ダニエル・クレイグすら「プレッシャーで震えていた」 ─ マッツ・ミケルセン「現場では誰もが人間なんだ」
『スター・ウォーズ』『インディ・ジョーンズ』『ファンタスティック・ビースト』シリーズから、『アナザーラウンド』(2020)など故郷デンマークの小規模作品まで。公開規模やジャンルの壁を超えて活躍を続ける国際派俳優マッツ・ミケルセンは、キャリアのターニングポイントとなった『007/カジノ・ロワイヤル』(2006)で大きな学びを得たという。
米Deadlineでは、『007/カジノ・ロワイヤル』の出演を振り返り、同作で6代目ジェームズ・ボンドとなったダニエル・クレイグのエピソードを語っている。初の大作フランチャイズ出演となったマッツ、ボンド役に就任したダニエルは、ともに大きな重圧を感じながら撮影に臨んでいたようだ。「私たちみんなにプレッシャーがあったけど、ダニエルはそれ以上でした。私の1000倍はプレッシャーを感じていたと思います」。
『007/カジノ・ロワイヤル』でのお披露目以前、クレイグには「髪色がブロンドである」「鼻や身長がこれまでのボンドと違う」などの理由で否定的な意見も寄せられていた。マッツが言う「1000倍以上のプレッシャー」もあながち冗談ではないだろう。しかし、その並々ならぬ緊張がマッツに悟りをもたらしたようだ。
「撮影現場では誰もが人間なんだって、すごく早い段階で気付いたんです。新たなボンドになろうとしているダニエル・クレイグは震えていました。それは仕方のないことです。彼もひとりの俳優だから、私と同じ背景がある。彼はベストを尽くし、集中して、経験を密なものにしていました。大きな映画だけど、私たちはやり遂げる必要があったのです。」
結果、ダニエルは『007/カジノ・ロワイヤル』の成功を受け、『007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021)までの計5作品でボンドを演じ抜き、新たなジェームズ・ボンド像を築きあげた。また、マッツも本作をきっかけに世界的俳優として大きく飛躍している。
ところでマッツは、『カジノ・ロワイヤル』の脚本を飛行機に置いてきてしまったというエピソードも明かしている。もしかすると、その件がプレッシャーをより強くした可能性もなくはないのかも……?
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Source: Deadline
Text: Yuka Shingai, 稲垣貴俊