『アナザーラウンド』主演マッツ・ミケルセン、ハリウッド・リメイク版には関与せず

第93回(2021年)アカデミー賞の国際長編映画賞に輝いた『アナザーラウンド』のハリウッド・リメイク版に、オリジナルの主演を務めたマッツ・ミケルセンが関与しないことがわかった。米IndieWireにて本人が認めている。
『アナザーラウンド』は、アカデミー賞のほか、カンヌ国際映画祭など世界を席巻した話題作。マッツ演じる冴えない高校教師と同僚3人は、「アルコール濃度を一定の度合いに保つと、仕事の効率が良くなり想像力がみなぎる」という理論を証明すべく、酒を飲み続けるという実験に取り組むことに。仕事中でも酒を飲み、常に酔っ払っていれば、授業も楽しく生き生きとしたものになり、生徒との関係性も良好になるというものだ。しかし実験が進むにつれ、やがて制御不能になっていき……。
2021年4月、ハリウッドでのリメイクの製作が報じられた際には、プロデューサーをレオナルド・ディカプリオらが務める以外の情報はほぼ明かされていなかった。ディカプリオが主演も兼任する可能性もあるが、現在、海外の映画ファンの間ではマッツの再起用を望む声も聞かれている。ただし今回、マッツはリメイク版への関与をはっきりと否定した。
「(リメイク版に)関わらないことは良いことだと思います。舞台の場合、ある作品を一年間演じて、数年後にまた演じることもありますが、映画のちょっとしたシーンは、その時、その場所で作るもの。共演者がセットに持ってきてくれるものなんです。だから、もしも僕がやったら、たぶんあれこれと変えたくなってしまうでしょう。それは絶対にありえない。同じ役柄を演じ直すのは難しいですから、別の方に託したほうが、より良いものになると思います。」
ちなみにリメイク版の報道時、オリジナル版の監督であるトマス・ヴィンターベアは、自身が監督・脚本に参加する可能性を否定。あらゆる選択をリメイク版のチームに委ねる意向を示し、マッツの続投については「わからない」と述べつつ、否定的な見方を示していた。「違う解釈になるのだろうという印象ですから、同じ俳優がやるのはちょっとした混乱を生みかねません」。なお、現時点でリメイク版の監督・脚本家は不明だ。
映画『アナザーラウンド』は、2021年9月3日(金)新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、渋谷シネクイントほか全国公開。