かってもらうことが出来なかったと思ったかもしれないが、ヘロン監督が「キスは騙すためではなかったからとても美しかったんです」と語っているように、シルヴィは「君に幸せでいてほしい」というロキの言葉を自分なりに受け止めていたのだ。
ちなみに、字幕では「君に幸せでいてほしい」と記されていたセリフの原語は「I just want you to be okay」。「幸せ」という意味を持つ“happy”ではなく、あえて“okay”が用いられたことで、本心を明かすことがなかったロキの控えめな優しさが滲み出されている。これも全て、2011年の『マイティ・ソー』から10年に渡ってロキの紆余曲折を見てきたヒドルストンだから考えることの出来た表現なのだろう。
シルヴィは「在り続ける者」を殺し、ロキは送り飛ばされたTVA内の異変に気づくところで物語の幕は閉じた。またしても離れ離れになってしまった2人が再会することはあるだろうか。この続きは、最終話で発表されたシーズン2で明かされるはずだ。
Source: Entertainment Weekly