トム・ヒドルストン、ロキは「本物の悪だと思わない」 ― マーベル映画のヴィラン、その外面と内面を語る

映画『マイティ・ソー』シリーズや『アベンジャーズ』(2012)、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で、ソーの弟にして“悪戯の神”ロキを演じたトム・ヒドルストンが、その役づくりや演技の日々を振り返った。

2018年6月22~24日(米国時間)に開催されたAce Comic Con Seattleに登場したトムは、「ロキを本物の悪だとは思いません」と述べて、『マイティ・ソー』(2011)から取り組んできた、ヴィランという役割と、その繊細な内面の両立について語っている。

『マイティ・ソー』ロキ役の演じかた

トークの中でトムは、長らく断続的に演じてきたロキ役について「大好きですよ。贈り物のように思ってます、本当に魅力的な敵対者(antagonist)ですから」と話した。物語上は悪役でありながら、その内面を巧みに表現して観客の心をつかんできたトムは、その“悪役ならではの挑戦”に言及している。

「悪役や敵対者を演じた俳優なら、誰でも“彼らは魅力的なキャラクターだ”って言うと思うんです。だって(悪役を演じる上での)挑戦は、その外側と内側を表現することなんですから。
外側について言えば、彼らはヴィランなので、誰もが感じること、しかし隠したり抑えたりしようとすることに突き動かされているわけです。嫉妬や苦痛、孤立感や寂しさとかね。そういうものが彼らを自己中心的にしたり、ナルシスティックにしたりする。そういう面はロキにもあります。(俳優にとっての)挑戦は、たとえ外側でアベンジャーズと対決したり、あるいは何かを企もうとしていたりしても、その裏側に弱さがあることを見せられないか、ということ。外側と内側を結びつけることです。」

またトムは、ロキというキャラクターの側面をきちんと自分の中に捉えておくことにも気を配ったという。それは、ロキが悪戯の神であり、その悪戯を自ら楽しんでいることだった。

「彼が悪戯の神であることを毎日思い出さなくてはいけませんでした。僕自身がプロフェッショナルとして、最高の時間を過ごす責任があることも。すると彼の中に、また僕自身の中にも、すごく子供っぽいところがあることに気づいたんです。それは、できるかぎり楽しもうとすること。ロキはそういう人物ですから。」

 

内面に秘められた弱さと、あらゆるものを楽しもうとする無邪気さ。そうした人物像に触れながら、トムは「ロキを本物の悪だとは思いません」と述べたのだった。

「ロキは本当に大切な、魅力的なキャラクター。トリックスターです。彼は、神々がある時期に必要とした存在なんだと思います。[中略]彼は秩序ではなく混沌を象徴していて、時には誰もがわずかな混沌を求めるでしょう。アスガルドに彼がいなければ、まるで違ったものになっていたでしょうね。」

これまでトムは、ロキというキャラクターの内面をしばしば説明してきた。たとえば『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』のプロモーションでは、「ロキは自分の心がわかっていないんです」と述べ、その心中に寄り添う意思を明かしていたのである。初登場から7年を経て細やかに語られる演技論からは、トムがそのキャラクターをいかに肉付けしてきたのか、その知性的な解釈とまごうことなき情熱がうかがえるだろう。

映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』は2018年4月27日に日本公開された。

Sources: Ace Comic Con, ComicBook.com

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THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくお伝えしたいと思っています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp へ。

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