デヴィッド・フィンチャー最新作『Mank/マンク』ワンシーンに想像を超えるテイク数、ゲイリー・オールドマン「もう100回目ですよ」

Netflix映画『Mank/マンク』の撮影は想像を遥かに上回る程に大変だったようだ。
本作の監督を務めたデヴィッド・フィンチャーは、作品を発表する度に観客に衝撃を与えてきた。観客を魅了し続ける背景には、一切の妥協を許さない完璧主義者としての一面があり、監督は納得するまで何度でも撮り直すことで有名なのだ。例えば、『ソーシャル・ネットワーク』(2010)では、映画冒頭の場面だけで99回も撮り直されたのだという。
その徹底ぶりは本作でも健在だった。この度、米Total Filmのインタビューに、新聞王のウィリアム・ランドルフ・ハースト役として本作に出演するチャーズ・ダンスが登場。主人公・脚本家のハーマン・J・マンキーウィッツが夕食会を台無しにするシーンについて、「何度も繰り返し撮り直しました」と当時の状況について振り返っている。何度も撮り直しが行われる中、同役を演じたゲイリー・オールドマンは、デヴィッド・フィンチャー監督に物申したのだという。「“もう100回目ですよ”」。
チャーズ・ダンスによると、この言葉に対してデヴィッド・フィンチャー監督は、「“知ってますよ。次で101回目ですね。撮り直し!”」と答えたのだという。言葉から引き下がる素振りさえ感じさせない監督、流石というべきだ。監督からそう切り返された時のゲイリー・オールドマンの表情や心情が気になるところ。
本作で女優のマリオン・デイヴィス役を演じたアマンダ・セイフライドは以前、撮影を振り返り「大勢の人が集まるシーンがあったのですが、撮影が終わるのに一週間も掛かりました」と語っていた。「何回だったか言えませんが、恐らく200回位だと思いますね」。
今回のインタビューに同じく参加していたアマンダ・セイフライドは改めて、「本当に大変でした」と撮影時を振り返った。退屈な祭事の日を永遠に繰り返すことになった男を描いた『恋はデジャ・ブ』(1993)を撮影時の気持ちとして例に出しながらも、最終的にはデヴィッド・フィンチャー監督の完璧主義者ぶりを評価している。「これが彼にとって、他の人では引き出せないような物を生み出す方法なんです。」
Netflix映画『Mank/マンク』⼀部劇場にて2020年11⽉20⽇(⾦)公開。12⽉4⽇(⾦)よりNetflixにて独占配信開始。
Source: Total Film , ScreenRant , Collider , New York Magazine