マッツ・ミケルセン、ハリウッドで悪役以外も演じたい ─ 大作ラッシュに「今の仕事もすごく幸せ」

俳優マッツ・ミケルセンは、ハリウッドではすっかり“悪役俳優”として認知された感がある。『ドクター・ストレンジ』(2016)のカエシリウス役、『007 カジノ・ロワイヤル』(2006)のル・シッフル役は、なかでも観客に鮮烈な印象を残した。ともあれ現在、マッツはハリウッドで悪役以外を演じることへの希望を語っている。
米IndieWireのインタビューにて、マッツは「アメリカで悪役じゃない役柄もいくつかやっていますが、悪人の側であることは多いですね」と話した。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』(2016)のゲイレン・アーソにせよ、「ハンニバル」(2013-2015)のレクター博士にせよ、こちらの分類としても誤りではないだろう。それゆえ、遭難したパイロットを演じた『残された者 -北の極地-』(2018)は強く印象に残っているようだ。
「『残された者 -北の極地-』というアメリカ映画(編注:製作はアイスランド)をやった時には、悪役じゃなかったので、それがうれしかったんですよ。もう少し時が経って、(故郷の)デンマーク映画をもう少し観てもらえれば、おもしろいアクセントでしゃべる普通の男の役も受け入れてもらえるかもしれませんね。」
マッツ自身がこう述べているように、フィルモグラフィを俯瞰すると、悪役を演じた作品は全体の一部であることがわかる。たとえば『アダムズ・アップル』(2005)や『アフター・ウェディング』(2006)『偽りなき者』(2012)『バトル・オブ・ライジング』(2013)など、人間ドラマや史劇、アクションなど多彩なジャンルの作品で、それぞれ深みのある役柄を演じてきたキャリアの持ち主なのだ。
こうした性質ゆえだろう、マッツはハリウッドでの悪役について、単なる“悪役”のではなく「誤解された人々を演じている」のだと語った。今後も『ファンタスティック・ビースト』シリーズのグリンデルバルド役、トム・ホランド&デイジー・リドリー主演『カオス・ウォーキング(原題)』などで悪役に起用されているマッツは、「今の仕事もすごく幸せ」と強調する。「ボンド映画、マーベル、インディ・ジョーンズなど、素晴らしいシリーズに招いていただきました。贅沢なことです。(悪役が)来ればいつでも引き受けますし、もしも違った役柄をやらせてもらえるなら、そっちも挑戦しますよ!」。
ちなみにマッツが『インディ・ジョーンズ』で演じる役どころは明かされていないが、この発言から想像するに、同作でも悪役を演じるということだろうか。いくつもの出演映画が控えているだけに、今後も作品ごとに違ったアプローチの“悪”が見られることに期待しよう。
Source: IndieWire