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「ゲーム・オブ・スローンズ」原作者、『ドクター・ストレンジ/MoM』を大絶賛 ─ 「昔の僕が夢中になったドクターでした」

ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス
© 2022 MARVEL

“現代のトールキン”とも称される作家ジョージ・R・R・マーティンが、サム・ライミ監督が手がけたマーベル映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』を絶賛している。

マーティンといえば、「ゲーム・オブ・スローンズ」(2011-2019)の原作者として知られる。直近では2022年の大ヒットゲーム「エルデンリング」を手掛けるなど、ファンタジー界の重鎮にしてヒットメーカーだ。

そんなマーティン、実は大のアメコミファンでもある。作家を志す前、ファンレターを当時のマーベル社に送ったところ、連載コミック『ファンタスティック・フォー』に掲載されたというエピソードはファンには知られた話。自身のブログの最新の投稿では、とある事がきっかけで若かりし頃に夢中だったアメコミへの愛を炸裂させている。

「ここ数年、コロナ禍もあって、映画館にはしばらく足を運んでいませんでした。できるだけ映画館で映画を観るのが好きだったので、恥ずかしいです。僕なんて、映画館を所有している身なのに。サンタフェには最高のポップコーンもあるんです!

僕の映画館では『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』は上映していなくて、もし上映していたらもっと早く観れたかもしれません。数日前、やっと観れたんですけど……。

最高でした。こう言わなければいけませんね。

サム・ライミは僕のずっと大好きな監督です。ドクター・ストレンジもお気に入りのマーベルキャラクターの一人。非現実的な次元やパラレルワールドを軽々とすり抜けていくこのバージョンのドクター・ストレンジは、昔の僕が夢中になったドクターでした。クレアまで出してくれたなんて!クレアが大好きなんです!

マーティンの言うように、『マルチバース・オブ・マッドネス』では新米ヒーローのアメリカ・チャベスと共にストレンジがマルチバースを行き来する物語が描かれた。クレアとは、劇中でサプライズ登場を果たしたキャラクターのことで、原作コミックではストレンジの妻となる。コメントにもある通り、マーティンにとって本作は、フィルムメーカーから登場キャラクター、物語の設定まで、ドンピシャだったようだ。

さらに、マーティンは本作の劇場体験で、少年時代のとある出来事を思い出したという。「この映画を観て、大切な記憶が蘇りました。1964年に世界で初めて開催されたグリニッジ・ヴィレッジのコミコンに参加した時のことです」と綴っている。

「僕は15歳でした。あのコミコンは屋内の小さな部屋で開かれました。セールスマンが古いコミックを段ボールの中に並べて押し売りしていました。前の演壇には、ファビュラス・フロー・スタインバーグやスティーブ・ディッコが登壇されました。彼(ディッコ)が参加したコミコンは、あれだけなんじゃないかな。とにかく僕は彼に話しかけて、彼のアートをどれだけ愛しているかを伝えました。特に、ドクター・ストレンジについて。ディッコは控えめな方で、少しシャイだったと思いますが、 十分優しくして下さった。彼もドクター・ストレンジが一番好きだとおっしゃってました。スパイダーマンよりもね。

謙虚でない僕に言わせてみれば、彼は今でも、これまでにペンを執ったアーティストの中で最も偉大な一人です。

フロー・スタインバーグとは、“ファビュラス・フロー”の愛称で親しまれた人物で、マーベルの黎明期を支えた伝説的な出版人。マーベル・コミックにはキャラクターとしても登場した。一方、スティーブ・ディッコはスパイダーマンやドクター・ストレンジの生みの親として知られるこれまた伝説的な作画アーティスト。世界初のコミコンを語れる人は少ない上、ここまで詳細な話は非常に貴重である。

半世紀も前の記憶を蘇らせたマーティンは、「“マルチバース”は僕の中で眠っていたマーベルファンな少年の心を目覚めさせました」とまで述べている。もしかすると今後、マーベルから新作がリリースされるたびに、マーティンによるアツいレビューが到着するようになるかもしれない。

Source: George R R Martin Blog

Writer

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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