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『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』重要俳優、ムーンナイトの映像化に意欲 ― 「こんなヒーローはかつていなかった」

ロス・マーカンド
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/27960713233/

ドラマ『ウォーキング・デッド』(2010-)のアーロン役で知られる俳優ロス・マーカンドが、マーベル・コミックの人気キャラクターであるムーンナイトの映像化に強い意欲を示した。

実はロス、映画『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)で重要人物を演じており(詳細は同作のネタバレを含むこちらの記事をご覧いただきたい)、通常ならばマーベル・シネマティック・ユニバースに別の役柄で登場することは難しい。ただし『インフィニティ・ウォー』でロスは素顔を出しておらず、しかも本人の“地の声”で喋ってはいなかった。
このことに注目したのが、米国のファンメディアAiPT!である。2018年6月29日~7月1日(米国時間)に開催されたイベント「COMICONN 2018」の会場にて同誌はロス本人に直撃、今後演じてみたいマーベルのキャラクターを質問していた。

ロス・マーカンド、マーベル・コミックの大ファンだった

9歳からマーベル・コミックを読んできたというロスは、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でユニバースの一員になれたことに「大興奮した」という。そんな彼は、演じてみたいキャラクターを問われると「ムーンナイト!」と即答している。

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心の病を抱えた元傭兵のマーク・スペクター/ムーンナイトは、エジプトでの任務にて重傷を負い、月の神コンシューと契約を結び、神の化身として蘇った(少なくとも本人はそう信じている)。月の満ち欠けによるスーパーヒーローの能力を用いて、彼は白い装束に身を包み、夜の街にて戦いに臨むのだ。

このムーンナイトというキャラクターについて、ロスは思いの丈を存分に語っている。

「友達の多くは、ムーンナイトは(DCコミックスの)バットマンに対するマーベルからの答えだって言う。でも、僕はそれに同意できないんですよ。確かに共通点はあるんですが、ムーンナイトは傭兵風の殺し屋で、覚醒するまでは人々にさほど敬意を抱いていなかった。そう僕は思ってます。でもブルース(・ウェイン/バットマン)は常にいいヤツでしょう。復讐心に苦しんでいた子どもの頃ですらそうだった。ムーンナイトのように残忍な殺人者ではないんです。」

そんなムーンナイトの映像化に惹かれる理由は、過去15年にわたって描かれてきた、このキャラクターの複雑さにあるという。

「この15年間、このキャラクターは解離性同一性障害として描かれてきました。これが大きな疑問を生んでいると思うんですよ、“すべては彼の脳内で起こっていることにすぎないのか、どうなのか”って。[中略]たくさんの疑問が生じてきて、こういう掘り下げ方のされているコミックのキャラクターはかつていなかったと思うんです。出来事は本当に起きていることなのか、彼は狂っているのか、善人を殺しているんじゃないか、本当はエジプトで死んだんじゃないか。すごく面白い疑問ばかりで、そういう部分に踏み込んだコミックはなかったと思うんです。そんなクレイジーなスーパーヒーローを演じられたら最高でしょうね。だから(演じるなら)ムーンナイトですよ。」

世界中のファンから映像化が熱望されているムーンナイトについては、マーベル・スタジオのケヴィン・ファイギ社長によって、映画化の候補に入っていることが明かされている。しかし『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』を執筆したクリストファー・マルクスは、脚本家ならではの視点で、ムーンナイトの物語を映画にすることの難しさを語っていた。
確かにクリストファーの着眼点とはやや異なるものの、ロスが語ったような要素を取り入れれば取り入れるほど、ストーリーは複雑になっていくことを免れないだろう。そうなるとしたら、今や映画よりドラマのほうがストーリーテリングの方法として有利にも思われる。

なおムーンナイトについては、邦訳版コミック『ムーンナイト/光』『ムーンナイト/影』(小学館集英社プロダクション刊)が発売中。気になる方は、ぜひコミックの世界で先にその魅力を味わってみては…!

Source: AiPT!
Eyecatch Image: Photo by Gage Skidmore

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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