『マトリックス』まさかの舞台化、オリンピック級の超大型ステージに ─ 演出は『トレインスポッティング』ダニー・ボイル

キアヌ・リーブス主演、ウォシャウスキー姉妹監督による伝説的SF映画『マトリックス』(1999)が舞台化されることがわかった。米Varietyなどが報じている。
舞台版『マトリックス』のタイトルは『Free Your Mind(原題)』で、演劇作品ではなくダンス作品となる。演出は『トレインスポッティング』シリーズや『スラムドッグ$ミリオネア』(2008)のダニー・ボイル。2023年10月13日から11月5日にかけて、イングランド・マンチェスターの新劇場Factory Internationalの公式オープニング作品として上演される。
発表によると、本作は『マトリックス』に基づく“大スケールの没入型パフォーマンス”。「最新の没入型デザインと、数百人のダンサーによるヒップホップダンスの融合で、観客を『マトリックス』のスリリングな旅へ、そして新たな可能性の領域へと導く」という。会場のFactory Internationalは観客7000人を収容できる巨大施設で、パフォーマンスは「施設の超・自由自在な空間にまたがって」展開することになるようだ。
振付を担当するのは、2012年ロンドンオリンピックの開会式に参加したほか、数々の舞台やショーに携わってきたケンドリック・“H2O”・サンディ。音楽は長年のキャリアを誇るプロデューサー・DJ・作曲家のマイケル・“マイキー・J”・アサンテが担当する。ケンドリックとマイケルは、ヒップホップ・カルチャーを映画や舞台に取り入れる試みをイギリスで20年にわたり続けてきたBoy Blueの創設者兼アーティスティック・ディレクターだ。
舞台美術のデザインは、サム・メンデス演出「リーマン・トリロジー」のエス・デヴリン。舞台作品のみならず、スーパーボウルのハーフタイムショーをはじめ、ビヨンセやThe Weeknd、カニエ・ウェスト、アデル、U2、ビリー・アイリッシュといったアーティストのライブツアーでステージ・デザインを担ってきた才能だ。脚本は詩人・劇作家のサブリナ・マフーズが手がける。
本作ではプロのダンサー陣と一般参加者の共演、さらに壮大なセットと視覚効果によって、「映画でおなじみのシーンを再創造し、新たな未来のビジョンを提示する」とのこと。発表されたステートメントには「この作品は観る者の精神と肉体、魂を再構築する。あとはあなた次第」とも記されているから、きっと『マトリックス』の精神性を継承した作品になることだろう。
なお、こうした概要から想像するに、本作はいわゆる“映画の舞台化”ではなく、より大型のパフォーマンス作品になる模様。演出のダニー・ボイルは映画版『マトリックス』シリーズには関与していないが、ケンドリック&マイケルも参加した2012年ロンドン五輪で開会式の演出を担当した実績の持ち主だ。数百人以上の出演者・参加者を取りまとめた経験から、本作にふさわしい人材として起用されたものとみられる。
『マトリックス』の舞台版『Free Your Mind(原題)』は、2023年10月13日~11月5日にFactory International(イングランド・マンチェスター)にて上演される。
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Source: Factory International, Business Manchester, Variety, BBC