ライムスター宇多丸、モノクロ版『マッドマックス』は「どの基準でも最高の映画」!高橋ヨシキと語る『 <ブラック&クローム>エディション』の魅力とは?イベントレポ

全世界を熱狂の渦に包み込み、圧倒的な世界観で人々を惹きつけた『マッドマックス 怒りのデス・ロード』が、モノクロバージョンとなって日本にやってきた!
THE RIVERは、2017年2月8日に発売される『マッドマックス 怒りのデス・ロード <ブラック&クローム>エディション』発売記念イベント、『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル Presents マッドマックス 怒りのデス・ロード<ブラック&クローム>エディション発売記念 試写会 〜お前なんか真っ先に死ぬ〜』に潜入した。
『マッドマックス』の大ファンだというラッパーであり映画評論家でもあるライムスター宇多丸、映画ライター/デザイナーとしてご活躍中の高橋ヨシキ。そんなお二方が語る『マッドマックス 怒りのデス・ロード<ブラック&クローム>エディション』の魅力とは?
<ブラック&クローム>の凄さ
高橋氏 「ジョージ・ミラー監督はサイレント映画がすごい大好きなんです。モノクロになってみて、”グラフィックノベル感”が強まりました。それに、(モノクロ化により)この物語の本質的なところがより見えていた。”神話っぽさ”も高まりましたね。」
宇多丸氏 「モノクロもカラーも本当にどっちも良い!モノクロの方が構造が分かりやすくなっていたかも。コントラストもくっきりしてて、不吉さとか狂気も浮き彫りになっていた気がします。」
高橋氏 「モノクロ映画って物語の”汚らしい”ところがより汚くみえますよね(笑)。機械の油とか、汚れとか。本当に”めちゃくちゃ汚いんじゃないか”って思えましたよね。」
宇多丸氏 「カラーの時よりえげつなく思えますよね(笑)。 モノクロになってみて”アンダーグラウンド感”が増してかっこよかった!ウォー・ボーイズの白塗りも際立って見えて。」
高橋氏 「モノクロ映画は、背景と人との区別がつきにくい…というところがあるんですよ。でもこの『マッドマックス』は違かった。」
宇多丸氏 「前半って煙や砂埃とかのシーンが多いじゃないですか。あの微妙に違う色とか、あとはナイトシーンなんかもモノクロ映画ならではの良さがありましたね。いや〜映画ってすごい!本当にありがとう!という気持ちになりますね!(笑) 」
『マッドマックス』の世界といえば、砂漠の赤、オレンジ、錆びた茶色。そして対照的な青い空、透明な水。しかしそんな色の数々が、見事に白と黒のグラデーションで表現されていた。色の無い世界だが、明暗がくっきりとしていて奥行きがあり、冒頭のシーンなどは思わず色がついているんじゃないかと思えるほど。
お二方の好きなシーン、キャラクターは?
高橋氏 「僕、朝方にジョー達が休んでるところが好きなんですよ(笑)。 砂漠って本当に暑いからああやって動きたくないんだろうなって(笑)。」
宇多丸氏 「ヤマアラシ族も休んでるシーンがありますもんね(笑) 。ジョーなんかヨタヨタ走るところとか、本当にただの親父っぽいもんなあ…自分の子供も死んじゃって、そりゃショックでぼーっとしたくなりますよね(笑)。 それから、いつも気になるのはあの楽器車! ドラムの人が1番大変そう(笑)。」
高橋氏 「ギターの子ばっかり目立っちゃって、ドラムの子はあんなに頑張ってるのに後ろで活躍が見えないですからね(笑)。でもあのギターの子もかわいそうな背景がね、お母さんの死体と洞窟にいるところをジョーに拾われたりとか…あと、モノクロになってみて改めて思う、シャーリーズ・セロンの美しさ!」
- <
- 1
- 2