Menu
(0)

Search

『マダム・ウェブ』予告編を徹底考察 ─ スパイダーマンの運命が変わる? エゼキエルの正体がヤバすぎる説

マダム・ウェブ
© & ™ 2024 MARVEL

この記事で論じられる内容は、全て仮説です。映画『マダム・ウェブ』の内容を保証するものではありません。これらの仮説は正しいかもしれませんし、間違っているかもしれません。あくまでも考察としてお楽しみください。

予告編でエゼキエルと戦っているように見えるのはフェイクなのかも?

そうは言っても、明らかにエゼキエルはキャシーと少女たちを襲っているではないか。いったい、彼がどうしてヒーローになり得るのか?物語の後半で、改心するとでもいうのか?

「マンダロリアン シーズン3」「アソーカ」解説

いいや、もしかすると、予告編映像は全て視覚トリックなのかもしれない。冷静にシーンを分析してみよう。冒頭のダイナー襲撃シーンはまだキャシーのビジョン内でしか起こっていないはずなので、現実に発生する確証はない。同じように、地下鉄の乗客を襲うシーンもビジョンでの出来事。続いてホームで駅員を襲うのも、キャシーのビジョンである可能性がある。例えば、キャシーの予知能力はまだ完全なものではないので、間違った未来を見ることもある、と仮定しておこう。

敵か味方か? 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti

終盤の夜の街のシーンでは、エゼキエルが出現したことによって混乱が生じているように見えるが、カット間の明確なつながりは不明。火花が爆発する倉庫をエゼキエルが大ジャンプする場面では、直後にキャシーたちが「逃げて!」と走るカットが挿入されているが、だからといって彼女たちが本当にエゼキエルから逃れようとしているとは限らない。実はそこに何か別の脅威が存在し、エゼキエルはそれと戦っている可能性だってある。

また、エゼキエルが走行中の車両に次々飛び移り、キャシーが予知能力を覚醒させて反撃のタイミングを見計らうシーンにも注目だ。この予告編映像では、エゼキエルがキャシーたちの車両に飛び乗るタイミングを見極めて、車内から天井に心肺蘇生器で攻撃を加えたように見える。直後には空に向かって火花が伸びるカットが続くが、これは全く別の場面。キャシーたちが何を相手に戦ったり逃げたりしているのかは、実はよくわからないのだ。

車内から上方に攻撃を加えるが…… 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti
続くカットは全く別の場面 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti

さらに、2:45ではアラナが何かを投擲して、直後にエゼキエルが受け流す様子が見られるのだが、細かく観察すると、アラナが投げているのはシャンパンのボトルのようなもの。一方のエゼキエルが受けているのは火球のようなものであり、おそらくこの二つのシーンは繋がっていない。

投げられたのはシャンパンボトルだが…… 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti
エゼキエルが受けているのは全く別のモノ 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti

やはり、彼女たちがエゼキエルと戦っているように見えるのは、予告編の編集トリックによるものではないか?そもそも、彼がスパイダーマンに良く似たコスチュームを着ていることに、“大人の事情”を絡めて再考してほしい。製作のソニー・ピクチャーズにとって、スパイダーマンは自社を代表する大事な看板役者である。そんなスパイディを、悪人として描くことがあるだろうか?ディズニーがミッキーマウスを、任天堂がマリオを悪者にすることは絶対にないのと同じである。それに、これまでのスパイダーマン作品を思い返せば、ソニー・ピクチャーズがこのキャラクターに込めた愛情は紛れもなく本物だろう。どうも筆者には、彼らが「スパイダーマンの姿をしたヴィラン」を描きたいと考えたとは、到底思えない。

それから、このポスターデザインを見てほしい。何かがおかしいと思わないだろうか?

マダム・ウェブ
© & ™ 2024 MARVEL

こういうポスターではたいていの場合、悪役はヒーローたちから離れ、空間を支配するように背景に位置していたり、あるいはヒーローと対立するように配置されるものではないか?それではどうして、このポスターでエゼキエルは、他のヒーローたちと並んで配置されているのか?彼はキャシーたちに対して異質な存在ではなく、むしろスパイダー・ソサエティの<運命>で繋がれた同志であることを暗示しているのではないだろうか?

マダム・ウェブが今後の作品でオビ=ワン・ケノービのようになる説

ところでマダム・ウェブは原作コミックでは盲目の老婆として知られており、ハッキリ言って、ヴェノムなどと違って単独映画化されるような人気キャラクターというわけでもない。

ヒーロー映画疲れが叫ばれるこのタイミングで、どうしてソニー・ピクチャーズはわざわざこの知名度の低いキャラクターを単独映画化するリスクに挑む必要があったのか?それは、今後の作品でピーター・パーカーたちを見守る重要な「ガイド役」を用意したかったからではないか。

今後の作品にも登場する?キャシー・ウェブ 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti

キャシー役のダコタ・ジョンソンは1989年生まれの現在34歳。キャシーの年齢設定は不明だが、今後の映画で2000年代から2020年代に20年分タイムジャンプするとすれば、だいたい50代か60歳前後とすることができる。老婆というにはまだまだ若いが、原作設定をいくらか踏襲することができるだろう。

もしも『マダム・ウェブ』でピーター・パーカー誕生を描き、キャシーが「この子はこれから私が見守ります」的なことを言うとしたら?『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』でルーク・スカイウォーカー出産に立ち会い、『エピソード4/新たなる希望』に至るまで密かに成長を見守ったオビ=ワン・ケノービ的な立ち位置になるのではないか?ある日、成長したピーターの元に歳を重ねたキャシーが現れ、「ピーター、あなたの<運命>の真実を教えましょう」的なセリフを言って、彼をスパイダーバースに誘うなんて展開はありそうではないか?

