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『マトリックス4』リリー・ウォシャウスキーが監督復帰しなかった理由 ─ 「アーティストとしての自分」とは何か

マトリックス リローデッド
© Warner Bros. 写真:ゼータ イメージ

キアヌ・リーブス主演、18年ぶりに蘇る『マトリックス』シリーズ最新作『マトリックス レザレクションズ(原題:The Matrix Resurrections)』には、前3作で監督を務めたリリー・ウォシャウスキーは続投せず、姉のラナ・ウォシャウスキーのみが残留することとなった。ここ近年ドラマ界を活動の場にしているリリーはこのたび、第4作に復帰しなかった理由を赤裸々に明かしている。

ラナとリリーのウォシャウスキー姉妹は、1999年に監督&脚本を手がけた『マトリックス』で成功を収め、当時のハリウッドに映像革命をもたらしたとして世界的に注目された。その後、2人は2003年に連続公開された『マトリックス リローデッド』『マトリックス レボリューションズ』をはじめ、『スピード・レーサー』(2008)『ジュピター』(2015)などでコラボレーションを続けてきた。しかし、2019年に届けられた『マトリックス』第4作の製作決定を伝える第一報では、姉妹揃ってではなく、ラナだけが監督復帰することが伝えられたのだ。

2019年当時からすでにリリーは映画界を離れていたため、復帰しない理由はドラマ作品への専念かと思われており、2020年6月には映画製作で感じていたストレスや不満も明かしていた。しかし、どうやらリリーには『マトリックス』第4作に参加しなかった別の理由もあったようで、米テレビ批評家協会のイベントで以下のように明かしている。

「過去にさかのぼったり、前にやったことに参加したりすることには、はっきり言うと魅力を感じないんです。トランジションや両親の死といった人生の激動を乗り越えた後に、また昔に戻って前の道を歩み直すというのは感情的に満たされないことで、(自分とは)真逆の考えだったんです。昔の靴を履いて生きるようなことはしたくなかったんです。」

また、リリーは『クラウド・アトラス』(2012)や『ジュピター』など、2010年代にラナと手がけた映画の製作でプレッシャーを感じていたことも明かしており、「完全に疲れ切った状態」だったという。「その時の私の世界は崩壊していました」とリリー。「だから(映画)業界から離れる必要があったんです」と語っている。

アーティストとしての自分と繋がり直す必要がありました。だから学校に通い直したり絵を描いたりすることで、繋がりを見つけたんです。その夏に母親と絵を描き始めようって決めたんですけど、その時ちょうどラナから、“Netflixが(『センス8』の)新シーズンを作りたいんだって”と電話をもらいました。私はこう言いました。“出来ない。やりたくない”って。」

決意新たに自分の道を進み始めたリリーは、思い入れも深いであろう『マトリックス』最新作への参加も断り、ドラマ「Work in Progress(原題)」(2019-)を手がけた。同作は、トランスジェンダー女性である自身の経験が反映されたストーリーになっている。リリーは米Themとのインタビューで「すごく充実しています」と語っている。

現在はそれぞれ別の作品を手がけているラナとリリーだが、今後再び仕事を共にすることはあるだろうか。リリーは、以前ラナから“将来また一緒に作品を作りたいか”を訊かれたと明かしており、その時は「どうだろうね(Who Knows?)」と答えたそうだ。

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Source:The Wrap,Them

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SawadyYOSHINORI SAWADA

THE RIVER編集部。宇宙、アウトドア、ダンスと多趣味ですが、一番はやはり映画。 "Old is New"という言葉の表すような新鮮且つ謙虚な姿勢を心構えに物書きをしています。 宜しくお願い致します。ご連絡はsawada@riverch.jpまで。

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