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絶望の青春『マーティン・エデン』圧巻の冒頭シーン、熱演と記録映像で物語の世界へ

マーティン・エデン
©2019 AVVENTUROSA – IBC MOVIE- SHELLAC SUD -BR -ARTE

無学の青年が上級階級の女性に出会ったことから作家を目指し、底辺から高みへと上り詰めようとする……。作家ジャック・ロンドンの自伝的小説を、イタリアを舞台に映画化したマーティン・エデンが2020年9月18日(金)より公開される。

このたび、ヴェネツィア国際映画祭《男優賞》に輝いたルカ・マリネッリの熱演と、本作でトロント国際映画祭審査員プラットフォーム賞などに輝いた俊英ピエトロ・マルチェッロ監督による演出が観客を物語に引き込む、圧巻の本編冒頭映像が到着した。

「世界は私より強い。私は身を挺してその力に抗うしかない。だが 私も無力ではない。怯まなければ私にも威力はある。私の言葉に世界に抗う力があれば可能性は大だ。牢獄を築く者の言葉に自由を築く者の表現力はない」。映像は、ルカ・マリネッリ演じる主人公が、煙草を片手にマイクに向かい独白するシーンから始まる。

物語の舞台はイタリア・ナポリ。労働者地区で生まれ育った、貧しい船乗りの青年マーティンは、上流階級の娘エレナと恋に落ちて教養に目覚める。時代が激動する中、無学だったマーティンは、運命の出会いに導かれるようにして文学にのめり込んでいった。彼は作家を志し、独学で夢に向かって突き進むが、やがて生活は困窮し、恋人の理解も得られない。ところが、絶望に駆られてすべてを諦めようとした矢先、彼の運命は一変する。その時、彼を待ち受けていたものは希望か、それとも絶望か……。

続いて、褪色したフィルムに収められた1920年代当時の蒸気機関車の映像や、イタリアのアナキスト、エッリーコ・マラテスタの演説姿、家族で画面に収まる人々の姿が映し出される。背後には爆発音が響き、マーティンが生きた激動の時代を思わせる。世界恐慌が人々の暮らしを追いつめ、戦争へ突き進んでいった時代に、若きクリエイターは怯むことなく信念を貫こうとする。独白から浮かびあがるのは、2020年を生きる人々への痛切なメッセージだ。

マーティン・エデン
©2019 AVVENTUROSA – IBC MOVIE- SHELLAC SUD -BR -ARTE

ピエトロ・マルチェッロ監督は、「この映画ではネオリベラリズム、ソーシャリズム、アナーキズム、インディヴィジュアリズムといったトピックを扱いながら、個人と社会、階級闘争、マスカルチャーの役割などを描いている」と語り、アーカイヴ映像を大胆に使用してマーティンが生きた時代を再現。観客を映画の世界へと誘っていく。列車が吸い込まれるトンネルの先には、いったいどんな物語が待ち受けているのか。

映画『マーティン・エデン』は2020年9月18日(金)シネスイッチ銀座、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次ロードショー

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THE RIVER編集部THE RIVER

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