ソニー・ピクチャーズはこれまで、トニー・スタークやドクター・ストレンジといった指南役を、MCU版ピーターに組み合わせてきた。しかし彼らはマーベル・スタジオが権利を有するキャラクターなので、自社の範疇で自由に扱える人物が欲しかった。それも、ピーター・B・パーカーやミゲル・オハラたちとは全く属性が異なる人物を、である。そこで彼らは、まず「若きマダム・ウェブ」を単独映画で紹介し、観客からの信頼を与えてから、後の大型作品に誘う役割を与えようとしているのではないか。

エゼキエルが今後のドラマやスパイダー・ソサエティ実写化にも繋がる説

さらに深く考察すると、ソニー・ピクチャーズが『マダム・ウェブ』で紹介したかった「もう1人の重要人物」が見えてくる。それは、やはりエゼキエルである。

原作コミックでエゼキエルは、シンディ・ムーンという学生の存在を捕食者モールンに知らせまいと、彼女の両親を説得し、10年間近く地下室に閉じ込めて護っていた。そのシンディ・ムーンというのが、後のシルクである!ピーター・パーカーと同じクモに噛まれ、スパイダーマンと同等の能力を備えることになった女性スーパーヒーローだ。

実はこのシルク、ソニー・ピクチャーズによるSSU初の実写ドラマシリーズの主人公になることが決定しているのだ。その名も「シルク:スパイダー・ソサエティ(原題)」。お分かりいただけただろうか……。“スパイダー・ソサエティ”!

やっぱりエゼキエルはスパイダー・ソサエティから送り込まれた使者なのであり、本作『マダム・ウェブ』で描かれる出来事がドラマ「シルク」にも繋がって、スパイダー・ソサエティの実写描写が本格的に始まるということでは?キャシーや3人の少女、そしてエゼキエルは、今後のスパイダーマン映画シリーズに密接に関わっていくのではないだろうか?

彼女たちがSSUを変える? 『マダム・ウェブ』予告編映像より https://youtu.be/O2n2Fc12CG8?si=wmAYOWUq9sYtmeti

2月23日の日本公開に向けて、みんなで考察しよう

以上、あれこれと考察してみたが、これは本当に筆者個人の“いち考察”である。誓って言うが、筆者は本作をまだ試写などでも見ていないし、今公開されている予告編以上の映像を見ていない。

よって、本記事で述べてきたことは、マーベル作品やスパイダーマンのファンが特に多いTHE RIVERの読者のみんなで、『マダム・ウェブ』についてあれこれ考えながら公開に向けて盛り上がろう、というだけの目的の記事だ。もう一度言うが、筆者はこの映画について公開されている予告編以上の情報を与えられていない。

だから、本記事の考察は核心的な部分で映画の内容を言い当てているかもしれないし、あるいはとんだ大ハズレかもしれない。蓋を開けてみたら、本編で扱われる以上のことを過剰に述べてしまっていたかもしれないし、逆にもっととんでもないサプライズがあるかもしれない。

読者の皆さんも、ぜひ想像力を働かせながら、マーベル初の本格ミステリー・サスペンスとされる『マダム・ウェブ』の内容を推理して欲しい。公開までの間、皆でいろいろと楽しい議論をしたいのだ。映画って、そういう時間もすごく楽しいのだから。

最後に、『マダム・ウェブ』予告編について本記事で論じていない<謎>を列挙する。ここまで読んでいただいた皆さんは、以下の点についてどう考えるだろうか?

  • エゼキエルとキャシーの母コンスタンスが研究仲間だったという過去は、どのように物語に関与してくるのか?
  • キャシーの母コンスタンスの手記に「Related Native Toxic Venomous?(自然性の毒に関連?)」と書かれていたのには、何か意味があるのか?モービウスやクレイヴン・ザ・ハンターの能力も、自然界からの力に由来しているようだが?
  • ジュリア、マティ、アーニャの少女三人は、どのように能力を獲得するのか?
  • エゼキエルがタイムトラベルをしているとしたら、それはどうやって?
  • ダイナーのシーン(夜)と森のシーン(昼)で全員の衣装が同じなのはなぜか?すべて同じ日に起こる出来事なのか?
  • 3人の少女は冒頭のダイナーでは仲睦まじげだが、地下鉄のシーンでは別々の席に位置しているのは何故か?
  • 地下鉄のシーンで、お馴染みのデイリー・ビューグル新聞が登場しないのはなぜか?
  • 2:32でエゼキエルがグリーンゴブリンのカボチャ爆弾のようなものを持っているが、一体何か?

2024年2月23日の日本公開を迎えたら、一緒に劇場で答え合わせをしよう。もしも本記事の内容の一部が当たっていたら、また話題にしてくれれば嬉しいし、全部大ハズレだったら、大いに笑ってほしい。

この糸《ウェブ》が、全てを繋ぐ。マーベル初の本格ミステリー・サスペンス『マダム・ウェブ』は、2024年2月23日(祝・金)全国の映画館で公開。

Writer

アバター画像
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly