スター・ウォーズ「ザ・マンダロリアン」はファースト・オーダーの語られざる過去描く ─ 「デス・スターを吹き飛ばしても、世界は善人ばかりにならない」

『スター・ウォーズ』初の実写ドラマ「ザ・マンダロリアン(原題:The Mandalorian)」は、『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)から5年後を舞台に、名もなき賞金稼ぎのマンダロリアンが活躍する物語。そんな本作では、『フォースの覚醒』(2015)ほか新3部作に登場する軍事組織ファースト・オーダーの起源が新たに明かされることになりそうだ。
製作総指揮・第1話監督のデイヴ・フィローニは、「ザ・マンダロリアン」の背景となる世界観について、「デス・スターを2つ吹き飛ばしたからといって、世界が善人ばかりになるわけではありませんよね」と米Entertainment Weeklyにて語った。
「反乱軍は勝利し、共和国を作ろうとしていますが、誰もが一度に落ち着くことのできる方法などありません。開拓時代のアメリカ西部にも政府はあっただろうし、保安官はいたと思いますが、時には見つけることが大変だったこともあったでしょう。」
同じく製作総指揮を務め、脚本を執筆するジョン・ファヴローも同調する。
「帝国を倒したことを祝ってから、ファースト・オーダーが現れるまでの30年間に一体どんなことがあったんでしょうか。エピソード7(『フォースの覚醒』)で、ファースト・オーダーは動き始めたばかりではなかったですよね。」

『フォースの覚醒』時点のファースト・オーダーについて、ファヴローは「すでにかなり歩みを進めていた」といい、フィローニは「ものすごくしっかりしていましたよね」と語る。逆にいえば、世界はファースト・オーダーの台頭を許すだけの状況にあったということだ。ちなみに「ザ・マンダロリアン」で描かれるのは、「中央政府が存在せず、混沌が深まっていく時代」。ファヴローはこうも述べている。
「ともかく、物事は必ずしもうまくいってはいなかったんです。結局のところ、(宇宙は)再びああいう苦境に置かれましたから。」
すなわち帝国軍からファースト・オーダーへ、一種の“バトンリレー”が行われたといえるわけだが、「ザ・マンダロリアン」でそのキーパーソンとなりそうなのが、「ブレイキング・バッド」「ベター・コール・ソウル」のガス役で知られるジャンカルロ・エスポジート演じるモフ・ギデオンだ。元帝国軍総督であるギデオンは、帝国軍の失墜によって行き場を失っているという…。

ファースト・オーダーについては、これまで小説『スター・ウォーズ アフターマス』(ヴィレッジブックス刊)や『スター・ウォーズ ブラッドライン』(角川文庫刊)において、映画では語られなかった設定や物語が紡がれてきた。新3部作にとっては前日譚となる「ザ・マンダロリアン」は、そこに新たな要素をどう取り入れ、また既存の物語をどう踏襲していくことになるのだろうか。
本作にはエピソード監督として個性豊かなフィルムメーカーが集結。第1話ではアニメ「スター・ウォーズ/クローン・ウォーズ」「スター・ウォーズ 反乱者たち」などのデイブ・フィローニが初めて実写作品を手がけるほか、ドロイドIG-11の声優も務める『マイティ・ソー バトルロイヤル』(2017)タイカ・ワイティティ、Netflix「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」などのデボラ・チョウ、『DOPE ドープ!!』(2015)リック・ファムイーワ、そして『ジュワシック・ワールド』シリーズの女優ブライス・ダラス・ハワードが参加している。
ドラマ「ザ・マンダロリアン(原題:The Mandalorian)」は、ディズニー映像配信サービス「Disney+」にて、2019年11月12日より米国配信予定。
Source: EW