『マッドマックス 怒りのデスロード』主演候補だったアーミー・ハマー、トム・ハーディ迫真の演技を見て辞退していた

ジョージ・ミラー監督による傑作アクション映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2016)では、主演を務めたトム・ハーディの他にもマックス・ロカタンスキー役の有力候補とされていた俳優がいた。なかでも、ハーディと共にオーディションの最終審査に残ったのがアーミー・ハマーだった。
このたび米Vultureは、2022年2月22日にアメリカで出版が予定されている『マッドマックス 怒りのデス・ロード』の20年間に及ぶ製作の舞台裏を綴った書籍『Blood, Sweat, and Chrome: The Wild and True Story of Mad Max: Fury Road』の内容を先行公開。著書のカイル・ブキャナンが記したところによれば、ハーディの迫真の演技を見たハマーはジョージ・ミラー監督に直接、ハーディの起用を勧めたという。
「(オーディションの)最終段階に来ると、ハーディはジェレミー・レナー、そしてアーミー・ハマーと並んで(主演候補の)フロントランナーとなった。ハーディとハマーに至ってはオーディションの一貫として一緒に読み合わせを行った。ハーディが歯ぎしりし、相手役に対してツバを吐きかけると、(相手役の)ハマーはミラーに対して、自分よりもハーディがマックスになるべきだと伝えた。」
このエピソードは本国アメリカですでに話題となっており、米Varietyは「トム・ハーディ、『マッドマックス』のオーディションでアーミー・ハマーにツバを吐き、役を勝ち取っていた」という見出しで記事を掲載している。タイトルだけ見るとハーディが無礼なようにも捉えられるが、ハーディは粗野で無骨なマックスになりきっていたのだろうから、むしろ仕事を全うしたと言える。
ところで、本書ではオーディション中のハーディの紳士的な行動についての証言も紹介されている。ハーディが『マイティ・ソー』シリーズなどで知られるカット・デニングスと読み合わせを行っていた時のことだ。「感心したと思ったのが…」と切り出したジョージ・ミラー監督によると、不安に感じていたデニングスに対して、ハーディが「リラックスさせるのを手伝い、指導してあげていた」という。ひとたびマックスから離れたハーディは、やはり英国紳士だった。
ちなみにアーミー・ハマーといえば、ジョージ・ミラー監督が2000年代に企画していたDCヒーローのアッセンブル映画『ジャスティス・リーグ・モータル(原題) /Justice League Mortal』でバットマン役に起用されていた。結局、企画は幻に終わってしまったが……。
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Source: Vulture